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二人三脚で資産形成にトライ!

FPが伝授! 共働き夫婦の資産形成を成功に導く「ファミリーアロケーション」

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夫婦共働きは世帯収入を大幅アップさせる有効な手段。しかし、将来の資産形成にあたって共働きで得た収入をどう配分するか、しっかり計画している夫婦はそういないかもしれません。そこで、『共働き夫婦 お金の教科書』(プレジデント社)の著者でもある、ファイナンシャルプランナーの山崎俊輔さんに、今からすぐにでも考えたい共働き家庭のマネーデザインのコツについて教えてもらいました。

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夫婦で一緒に最適な「ファミリーアロケーション」を考える

共働きが増えてきた時代だからこそ、新しい家計管理のルールが必要だと山崎さんは言います。そのルールのベースとなるのが、「ファミリーアロケーション」という考え方。

「今の時代、共働き夫婦は片働き(会社員と専業主婦)夫婦の2倍となっているほど、共働きでがんばる夫婦が増えています。夫婦の収入を見える化&共有して、家計の予算配分をコントロールしようというのがファミリーアロケーションの基本的な考え方です。稼ぐエンジンが2つになっても、資産形成のゴールは1つ。とはいえ、夫婦それぞれに給与振込口座がありますから、1つのお財布で管理しようとするのは現実的ではありません」

見える化&共有できていないと、『私は貯めているのにどうしてあなたは全然貯めてないの?』『家賃も公共料金も僕が払っているから貯められるわけないよ』といった言い争いに発展して、マネープランが前進しないと山崎さんは指摘します。

とりわけ老後の資産形成ともなると、夫婦の価値観によって、「どう貯めるか」「いくら必要か」といった認識にズレが生じてしまいがち。そのため、まずはお互いの考えをしっかり擦り合わせることが必要だそう。

「話し合うきっかけは難しいですよね。どちらかが勇気を出して切り出さなくてはいけません。でもそれを怠ると将来にツケが回ってきてしまいます。ひと昔前の人たちであれば、お金のことをそこまで考えなくても、国の年金に退職金を加え、あとは定期預金を積み立てていれば何とかなりました。でも、今は人生100年時代です。老後は30年以上に及ぶ可能性があり資金準備の重要性が高まっています。夫婦一丸となって、自律的な老後の備えが必要なのです」

特に、統計から見て男性よりも女性の方が長生きをする確率が高いので、女性が損してしまいかねないとのこと。

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貯蓄と投資は連動して考え、適切に資産配分する

ダブルインカムというメリットを最大限に活かし、将来のリスクに備える資産を形成するためにも、夫婦揃って投資と向き合うことが大事だと山崎さん。

「現在、従業員自らが年金資産の運用を行う『企業型確定拠出年金』は加入者が約690万人います。これは全国の会社員の6分の1に相当し、さらに毎年右肩上がりに増えています。あなたの会社がもし確定拠出年金を実施しているのなら、自分の退職金について自己責任で運用しなければいけないということです。もはや『会社員は投資と関係ない』『私は興味ないから投資しなくてもいい』という時代ではないのです」

夫婦ともに会社員であれば、投資をはじめるにあたって優先的に検討したいのが確定拠出型年金への加入です。

「企業型確定拠出年金を会社が実施していない場合、個人型の確定拠出年金に加入することができます。現役世代(原則として20歳以上60歳未満の人)が対象ですが、一人につき1つしか口座開設できません。確定拠出年金は、投資の利益が非課税になりますし、iDeCo(個人型確定拠出年金)では毎月積み立てた掛金が所得控除の対象にもなる分、所得税・住民税が軽くなります。自分の老後のために資産形成をがんばれば税金が軽くなるわけですから、会社員であれば見逃せません」

投資で元本割れするのがどうしても嫌という人は、定期預金などの元本保証の商品も用意されています。『一部は安全に増やし、一部は投資で増やす』のように振り分けることもひとつの手。「理想なのは、夫婦ダブルで確定拠出年金に加入し、さらには非課税のNISA口座もダブルで活用して資産運用することです」とのこと。

夫婦揃って投資と向き合う必要性が分かったところで、世帯年収の何割を投資に回せばいいのでしょうか。

「大前提として、投資と貯蓄を連続させて考えるべきです。夫婦の合計年収をまず把握し、どれくらい貯金しようか考えてみます。たとえば、夫婦で年間900万円稼いでいるとして、まずは『世帯年収の10%を貯めよう』と決めたとします。この場合、年90万円貯まります。

その次に、貯蓄目標である年90万円のうち、70%は低金利でも元本保証の商品で増やし、30%は投資に回して高い利回りを目指していこう、というように順を追って考えていくのです。貯蓄と投資はどちらも資産形成です。両者を切り分けて考えるのではなく、貯蓄に投資を包括するイメージで計画を立てていくといいでしょう。投資と貯金を別々に考える必要はないのです」

まずは貯蓄の計画を立て、そしてそのうちの何%かを投資に回す――と段階を踏んで考えることで、資産形成のリスクをコントロールする効果もあるとのこと。

「貯蓄は資産全体における、リスクコントロールの手段でもあります。ただ低金利というわけではなく、あなたの資産全体での元本割れのリスクを抑えてくれる意味合いもあるからです。例えば200万円を現金で貯めたとして、それを全額投資に回したとしましょう。すると、相場のマイナス局面がくると資産の全てが元本割れの影響を受けてしまい、家計に大きなダメージとなります」

これでは本末転倒。そうならないためにも、自分たちの全財産に対して、投資割合をどれくらいにするか、これを夫婦で考えておくことが大切だそう。

「たとえば、100万円は定期預金に移しておき、残りの100万円は投資に回すように投資する割合を自己決定することで、相場の下落時の『財産全体』で見た場合の下落割合を少なくできるわけです。投資は『オレのポケットマネーでやっている』のではなく、夫婦の財産を形成する手段と考えるべきです」

夫婦共働きで、今のところ何とかなっているからこれからも大丈夫――という考え方では、将来のリスクに備えきれない時代。お金のことは大事だと思っていても、なかなか面と向かって話にくいテーマですが、まずはファミリーアロケーションを見える化することによって、不安も払拭できるはず。せっかく夫婦で馬力2倍なら、年に1回くらいはお互いの資産を点検して、将来に向けた投資計画を立ててみてはいかがでしょうか。

(末吉陽子/やじろべえ)

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