【ブラックロックが考える日本人とお金の健康】第四回「将来に向けた投資が今の自分を変える」
提供元:ブラックロック・ジャパン
投資をしている人としていない人の差
前回は、日本人の投資が米国など海外と比較し、他の人にアドバイスを求めず、自分で書籍や新聞などから情報収集する独学的な方法で身につける傾向があるとの話をしました。結果として、自分の投資に納得できず、また、アドバイスを求めたくとも、金融機関に対して、どこか近寄りがたく敷居が高い印象を持っているようでした。
今回は、投資をしている人としていない人を比較した際の興味深い分析をご紹介します。調査では、投資をしている人としていない人に対して、彼らの幸福感などについて質問しました。
「他の人と比較し、自分は幸せですか」という質問に対し、現金以外の資産を保有している人は、現預金のみ保有している人に対し、肯定する回答が20ポイント多い結果となりました。「他の人よりも人生が充実している」との回答の割合も同様に高くなっています。この傾向はグローバルに確認されており、収入、年齢、性別に関係なく確認されました。
また興味深いことに、「他の人と比較し、自分は健康ですか」との質問についても、投資をしている人の方が肯定した回答の割合が高い結果となりました。この差は一体どこからくるのでしょうか。
また、投資をしている人は、現預金のみを保有している人よりも、お金の健康状態を良好と考えている割合が倍以上高く、また、退職後に必要な資金を確保できる自信があると考えているようです。自分の将来のお金を管理できていると感じるという質問についても、投資をしている人の方が、肯定的に回答する割合が大幅に高くなりました。
今回の調査では、回答者の保有する金融資産の多寡にあまり関係なく、同様の結果が得られました。つまり、投資を始めるという将来に向けた前向きな行動が、将来への不安を軽減することにつながり、その裏返しとして今の自分の幸福感や人生の充実感に表れているのかもしれません。
これまで4回にわたり連載させていただきましたが、今回の調査結果の内容を受けて、ブラックロックは次の5つのことが重要だと考えます。
1. 投資がもたらすメリットを理解する
お金は世界共通のストレスの原因ですが、将来に向けて一歩踏み出すことがいまの自分にポジティブな影響をもたらしてくれるかもしれません。
2. 自分の人生のゴールや投資の目的をしっかりと持つ
お金をためる長期の目的がはっきりしなければ、短期的な値動きに気をとられ投資の本質を見失いかねません。
3. 身近に相談できるアドバイザーを持つ
投資のプロであっても投資をすべて1人で行うのは至難のわざです。金融機関のドアをたたいて、相談できる相手を持つことが自信につながるのではないでしょうか。
4. テクノロジーを投資の判断や資産の管理に活用する
透明性・客観性を高めることができるテクノロジーを駆使した様々なツールがあります。積極的に活用してみてはいかがでしょう。
5. 将来の生活の具体的なイメージを確認しながら、資金計画を立てる
退職後の生活は人それぞれ異なります。自分の将来を具体的にイメージしながら、必要となる資金の計画を立ててみましょう。
おわりに
ジョギングは健康のために良いと皆さんが知っていて、私たちの日常生活の一部にもなっていますが、数十年前にはそうではありませんでした。スポーツを取り入れたライフスタイルを提案するナイキのようなメーカーが、ジョギングと私たちの健康を結びつけたといわれています。今ではいたるところにスポーツジムができ、選択肢が増えて、スポーツウェアが普段着になり、フィットネスは私たちの生活に欠かせないものになりました。
お金は私たちの生活の中で最大のストレスとなっています。お金によるストレスは、健康よりも、仕事よりも社会生活よりも大きいのです。それにもかかわらず、お金について話すことは敬遠されてきました。ブラックロックは、お金の問題を、ジョギングのように、私たちにとってもっと身近な存在にしたいと考えています。
さあ、まず一歩踏み出してみましょう
(提供元:ブラックロック・ジャパン)