退職金にかかる所得税は意外と多くないらしい

退職後に影響してくる税金とは…?

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退職時には、退職金がたくさんもらえる!――と手放しで喜ぶのは、少し早いかもしれない。退職直前こそ意識するべき税金も、少なからずあるようだ。

そこで、ファイナンシャルプランナーの高山一恵さんに、定年退職後にかかってくる税金について、解説してもらった。

退職金にかかる「所得税」は勤続年数次第?

退職後に気になる税金といえば、退職金にかかる所得税も挙げられるだろう。一度に大きな金額が入るとなると、その分税金で持っていかれそうだが…。

「退職金は何千万円支払われたとしても、退職所得控除が適用されるので、そこまで税金で持っていかれることはありません。特に、同じ会社に21年以上勤務している人は、優遇されます」(高山さん・以下同)

21年以上勤務している人の退職所得控除額は、「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」で計算される。そして、その計算式で出た金額の2分の1が、課税対象となる。

つまり、21年間働いていて退職金1500万円の場合、控除額は870万円。1500万円から870万円引いた630万円、その2分の1の315万円が課税対象だ。この金額だと税率10%となるため、退職金にかかる所得税は31万5000円(※)。30年間働いていて退職金1500万円の場合は、控除額が1500万円のため、全額非課税となる。
※復興特別所得税は考慮せずに計算した場合

ちなみに、勤続20年以下の人の控除額は「40万円×勤続年数」で算出されるため、20年間働いていれば800万円となる。

「退職金に多額の所得税がかかるケースは、よっぽど大きな金額の場合だけと考えていいでしょう」

退職後の住民税の支払い方法は“退職前”に申告を

「通常、一般の方が退職後に驚く税金が、住民税です。住民税額は前年の所得をもとに算出されるので、退職後も1年間、支払わないといけないんです。ただし、定年退職の場合には現年課税といって、退職金を受け取る時に、退職金から差し引いて納めることになっています」

あらかじめ所得税も住民税も退職金から差し引いて支給してもらうためには、退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出する必要があるという。

「申告書を提出していないと、後から確定申告で過不足を支払う必要があって面倒な上に、後から支払うとなるとその分を使わずに取っておかなければなりませんよね」

退職予定の数年前から給与明細などで年間の所得税・住民税額を把握しておくと、手取りの年間額が把握でき、退職後の資金計画を立てやすくなるだろう。

生前贈与は「年間110万円」まで非課税に

贈与税についても押さえておこう。贈与税とは、生きている間に子どもや孫に金銭を贈る際にかかる税金。一方、死後に配偶者や子どもが遺産を引き継ぐ際にかかる税金は相続税となる。

「贈与税は200万円以下で税率10%、1000万円を超えると45%以上かかってくるので、一括での贈与はおすすめできません。子どもや孫1人につき年間110万円までは非課税なので、毎年110万円ずつ贈与すれば、税金をかけずに財産を移行できます」

ちなみに、相続税は1000万円以下で10%、1000万円を超えても15%以上と、贈与税とは大きく異なる。また、生命保険は非課税で受け取れるケースが多いという。

「生命保険の非課税限度額は『500万円×法定相続人の数』です。例えば、父親が亡くなった場合、母親と子ども2人がいたら、1500万円は非課税で受け取れます。保険金が超高額でない限り、税金を心配する必要はないでしょう」

税金の知識を身につけて、対策をしておけば、老後の税金に関してはそこまで心配しなくても問題なさそうだ。
(有竹亮介/verb)

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