プロが語る!資産形成のすゝめ

時価総額ランキングの推移から見えてくるもの

日本経済の主役はアベノミクスでどう変わった!?

提供元:マネックス証券

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アベノミクスは成功したと言えるか?

2012年末以降、いわゆるアベノミクスと呼ばれる経済政策が進められています。

2012年10月の日経平均株価は9,000円を割っていましたが、直近、大きな株価下落があったものの2018年末もこの記事を書いている2019年2月も日経平均株価は20,000円を超えており、2018年10月にはバブル崩壊後の高値を更新しています。アベノミクスは株価という点では成功しているように映ります。

しかし、自分は2018年に株価の面でもアベノミクスは転換点を迎えたと考えています。これは東証の統計が示しています。東証の統計は豊富で、整理されており様々な分析に適しています。

株価/利益で、利益水準から見て株価が割安かを示すPERという指標があります。数字が小さいほど割安です。東証一部上場企業のPER(単純平均)の震災後の最低値(最も割安だったとき)は14.8倍です。2018年12月末は14.9倍と同水準になっています。

また、同じく東証で集計している加重平均配当利回りは2.39%です。これも、2012年11月以来の高さです。つまり、株価水準こそ過去最高、2012年の倍以上ですが、利益水準や配当金を考慮すると2012年と同じ水準まで落ちてしまったのが2018年なのです。

PER・配当利回りは、一般に期待値を示すといいます。期待が高いと現在の利益・配当水準に対し、株価は高い水準になるのです。逆に言うと、利益・配当は倍増したものの、期待値はアベノミクス以前に戻ってしまったのが2012年ということです。

時価総額ランキングはどう変わった?

これらは全体像の話です。東証には月末時価総額ランキングという資料があり、2010年1月以降の毎月の時価総額上位50社(東証一部)の集計が掲載されています。

これを見ることで、アベノミクス以降の変化の内訳が分かります。これは、全体像、期待値をどう評価するかの参考にもなるのではないでしょうか。

2012年末から2018年末まで7年の上位50社の変化はどうなっているかを見てみましょう。(社名変更などがあった会社は直近の会社名を優先しました。)

時価総額ランキング上位50社(東証一部、2012年末から2018年末):PDF

まず、7年間ずっと50位以内の会社が30社あります。中でも、トヨタはずっと1位をキープしています。また、ソフトバンクGと三菱UFJ、三井住友、ホンダの4社はずっと10位以内です。つまり、50位までのうちの30社と、10位までの5社は7年間変わっていないということです。

では、10位以内に新たに入った会社はあるでしょうか。代表例が、キーエンスでしょう。12年に47位で約1兆円の時価総額だった同社は、18年には約7.7兆円で堂々5位にまで上昇しています。ちなみにこの7年間、毎年順位を上げたのは同社だけです。

KDDIは12年は14位、13年に13位だったものの、14年以降常に上位10社です。ライバルのドコモが12年・13年から14年・15年に順位を落としたのと対照的です。ゆうちょ銀行は上場後の16年から上位10社を3年継続していますが、低下傾向。リクルートHD・第一生命HDも新規上場組です。

上位50社の常連入りをしたのは、15年以降のオリエンタルランド、14年以降のダイキン、13年以降の村田製作所といったところ。日本電産は12年に49位で、一度脱落したものの15年に復活、その後18年に24位と尻上がりです。

14年登場以来SUBARUは順位を伸ばしていましたが、18年は急失速。大和ハウスは18年初登場。一方、常連から外れたのは新日鐵住金、JXホールディングス、住友商事、三井不動産、東芝、三菱重工業、クボタです。

キーエンスを筆頭に、比較的新しい会社が常連入りしているのに対し、財閥系など歴史ある会社が順位を落としています。これは大きな変化でしょう。

また、特徴的な変化の3社があります。ソニーとパナソニックは13年末いずれも圏外。これは驚きでしたが、両社とも14年に復活し、以降圏外には落ちていません。ソニーは14年以降毎年順位を上げ、18年は11位になっています。

任天堂は、12年27位から15年圏外まで落ちたものの、16年に48位で復活。18年には12位に伸ばしています。戦後の代表的な会社はこの期間に復活しています。

平成企業の頑張りに期待

ただ、ヤフーは14年20位から、18年45位。14年・15年に上位50社に入った楽天も16年以降圏外が続いており、平成生まれの会社がぱっとしないのが気にかかります。

米中のランキングだとIT企業が目立つので、日本の停滞感を感じるのはこういうところでしょう。自分の勤め先も平成生まれ、もっと頑張りたいと思います。

全体では、転換点にあるアベノミクスですが、その裏では主役の変化が進んでおり、その中ではソニー、任天堂のように復活した会社もあります。ただ、それらは平成以降の主役・・・というにはやや古いメンバーで、平成以降の会社が伸びてくることが全体の再転換につながる、とまとめられましょう。

ただ変化を待っていても仕方がない。自分の勤め先では「アクティビストフォーラム」という施策を開始し、個人投資家がマーケットの変化を起こすことを推進しています。

 

(マーケティング部長 兼 トレードステーション推進室長 山田 真一郎)

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