「ロボット産業×ETF」セミナーレポート

これからの資産運用のキーワードは「ロボット」&「ETF」

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2019年2月17日、「日本株&ETFスペシャルセミナー~2019年の経済動向とロボットが活躍する未来~」が開催された。

その中で行われたパネルディスカッション「ロボット×ETF ロボットが活躍する新時代とロボアドETFの実力とは」で話題になった、ロボット産業・ETF・ロボアドバイザーの最新事情をお届けしよう。

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着実に規模が大きくなっている「ロボット産業」

イベント冒頭で経済ジャーナリストの和島英樹さんが教えてくれたのは、ロボット産業の現在と未来。

「ロボットというと、ソフトバンクのPepperやホンダのASIMOなど、人型ロボットのイメージが強いですが、徐々に人をアシストするものへと変化しているんです。例えば、工場の製造ライン用IoTロボット、自動運転車、ロボット掃除機などが挙げられます」(和島さん)

「今後は、お店やホテルなど、身近なサービス分野でのロボット活用が進むと思いますよ」(和島英樹さん)
「今後は、お店やホテルなど、身近なサービス分野でのロボット活用が進むと思いますよ」(和島英樹さん)

有名ホテルで既に稼働しているホテルマンロボットなどは人型に近くわかりやすいが、保険会社やコールセンターで導入されているRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、医療や法律分野の専門的な文章を訳す自動翻訳ソフトなども、ロボット産業の一環。

経済産業省の「平成22年度ロボット産業将来市場調査」によると、2015年に約1.6兆円だったロボット産業市場は、2035年には約9.7兆円にまで規模が大きくなるという予測が出ている。
経済産業省の「平成22年度ロボット産業将来市場調査」によると、2015年に約1.6兆円だったロボット産業市場は、2035年には約9.7兆円にまで規模が大きくなるという予測が出ている。

「ロボット産業では、センサーなどのFA機器や半導体、通信など、産業を推し進めるために必要な技術が非常に重要です。そして、この部門では日本企業も捨てたものではありません」(和島さん)

FAセンサー分野では世界一の技術を誇るキーエンス、工作機械を動かすための装置・NC(数値制御)で世界首位のファナック、マテリアルハンドリング世界首位のダイフクなど、「日本企業は裏方を担う技術力が高く、今後においても重要視されていくでしょう」と、和島さんは話す。

「成長著しいロボット産業ですが、これまでは投資する手段が個別株もしくは投資信託に限られていました。個別株に投資するには膨大な企業情報を集めなければなりませんし、金額面の負担も相応にあると考えられます。一方、投資信託に投資するには、取扱い販売会社の制約や信託報酬を気にかける必要もあるといいます。そこでブラックロックは新たな手段として、ロボティクス関連企業で構成したETFを、昨年11月に上場させました」

そう話すのは、ブラックロック・ジャパンETF事業部の渡邉啓輔さん。ロボティクス関連企業に投資する国内唯一のETF「iシェアーズ オートメーション&ロボット ETF」は、アメリカ、日本、台湾をはじめ、国内外の約100銘柄に国際分散投資できるもの。

「信託報酬は0.48%程度と比較的低く抑えられています。また、1口2,140円(2019年2月15日終値)と少額のため、投資のハードルは低いかと思います。株と同じように、身近な証券会社で手軽に投資できる点も見逃せません」(渡邉さん)

「ロボティクス関連産業に投資する投資信託は国内にもありますが、ETFは弊社が初めてです」(渡邉さん)
「ロボティクス関連産業に投資する投資信託は国内にもありますが、ETFは弊社が初めてです」(渡邉さん)

“ETF×ロボアドバイザー”で安定的な運用を

ETFとは、特定の指数に連動する投資商品で、個別株と同様にリアルタイムで取引でき、信用取引も可能。「信託報酬は投資信託と比べて低い傾向にあるため、長期投資に向いています」とは、東京証券取引所金融リテラシーサポート部の三木誠さん。

「例えば、TOPIX連動型ETFの平均信託報酬は年0.09%で、同じくTOPIX連動型投資信託の平均信託報酬は年0.34%です。それぞれを10年間保有した場合、2万5000円程度の差が出るので、長期運用を考えている人にとって、ETFは強い味方になると思います」(三木さん)

「ETFはリアルタイムで取引でき、指値注文もできるので、納得のいく価格で売り買いできるところが大きなメリットだと思います」(三木さん)
「ETFはリアルタイムで取引でき、指値注文もできるので、納得のいく価格で売り買いできるところが大きなメリットだと思います」(三木さん)

ちなみに、2018年7月にはマーケットメイク制度が導入された。マーケットメイカーが常にETFの売り注文、買い注文を出すことで、そのETFの流動性が上がり、一般の個人投資家が売り買いしやすくなるという制度だ。

「ETFの弱点を挙げるとしたら、定額買い付けがしづらいこと。例えば、月々3万円ずつ買うということが難しいんです。一方で、我々が行ったETFに関する調査では、『定期的に一定額を積み立てたい』と感じている人の割合が、一般投資家よりETF保有者の方が高かったんです。つまり、ETFでも積立投資をしたいニーズ強いことが分かりました」(三木さん)

そこで役立つのが、東京証券取引所に上場されているETFでポートフォリオを作成するロボアドバイザー「マネックスアドバイザー」だ。このロボアドを運用するマネックス証券システム開発部の斎藤翔太さんが、「簡単な質問に答えていくだけで、自分の考えに合うポートフォリオが作れます。また、プロのストラテジストの見通しを参考に、ポートフォリオを作成する方法も用意しています」と、サービス内容を解説。

「『マネックスアドバイザー』の標準型ポートフォリオには債券も組み込まれているので、パフォーマンスがTOPIXなどの株価指数より劣る可能性がありますが、下落相場の時には下がりにくくなります。そのため、取っているリスクに対するリターンは相対的に大きくなる可能性が高いです」(斎藤さん)

「ロボアドは急に10%、20%上がることはないので、年間数%の利回りでコツコツ続けていただくのが、いい使い方だと思います」(斎藤さん)
「ロボアドは急に10%、20%上がることはないので、年間数%の利回りでコツコツ続けていただくのが、いい使い方だと思います」(斎藤さん)

また、「マネックスアドバイザー」は毎月積み立ててETFを購入できる機能を搭載し、ETFの弱点をカバー。「長期投資の際には、銘柄分散と同じだけ時間分散も大切です。ちょっとずつ積み立てる方がリスク分散につながりますね」と、和島さんも評価していた。

盛り上がりを見せているロボット産業と、注目を集めているETF&ロボアドバイザー。これからの資産運用のキーワードになることは、間違いなさそうだ。

取材・文/有竹亮介(verb)
撮影/森カズシゲ

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