「変動」か「固定」か選ぶ前に仕組みを理解しよう

家を買うなら知っておくべき!「金利」の基礎知識

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人生における大きな買い物・家。多くの人は、住宅ローンを組んで購入するだろう。そこで気になるのが金利。金融機関からお金を借りるための利子ということはわかっても、どんな種類があるかまでは意外と知らないもの。

そこで、ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんに、住宅ローンの金利の基礎知識を教えてもらった。

利息は“現在の残高”をもとに計算される

「まずは金利の仕組みを理解すると、返済計画が立てやすくなります。そもそも利息は、現在の残高をもとに計算されることを知っておきましょう」(氏家さん・以下同)

例えば、3000万円のローンを金利1%で組み、月々10万円返済していくとする。1年目の利息は3000万円の1%で30万円。年間の返済額120万円から利息30万円を引いた残りの90万円が、実質の返済額となる。そして、2年目の利息は残高2910万円の1%で29万1000円と、残高が減った分だけ支払う利息も減っていく。

「実際は月割なので、もう少し複雑ですが、わかりやすくするため年割で例を出しています。上記と同じ条件で金利が3%であれば、1年目の利息は90万円なので、実質の返済額は30万円だけということになります。その場合、月々の返済額を12万に増やすして早期に返済を終えるようにするなど、返済額を決めやすくなります 」

金利の仕組みがわかれば、早いうちに繰り上げ返済を行うことで残高だけでなく利息も減らすことができ、総合的に支払額が減るといったことも見えてくる。

「ただし、金利が1%を下回っている場合、最初の10年間は繰り上げ返済しない方が得になるケースもあります」

住宅ローンを組んでから最初の10年は、残高の1%が控除される「住宅ローン控除」が適用されるため、金利1%以下の場合は利息以上に税金が還付される。つまり、残高を減らさない方がオトクになりやすいのだ。

金利は低めだがリスクの高い「変動金利」

「住宅ローンの金利は『変動金利』と『固定金利』の2種類があります。『変動金利』は金利が低めに設定されていますが、景気と連動して変動していくので、将来的に利息が高くなるリスクがあります」

「変動金利」は、日銀の政策金利に連動しているため、不景気であれば下がり、好景気であれば上がる傾向にある。ちなみに金利の見直しは半年に一度で、4月と10月に行われることが多い。

「金利の見直しは半年ごとに行われますが、そのタイミングでローンの返済額は変わりません。ローンの返済額が見直されるのは5年ごとです。少なくとも5年間、適用金利は変わらないので、社会情勢を見ながら準備する猶予があるといえます。また、5年後に返済額が上がったとしても、最大で前回の125%までという決まりがあるので、急上昇することはありません」

例えば、月々の返済額が10万円だとしたら、1回の見直しで最高12万5000円までしか上がらないということ。ただし、見直しで前回の125%を超えた場合も、切り捨てられた分は返済不要というわけではない。例えば、月々の返済額が10万円から13万円に見直されたとしても、実際の返済額は12万5000円までしか上がらないが、切り捨てられた5000円はさらに5年後の更新時に先送りして請求される。

「夫婦共働きや大きな資産を持つなど、金利が上がっても対応できる家庭は、変動金利でも問題ないでしょう。世の中の経済動向をチェックする習慣がついている人も、向いていると思います」

金利は高めだが安定感のある「固定金利」

もう一つの「固定金利」は、どのような特徴があるのだろうか。

「『固定金利』は、『変動金利』と比べて金利が高く設定されていますが、決められた期間内は変動しないタイプです」

「固定金利」には、支払い終わるまで金利が変わらない「全期間固定金利型」、途中で金利がアップする「段階金利型」、2年・5年・10年など固定期間を選べる「固定金利選択型」と、さまざまな種類がある。

「経済的に余裕がない家庭だと、金利が低く設定されている『変動金利』を選びがちですが、そのような家庭ほど『固定金利』の方が安心です。一定期間金利が変わらないので、将来を見据えた返済計画が立てやすくなります」

金融機関ごとに異なる「キャンペーン金利」

「住宅ローンを組む際に、もう一つチェックするべきものが『優遇金利』、通称『キャンペーン金利』です。通常の金利から一定の割合で差し引かれるもので、金融機関ごとに設定されています」

金融機関によって名称も変わるが、「優遇金利」には「当初引き下げプラン」と「通期引き下げプラン」がある。

「当初引き下げプラン」は、最初の一定期間の優遇幅が拡大され、その期間が終わると優遇幅が縮小されて金利が高くなる。一方「通期引き下げプラン」は、住宅ローンの返済期間中、一律の優遇を受けられる。金融機関ごとに内容は異なるため、ローンを組む機関を決める判断材料になるだろう。

金利の基礎知識を身につけると、家庭の経済状況に合う返済の仕方が見え、住宅の購入計画も立てやすくなるのではないだろうか。
(有竹亮介/verb)

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