「株主優待」の裏側に迫る!

抽選倍率10倍の工場も!見所満載の工場見学♪

大人の社会科見学♪日本を代表する製鉄所が見学できる!「JFEホールディングス」の株主優待

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今や個人投資家から大人気の「株主優待」。株主優待を目的に株式投資をしている人も多いのではないでしょうか。各企業の優待内容は、企業のホームページで確認できると思いますが、優待誕生の背景や開発秘話はなかなか知ることができません。

そこで、人気企業の株主優待担当者にインタビューを敢行!株主優待導入の背景や現在の優待に決まった経緯、裏話までセキララに語っていただきました。

今回は、日本を代表する大手鉄鋼メーカーJFEホールディングス」の株主優待です。

聞き手・撮影:優待好きFP 高山 一恵

――では、本日はよろしくお願いします。早速ですが、なぜ、株主優待を導入しようと思ったのですか?

おそらく一般の方の多くは普段の生活の中で、鉄がどこに使われているのかイメージできないと思いますし、ましてやその鉄がどこの会社で作られているのか意識することはないと思います。「この鉄橋はJFEの鉄でつくったんですよ」と言ってもピンとこないでしょう。さらには、鉄がどういう工程で作られるのか、現場もご存知ない方がほとんどだと思います。

このような中で当社のことをもっと身近に感じ、ファンになっていただいて、さらには末長く応援していただくために何かできないかと考えました。

当社は製造業ですので、「現場」を見ていただくのが一番よいのではないかと思い、株主優待という形で工場見学会を実施することにしました。

また、当社の企業理念は、「常に世界最高の技術をもって社会に貢献します」というものです。高い技術力や高品質の製品の提供を通じて、持続可能な社会の実現に貢献し、その貢献を通じて、持続的に企業価値を向上させていくというのが当社の経営の基本姿勢にあります。

製造現場を見ていただくことで、当社の事業方針や経営姿勢なども株主の方にご理解いただきたいというのも優待導入の理由です。

――工場見学会を優待に採用している企業はなかなかないですよね。御社ならではの優待といえそうですが、工場見学は抽選なのですか?

はい。ありがたいことに毎回多くの株主の方からご応募いただいております。当社の株主優待は2006年から導入しておりまして12年間続いていますが、株主の方のご要望に応じて、地域や規模を拡大してきました。

実は優待導入当初は、工場見学会も関東地方にある製鉄所の工場を中心に、平日2日間、午前、午後の計4回、540名定員で実施しようと思っていたところ、8,000名を超えるご応募がきたのです。

ここまで株主の方にご要望をいただいているからには、出来る限りお応えしていかなくてはと、急遽、工場見学会の回数を増やしたり、徐々に見学できる工場のエリアも拡大したりしていきました。

また、子どもや孫も連れていきたいという株主の方も多くいらっしゃるので、株主の方と小学生以上のご同伴者1名までご参加いただけるようにしています。

開催日程については、平日のみ開催していた時にはご参加いただける株主の方が比較的ご高齢の方に偏っていました。そこで、土曜日や日曜日の休日にも開催日程を増やすこととしましたが、ご参加いただける株主の方の層が広がったので嬉しく思っています。

現在の工場見学の抽選倍率ですが、ざっくりと申し上げますと、現在も年間約2,500名定員のところ1万名ほどの株主の方からご応募をいただくので、4倍の倍率になっています。

ただ、各地で年間25回開催していて、開催日程ごとに募集をしていますので、人気の高い回は10倍を超える倍率になることもあります(笑)。

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――10倍ですか!当選したらすごくラッキーですね!実際の工場見学はどのような感じなのですか?

どの地区も最初に当社グループや各事業所の事業の説明を30分〜1時間程度させていただきまして、その後、1時間程度、見学していただきます。

回にもよりますが、スケジュールが合う限り、経営幹部が来て、事業内容を説明させていただき、見学後は、質疑応答の時間も設けています。できるだけ株主の方が経営幹部とコミュニケーションを取れるように、そこも意識して開催しています。

――現在は、北は北海道苫小牧地区から南は熊本県有明地区までの各工場で見学会を実施されていますが、各工場の見どころといいますか、一押しポイントはありますか?

