利益を全部株主に還元する会社も!

配当・自社株買い…株主還元にアツい企業がわかる「総還元性向」

提供元:Mocha(モカ)

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景気拡大の長さが、戦後最長の景気拡大「いざなみ景気」を超えました。でも、お給料も上がらないし、「そんなに景気良かったっけ?」と思う人が多いのではないでしょうか。

それもそのはず。企業は従業員の賃金を増やすより、株主還元にチカラを入れているようです。今回は、この株主還元について解説します。

金額は増加の一途!利益を株主に戻す株主還元

株主還元とは、企業が事業活動で得た利益の一部を株主に戻すことです。2019年1月17日の日経新聞電子版によると、上場企業の配当と自社株買いを合わせた株主還元の額が5年間で約2倍の15兆円に達しているとのこと。

上場企業の配当額は10.7兆円と前年度比で15%増加し、自社株買いは実施予定を含めて4.6兆円と57%増加。総還元額は前年度比25%増の15.3兆円と、予想純利益の半分程度にのぼる見通しです。

株主還元が広がる理由として、景気拡大により企業内に蓄積された資金(内部留保)が増えていることが考えられます。株主総会では、株主から内部留保を配当にまわすような要求も強まってきており、株主還元を重要な経営課題のひとつとして位置づける企業も増えてきました。

したがって、株主還元の手厚い企業の株を買うことは、うれしい「おまけ」を継続的に手にするチャンスでもあるのです。

株主ならみんなうれしい株主還元の中身をチェック!

上でも軽く触れましたが、株主還元には大きくわけて、配当と自社株買いがあります。また、大きなくくりで言うと株主優待も株主還元の1つだといえるでしょう。

○ 配当

配当とは、企業が利益を出したときに、その一部を株主に還元することです。年に1度や2度など決められた時期に、現金を受け取ることができます。

特別に大きな利益が出た年や、創立20周年など企業の記念の年には、普通の配当とは別に特別配当や記念配当がある場合も。一方で、業績が悪いなど企業の都合によって、配当が行われないこともあります。

○ 自社株買い

自社株買いとは、企業が利益の一部を使って、自社の株式を買うことです。

買い取った株式を消却すると市場に流通する株式数が減るため、1株当たりの価値を高める効果があります。そうなると株価の上昇も期待できることから、自社株買いは株主還元になると考えられています。

なお、企業が自社株買いをするときは、「自社の株価が安い」と考えている可能性があります。この動きを、経営陣が市場に「今が買い時ですよ」とメッセージを送っていると捉える人もいるようです。

○ 株主優待

株主優待とは、株式を発行している企業が自社の株式を一定数以上持つ株主に、自社の商品やサービスなどを贈るものです。

企業の株を購入することは人気投票のようなもの。企業からすると株主優待は、自社に投票してくれたことへの感謝の気持ちを表し、自社の情報を届ける良い機会になっています。

株主還元に積極的な銘柄をどう探せばいいの?

株式を発行している企業の中から、株主還元に積極的な企業をどう探せばいいのでしょうか。

最近注目されているのが「総還元性向」という指標。これは配当金と自社株買いの金額を合計し、当期純利益で割った比率を指します。

株主還元に積極的な企業への関心が高まっていることもあり、決算時期に「総還元性向」について発表する企業が増えてきました。

例えば、アシックス<7936>は、取締役会で「2017年度から 2020 年度までの 4 ヵ年は50%の総還元性向になることを目処に、株価水準や市場環境等に応じて、機動的な自己株式の取得を行う。」と決議し、定時株主総会で正式決定すると発表しました。

また、青山商事<7936>は中期経営計画として、「中期経営計画期間中(2018年度から2020年度まで)、連結総還元性向100%を目処とした配当、自己株式取得を実施いたします。」という驚きの発表をしています。

総還元性向が50%なら利益の半分、100%なら全部を株主に還元するということ。かなり大胆な取り組みですが、それだけ企業に余裕があるということの表れなのでしょう。

株主還元は投資家に注目されている取り組みですが、株式投資で重要なのは企業の財務状況や業績予想など将来の見通しです。将来が有望で、なおかつ株主還元に積極的な企業の株式は、今後ますます注目を集めるのではないでしょうか。

[執筆:ファイナンシャルプランナー 辻本由香]

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