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FPとオンライン上で無料のチャット

プロに家計を相談できる「お金の健康診断」

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将来のお金について、悩みや不安を抱える人は少なくないだろう。かといって、ファイナンシャルプランナー(FP)などの専門家に相談する人はそれほど多くない。そこには「わざわざ相談するのは面倒」「専門家に話すのは気がひける」「お金がかかる」といった、数々のハードルが存在する。

そんな中、オンライン上でユーザーの家計状況を診断し、さらには無料でFPにチャット相談できるサービスが登場している。昨年11月末に正式リリースされた『お金の健康診断』だ。

サービスを開発したのは、ロボアドバイザー「THEO」を運営するお金のデザイン社の子会社、400F。両社の代表を務める中村仁氏は「大前提として、このサービスはTHEOに紐づかない、独立したものです」と話す。

むしろ、THEOに携わる中で、資産運用をしていない人、それでいてお金に悩む人を数多く見たからこそ生まれたものであり、「ロボアド以外にも、お金について気軽に考える機会や、課題を解決する手段を作りたかった」という。

いったいどのようなサービスなのか。中村氏と同社COOの加々美文康氏に話を聞いた。

年収や貯蓄について、近い環境の人の「平均」と比べられる

お金の健康診断では、ユーザーが20個ほどの簡単な質問に答えると、回答をもとにした“診断結果”が表示される。質問内容は、住んでいる地域や年収、月々の貯金や保険料といったステータス要素と、はい/いいえの形式で性格面を分析するものがある。

診断結果では、お金に関するユーザーの性格タイプとアドバイスが示される。あわせて面白いのは、回答から年収、年間貯蓄、保険といった5つの項目について、環境が近い人の平均額を提示。ユーザーの回答と比べ、A〜Eの5段階で評価してくれる。「自分の家計が、近い環境の人たちの中でどのポジションにあるか推察できるようになっています」と加々美氏は話す。

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さらにこのサービスで重要なのは、診断を終えたユーザーがチャットでFPに相談できること。いわゆるユーザーとFPのマッチングサービスであり、相談料もかからない。

「日本は『貯蓄から投資へ』という流れが生まれにくいと言われますが、それは投資に至るまでの過程が乏しいから。お金に悩んだとき、気軽に相談したり、忙しい中でも考えられたりというチャンスが少ないと感じます。それを、チャットによるFPへの無料相談という形で補うのがサービスの趣旨です」(中村氏)

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たとえば、小さな子どもがいる主婦、あるいは出産前の妊婦は、もっともお金の不安が生まれやすいタイミングでありながら、同時にもっとも忙しいタイミングでもある。そんな人たちが不安を解消できるサービスを目指したという。

加々美氏も、「FPの方に相談に行く、あるいはセミナーなどに参加するのは気が重いのですが、チャットとなれば気楽かつスピーディに聞くことができます」と語る。

チャットだからこそ、デリケートな「お金」の相談ができる

このサービスは、「診断」と、その結果をもとにした「FP相談」という2段階の構造になっている。ユーザーの診断結果はFP に共有されるため、従来の相談よりスムーズになるという。

「家計の相談で一番大変なのは、お客さまの基本情報を聞く最初の部分だと言います。お金のことなので対面では言いにくい面もあるのでしょう。『お金の健康診断』では、その情報を取得した状態で相談をスタートできるので、スムーズにアドバイスに入れます」(加々美氏)

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なお、このサービスはFP側が月額で課金するビジネスモデルであり、各FPはチャット相談をしたユーザーから5段階で評価される。そうしたシステムでFPの質を高めていくという。さらに、今後は機械学習を使ってユーザーに最適なFPをチョイスする形も見据える。

「もうひとつこのサービスで資産となるのが、チャットのデータです。今までの金融業界はメールやチャットで相談するケースが少なく、対面や電話での音声が主体でした。対して、今回はやりとりがチャットで言語化されるので、そのデータを分析・活用するとbot(ボット)※などが高度化していくかもしれません」(加々美氏)
※bot(ボット):SNSなどのコミュニケーション・サービスにおいて自動的に投稿するプログラムのこと

そのようなテクノロジー面に注力しつつ、キャラクターの「おかねこ」に代表されるような“気軽さ”も随所に取り入れた。そして中村氏は、改めてこのサービスを開発した意義を説く。

「私たちが目指すのは、日本に資産運用のマインドを根付かせることです。ただ、それはこれまで数十年かけても難しかったものであり、THEOというサービス一つで出来るとは思いません。だからこそ、人々に寄り添って、必要なサービスを生み出していく。そうして、硬直的になりつつある意識を変えていきたいのです」(中村氏)

根幹にあるのは、人々に寄り添ったサービス。それが増えることで、目指す景色は見てくるのかもしれない。「お金の健康診断」は、その1つである。

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(取材・文/有井太郎 撮影/森カズシゲ)

※記事の内容は2019年2月現在の情報です

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