どこの工場も見所はありますが、いくつかご紹介しますね。まず、当社の中核事業である鉄鋼について、JFEスチール千葉地区、京浜地区、岡山県倉敷地区、広島県福山地区の製鉄所や、愛知県知多地区の製造所での見学会のお話をしたいと思います。

その前にそもそも鉄がどうやってできるのか、工程をご存知ない方がほとんどだと思いますので、簡単にご説明させていただきます。

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原材料である鉄鉱石を製品としての鋼(はがね)にするには、まず、鉄鉱石を製鉄所のシンボルである「高炉」に入れて溶かし、鉄と鉄以外の不純物に分けます。

この時に、高炉内の温度を上げて炭素などの不純物を取り除く手伝いをするコークス(石炭を蒸し焼きにしたもの)や、石灰石を一緒に投入します。これにより品質の良い鉄を取り出すことができます。

こうして取り出した鉄を「銑鉄」と呼んでいますが、まだ脆く、きちんとした鉄とはいえません。そして、ドロドロにとけた銑鉄を取り出し、トーピードカーや溶銑鍋という容器に入れて次の工程に運んでいきます。

次の工程で転炉と呼ばれる装置に銑鉄と鉄スクラップ、合金などを入れて成分調整を行い、粘りのある強靭な鋼をつくります。このようにして転炉でつくられた鋼は、また別の炉に移され、二次精錬と呼ばれるプロセスで成分を最終調整し、より純度の高い鋼にします。

転炉と二次精錬で目的の用途に合わせて成分を調整し、連続鋳造設備で冷やし固められて、大きな鋼の塊である「鋼片」にします。この鋼片を加熱炉で熱し「熱間圧延機」で延ばすことで、厚みが20センチ以上もある鋼片が、厚みがわずか0.8mmから32mmまでの鋼板になります。最終的にはニーズに合わせて、さらに薄く延ばしたりしながら、いろいろな形の製品にします。

いくつかの製鉄所では、先ほど申し上げた熱間圧延の様子を約20~30mの近さでご覧いただくことができます。鋼片が徐々に薄くなって、最後には最高時速100km/時ものスピードで目の前を流れていきますが、鋼片自体は1000℃を超える熱を持っていますので、離れていてもすごく熱いんです。ですから、工場見学は、夏を避け、秋以降に開催しています。

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――なるほど!実際に目にしたら圧巻でしょうね。

はい。製鉄所によっては、高炉の下からトーピードカーや溶銑鍋に真っ赤な熱い鉄が流れ出る様子をご覧いただけるチャンスもあり、みなさん「わー!」と感動されていますね。

また、知多地区の製造所は、石油・ガスの採掘・輸送などに使用されるパイプや、複雑な形状の鋳造品を製造する専門工場があります。

製造工程としては、薄く延ばされた鋼板を円筒状に丸めて溶接するものがありますが、おすすめは、円柱状の鋼材の真ん中をものすごい勢いでくり抜き、継ぎ目のないパイプ(シームレス鋼管)をつくる工程です。真っ赤に熱せられた鉄があっという間に真ん中をくり抜かれてパイプが出来上がる様子は、製鉄所とはまた違う面白さがありますよ。

通常、工場内は、撮影禁止なのですが、工場見学時は特別に高炉をバックに写真をとっていただける地区や、記念撮影スポットを設けている地区もあります。写真撮影では良い記念になったと喜んでいただける方も多くいらっしゃり、当社としても嬉しく思います。

株主の方にご満足いただけるよう、工場見学に際しては、実際の工場の総務部門にも協力をあおいで、比較的長い時間をかけて準備してもらっています。見学当日は、製造現場の社員にも協力してもらい、安全面なども配慮しています。

――素晴らしいですね!個人的には、造船所も気になります。

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造船所はジャパン マリンユナイテッドになりますが、建造中の船なのか、修理中の船なのかなどによってご見学いただける内容が違います。

基本的にはバスで造船所内を回り、1~2カ所、バスから降りてドックなどのそばで建造・修理中の船をご見学いただいています。建造スケジュールとご見学の時期が合えば、建造ドックの下まで降りていただいて船の底を見ていただくこともあります。

京都府舞鶴地区にある造船所は、かつての海軍工廠(こうしょう)であり、現在も海上自衛隊の基地に隣接しています。ですから舞鶴には海上自衛隊の艦艇が修理などで入ってくるんです。

修理艦艇が岸壁に係留されていることもあり、それをご覧いただくこともあります。また、舞鶴には、海軍の初代司令長官だった東郷平八郎や海軍にまつわる資料をご覧いただける資料館もあり、歴史好きの方には特に喜んでいただけると思います。

