投資は上手く株式売買をすることでしょうか?
提供元:日興アセットマネジメント
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投資の極意は安く買って高く売る?
もう20年以上前の話で恐縮なのですが、ある投資顧問会社に在籍していたとき、大手機関投資家のところに投資戦略を提案しに行ったことがありました。
クオンツ運用(コンピューター運用)の株式売買執行ルールの説明をしていたのですが、その機関投資家の運用部長に言われたことで忘れられないことがありました。
その運用部長が座席からチャートブックを取り出してきて、「投資の極意は安く買って高く売ることだ。」と言ってチャートの底値と高値を指さしたのです。
その運用部長の言わんとしていることは、チャートの底値と高値を当て続けるような手法を開発してほしいということだったのでしょうが、内心、それができれば苦労はしないと思ったものでした。
現在、ETFの組成・普及の仕事をしていて、日々、ETFの設定・解約状況を見ていますが、ふと、「投資家はETFを安く買って高く売ることができているのだろうか。ETFの売買で投資家はいい思いができているのだろうか。」という疑問を持ちました。
ETF投資家の売り買いを調べてみる
ETFには、流通市場と発行市場の2つの市場があります。
流通市場でETFが買われると、市場のETFが不足するため、発行市場でETFの販売証券会社(指定参加者)がETFを設定して流通市場に流通させます。
逆に、流通市場でETFが売られると、市場のETFが過多になるため、発行市場でETFの販売証券会社(指定参加者)がETFを解約して市場の流通量を減らします。
流通市場でETFが買われると発行市場でETFが設定され、売られると解約されるのです。そこで、日経平均株価の上下とETFの設定・解約の状況を調べてみました。
(グラフ1)日経平均株価とETFの設定・解約額
このグラフは、日本銀行を除く投資家の日本株ETF全体(レバ・インバ除く)の設定・解約金額と日経平均株価の騰落額を見たものです。
①は日経平均株価が下落した日にETFの設定・解約がネットで設定超(買付超)となった日です。244日中50日ありました。②は日経平均株価が上昇した日にETFの設定・解約がネットで設定超(買付超)となった日です。244日中89日ありました。
③は日経平均株価が上昇した日にETFの設定・解約がネットで解約超(売付超)となった日です。244日中41日ありました。④は日経平均株価が下落した日にETFの設定・解約がネットで解約超(売付超)となった日です。244日中64日ありました。
市場の下落局面で買って(設定)上昇局面での売る(解約)ケースも見られますが、逆に、上昇局面で買って下落局面での売りのケース日のほうが多く見られます。
また、下げ幅が大きくなると買付金額が細っていく傾向も見られます。バーゲンセールで値段が下がると消費者は喜んで買うのに、金融商品では株価(価格)が下がりすぎると買われなくなるようです。
投資の原点に帰って
株式投資の原点に帰って考えてみますと、会社は資本(元手)を調達する見合いに株式を発行します。会社はその元手を使って事業を行い、得た利益を株式の保有者(投資家)に対して分配し、残りを再投資し会社の価値を高めようとします。
それらの会社への複合投資が株式のインデックス投資、ETF投資です。東京証券取引所から出ている決算短信集計や決算短信そのものを見ますと、一部、事業で失敗する(損失を出す)会社もありますが、大方の会社は利益を上げています。
その事実から、企業の業績のみに着目した場合、投資は基本的に収益が発生する事を期待していいものであることが理解できます。そうだとすると、市場の上げ下げにかかわらず投資を考えていいのかもしれませんし、さらに市場の下落時はETF投資のチャンスと積極的に捉えてもいいのかもしれません。
しかしながら、投資をするにあたって、やはり疑問や不安等が浮ぶものです。日興アセットは投資をされる方や投資を検討される方の一助となるためにWE LOVE ETF(https://www.nikkoam.com/products/etf/we-love-etf)というコンテンツを用意しています。
ぜひ、一度、ご覧いただければと思います。宜しくお願いいたします。
(提供元:日興アセットマネジメント)