プロが語る!資産形成のすゝめ

変貌する国際社会で際立つ存在感!

世界の耳目が集まる「2019 Nippon」

提供元:ちばぎん証券

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想定を超える波乱に見舞われた2018年の株式市場でしたが、年明け以降も不安定な動きが続いています。

米中摩擦の深刻化、それに伴う世界景気の下振れ懸念が強く意識されるなか、米国内では政府機関の一部閉鎖に象徴される政治の混乱が続き、欧州では英国のEU離脱問題が一向に決着せず―。

山積する難問を前に、投資意欲が盛り上がらないのは無理からぬところかもしれません。ただ私は足下の状況について、やや悲観的に過ぎるのではないか、と考えています。

厳しい状況が認識されるにつれて、対策、対応が進むということは過去何度も繰り返されてきたことですし、結果としてそうした局面での投資が高いパフォーマンスをあげていることも事実です。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、1月30日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、「リスク管理の観点から、金融政策はじっと様子見することが重要」と述べ、2019年中に2回を見込んでいた利上げシナリオを事実上棚上げしました。

さらに、2017年秋から続く保有資産の圧縮についても「修正する用意がある」と明言し、市場が懸念する「量的金融引き締め」の悪影響についても目配りする姿勢を示しました。

「Fed(FRB)に逆らうな!」はウォールストリートでよく知られた相場格言。今回もFRBの方針転換を過小評価すべきではないでしょう。

中国は昨年12月に行われた中央経済工作会議で、経済の現状について「外部環境は複雑で厳しく、経済は下押し圧力に直面している」との認識を示し、「六つの安定」、すなわち 「雇用、金融、対外貿易、外資、投資、期待の安定」を優先する方針を示しました。

そのためにインフラ投資や減税、金融緩和など、政策総動員で景気の下振れを回避する構えです。もちろん中長期的な構造改革が先送りされる懸念は大きくなりますが、危機対応の本気度が格段に高まってきたことは確かです。

トランプ大統領が推し進める保護主義的な通商政策はわが国にとっても大きなリスク要因です。ただこれに対抗する通商面での新しい動きも始まっています。

一つは昨年12月30日に発効した環太平洋自由貿易協定「TPP11」です。2017年1月に米国が離脱を表明した後、日本主導で協定を立て直し、世界の貿易額の15%、GDPの13%を占める自由貿易圏の誕生にこぎつけました。

TPP11では日本を除く10カ国が最終的にほぼ全ての関税をなくし、日本も工業製品の100%、農林水産品の82.3%の関税を撤廃します。また、電子商取引や小売店の出店規制緩和、外資による出資比率の上限引き上げなど、投資・サービス分野での市場開放も進みます。

タイやインドネシアなど今後の参加に前向きな国もあり、その勢力は今後一段と拡大していくでしょう。

もう一つは今年の2月1日に発効した欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)です。こちらは世界のGDPの約3割、貿易総額の約4割とTPP11を上回る規模の自由貿易圏の誕生となります。

関税の面では日本側が94%の品目で、EU側が99%の品目で、それぞれ関税を撤廃します。加えて、日欧EPAでは地理的表示(GI)など、知的財産権の保護でも合意しました。

神戸ビーフや越前ガニ、夕張メロンなど産地と結びついた食品や酒類のブランド名称は地理的表示(GI)と呼ばれ、国際的に知的財産と認められています。

日欧EPAが発効すれば、日本のGIは欧州で一括保護され、国内の生産者は模倣品による権利侵害を防ぐことができます。また、欧州で食品名が浸透することにより輸出拡大も期待できるでしょう。まさに「ジャパン・ブランド」の世界進出を後押しする強力な武器になり得るのです。

トランプ米政権を筆頭に世界で保護主義が台頭するなか、自由貿易陣営は防戦一方だったかもしれませんが形勢を逆転する仕掛けは整いつつあります。そして日本はその「要」とも言える存在なのです。

2019年は天皇陛下の退位と皇太子さまの即位に伴う様々な行事をはじめ、ラグビーのワールドカップ、G20首脳会議など世界の注目を集めるビッグイベントが目白押しです。変貌する国際社会で存在感を増す日本に対し、世界の期待は否が応でも高まることでしょう。

すこし(かなり?)言い過ぎたかも知れませんが、投資家の皆さんがこれまでとは違った目線で株式市場を見る一助になればと願っています。

(ちばぎん証券 株式部長 大越秀行)

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