他方、熊本県有明地区ではスカイツリーの高さとほぼ同じ長さの大きなドックを有しており、造船所の規模の大きさを実感していただけると思います。建造中の船が何隻も並ぶ姿は圧巻ですよ。

また、三重県津地区ではジャパン マリンユナイテッドの造船所と、橋梁・鋼構造物を製作しているJFEエンジニアリングの製作所が隣接しており、造船所では建造中の船を、製作所では橋梁などの組み立てなどの過程をご覧いただける、1度で2度美味しい地区です。

大きな構造物が製作所でパーツごとに組み立てられ、船で輸送されて現地で完成形となることを知らない方も多く、非常に珍しがられます。

 

――造船所や製作所の見学も楽しそうですね。苫小牧地区の農業生産プラントも気になりますね。御社とトマトは結びつかないのですが…。

こちらは温室型植物工場で、天然ガスを燃料に、ガスエンジンから発生する「電気」、「熱」さらには排出される「CO2」まで利用するガスエンジントリジェネレーションシステムを導入しています。トリジェネレーションシステムでは、同社が得意とする高効率のエネルギー利用技術が活かされています。

この技術力を使って、トマトなどの野菜栽培の促進に貢献しています。こちらの工場で栽培されたトマトは、ある航空会社のファーストクラスの食事に採用されました。

工場見学会では、実際にトマトの試食もできますので、こちらの工場見学をされる株主の方は楽しみにしていてください。

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――リサイクル工場の見学もあるんですね。

普段皆様が分別し廃棄しているペットボトルや家電などが、どのようにリサイクルされているかが良く分かる工場で、日本でも数少ない、「ペットボトルからペットボトルへのリサイクル」ができる工場です。廃棄物から貴重な資源を選別・回収しており、環境意識の高い株主の方からも大変好評いただいています。

――どこの工場も本当に魅力的で工場見学のイメージが変わりました。株主の方の満足度も高そうですね。

ありがとうございます。先日、ある地区の工場見学をされた株主の方から「実はあまり期待してこなかったが、良い意味で期待を裏切られた。すごくよかった」との感想をいただきました。

また、実際、工場見学をしていただいた株主の方からは、「日本の製造業の実力を見て安心した」「これからも世の中を支える企業としてがんばってほしい」「社員の方たちの姿勢をみて、JFEの株主であることを誇りに思います」といった感想をいただくことも多いのですが、このような感想をいただきますと、私たちもそうですし、長い間準備してきた工場に勤務する社員達もとても嬉しく、励みになっています。

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――社員の方たちも御社で働くことに誇りを持てますね。本当に素晴らしい内容の工場見学だと思いますが、運営する上で、ご苦労されているところはありますか?

工場見学にご参加される株主の方は、年間を通して2,500名程度いらっしゃいますが、出欠の連絡を個別で行っています。

2,500名もいらっしゃるので、当日の連絡がなかなかつかなかったり、公共機関の乱れから遅刻されたりする方もいらっしゃいます。逆に、遅刻を心配されてとても早く来られる方もいらっしゃいますね(笑)。

極力、遅れてきた方にも見ていただけるよう、社員の誰かは残るようにして見学会の途中からでもご参加いただけるようにしたり、午前の部に間に合わなければ、午後の部にご参加いただいたりという具合に当日、臨機応変に判断して対応しています。12年間もやっているので一通りのことには対処できると思いますが、当日の受付時はいつもドキドキしますね。

――影の努力があってこそ、満足度の高い見学会ができるわけですね。では、最後に株主の方にメッセージをお願いします。

普段生活する中で鉄やJFEという企業を意識する機会はなかなか少ないと思います。ぜひ工場見学を通じて、当社事業に対する理解を深めていただき、より興味を持っていただいて、末長く応援していただきたいと思います。

――本日は貴重なお話しをいただきましてありがとうございました。

 

【株主優待のプロフィール(データは2019年3月5日時点)】
●・優待商品名:3月末時点で100株以上保有の株主様を対象に工場見学会を実施させていただきます。(同伴者1名まで可)
※権利付最終日は2019年3月26日

優待内容は、2018年度。

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●年間予想配当金:95円(予定)
●優待+配当の利回り:
5%(100株の場合で換算)
●最低投資金額:
19万円(100株単位)
●優待に必要な投資金額:19万円(100株より)
※データは2019年3月5日時点

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