シニア世代のマネー事情

雇用、医療、住宅…人生100年時代の今こそ活用すべき!

老後の生活に大きく関わる補助金あれこれ

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“人生100年時代”といわれる今、65歳で定年を迎えた後も、30年以上続くかもしれない長い老後が待っている。収入は減る一方で、親の介護費や自分自身の医療費、介護費などがかかってくることを考えると、憂鬱になりそうだ。

しかし、高齢者向けの補助金や制度は充実している。ファイナンシャルプランナーの高山一恵さんに、50代のうちに知っておきたい高齢者向け補助制度を教えてもらった。

「雇用保険」は65歳以上でも加入可能に

健康寿命が延びている現代では、60歳を超えても働く人がほとんどだろう。高山さんは「雇用関連の補助金は把握しておくべき」と話す。

「まず知っておきたい補助金は、高年齢雇用継続基本給付金。60歳以上65歳未満の一般被保険者が対象で、60歳到達時に比べて、賃金が75%未満に低下した場合に支給される給付金です」(高山さん・以下同)

高山さん曰く、「継続的に働いていても、60歳頃に給与額がガクンと下がるケースは多い」とのこと。定年を目前にして、急激に家計が厳しくなることを避けられる制度だ。

「2017年1月1日に雇用保険の適用が拡大し、65歳以上でも加入できるようになったことも大きいです。1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがあれば、高齢者でも加入できます」

雇用保険であるため、失業保険と同等の高年齢求職者給付金を受給できる。離職前に6カ月以上の雇用保険加入期間が必要という条件はあるが、そこを満たしていれば、離職時に50日分もしくは30日分の給付金が一括で受け取れる。

「65歳以上でも雇用保険に入っていれば、介護休業給付金や教育訓練給付金を受け取れます。親の介護が始まった時も、新しい技能を身につけたい時も、安心して休業できますよ」

70歳を超えると活用しやすい「高額療養費制度」

「高齢者になると、医療系の補助制度も充実していきます。ひと月の医療費が高額になった場合に支給される高額療養費制度は、年齢が上がるほど自己負担限度額が低くなりますよ」

70歳未満で所得が月26万円以下の人は、ひと月の医療費が5万7600円を超えた場合に高額療養費が支給される。一方、70歳以上75歳未満で所得が月28万円未満の人は、1万8000円を超えれば支給される。ちなみにこの制度は、世帯内で合算した医療費で申請可能だ。

「ただし、ここ数年で自己負担限度額は少しずつ上がってきています。今後も自己負担額が増える計算式に変わっていくことが予想されるので、医療費の部分は自助努力で用意しておくことも大切です」

見逃しがちだが、退職後は社会保険系が重要になってくる。定年まで企業に勤めていると、退職後2年間だけ健康保険が継続できる。

「健康保険を任意継続すると、退職後も傷病手当金がもらえます。ケガや病気、うつ病などで療養する場合、最長1年6カ月間、退職前の給与の3分の2が受け取れる制度です。退職後2年間だけですが、大きなメリットだと思います」

介護予防のための住宅改修費用は控除対象

「退職後は、意外と住宅費がかかりやすいです。高齢者の方に話を聞くと、『家の改修費用が負担になっている』とよく聞きます。家も時間が経てば傷みますし、老後を考えてリフォームが必要になることもあるので、持ち家だから出費が発生しないというわけではないんです」

ただし、「高齢者住宅改修費支援制度」といった住宅改修のための補助制度が存在する。バリアフリー化や手すりの取り付けなどを行う際に、受給できる補助金だ。

「要介護または要支援と認定された人で、自宅で暮らす人が住宅を改修した場合、1人につき20万円を限度に、費用の9割が介護保険から支給されます。また、年齢は関係ありませんが、自宅の耐震改修工事をした場合に使える『住宅耐震改修特別控除』、省エネ改修工事をした場合の『住宅特定改修特別税額控除』などもあります」

賃貸住宅で毎月家賃が発生する場合でも、自治体によっては補助してくれる制度があるため、確認してみるべきだという。

「『高齢者家賃助成』は自治体によって内容が違うので、住んでいる地域で調べる必要があります。さまざまな制度を見たところ、年収309万円以下の人であれば、補助を受けられるケースが多いようです。所得が年金だけの方は、受給できる可能性が高いでしょう」

医療費や住宅費など、高齢者になると何かと大きな出費が発生しやすい。そんな時に焦らないためにも、早いうちから補助制度の内容や申請法をインプットしておくとよさそうだ。
(有竹亮介/verb)

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