プロが語る!資産形成のすゝめ

相場の変化に対応するために

インバース型ETFをご存知ですか?

提供元:JTG証券

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相場は、上げ相場だけではなく、当然下げ相場もあります。また相場の方向性がはっきりせずに今後の判断がつきにくいことも多くあります。相場に対する不安心理が高まる局面で、対処方法として是非知っておきたいETFがあります。

「インバース型ETF」をご存知でしょうか。「インバース」とは、英語の「Inverse」からきており、日本語では「逆」という意味です。

一般的なETFは、連動対象とする株式・商品の指数等(以下「原指標」と言います。)が上昇すると価格が上がり、原指標が下落すると価格が下がります。しかし、インバース型ETFでは、原指標の変動とは逆の値動きをする指標(以下「対象指標」といいます。)に連動するように設定されるため、原指標が上昇すると価格が下がり、原指標が下落すると価格が上がります。

具体的に説明します。東証に上場している日本株のインバース型ETFの原指標となる主な株価指数としては、TOPIX(東証株価指数)、日経平均株価、JPX日経インデックス400があります。例えば、原指標がTOPIXである場合、TOPIXが1%上昇するとインバース型ETFは1%下落し、逆にTOPIXが1%下落すると1%上昇するように設計されています。

相場の下落局面(原指標も下落)では、現物株式を買って収益を追求することはなかなか難しいですが、原指標が下がると利益が出るインバース型ETFでは、下げ相場こそ投資のチャンスとなります。

また、インバース型ETFは、保有株式の下落リスクを減らす手段として活用することもできます。相場の下落に伴い保有株式も下落する可能性があると予想したときに、株式を保有したままインバース型ETFに投資したとします。予想通り保有株式と原指標が下落した場合、保有株式には含み損が発生するものの、「インバース型ETF」は価格が上昇して逆に含み益が発生します。これにより、含み益と含み損が相殺されて、全体としての損失額を減らすことができるのです。

さらに、インバース型ETFには、原指標と2倍の逆の値動きをする対象指標に連動する「ダブルインバース型ETF」というものがあり、その効果が2倍になります。

例えば、株式を100万円分保有している状況で、ダブルインバース型ETFを50万円買付したとしましょう。保有株式と原指標がそれぞれ5%下落した場合、保有株式の評価は95万円となり5万円の含み損が発生します。一方、ダブルインバース型ETFは2倍の10%上昇するため50万円に対し5万円の含み益が発生します。

このケースでは、保有株式の半分に相当する金額を「ダブルインバース型ETF」に投資することで、保有株式の下落リスクを相殺することができたことになります。(保有株式と原指標の動きは必ずしも一致するものではないので、常に相殺できるものではなく、また、保有株式は下落する一方で原指標が上昇した場合には、両方で評価損が発生することになります。)

注意するべき点としては、「インバース型ETF」の対象指標は、原指標の日々の変動率と逆の変動率となるように設計されています。そのため、2営業日以上離れた期間で比較した場合、複利効果により必ずしも対象指標の変動率が原指標の変動率と逆の変動率と一致せず、長期に保有した場合には原指標の変動率とずれが生じるという性質がある点です。

また、原指標が上昇・下落を相互に繰り返す場合、複利効果によりインバース型指標は逓減していくという特性があり、このような場合、投資者は利益を得にくくなる点にも注意が必要です。

相場の下落局面での取引としては、信用取引での空売りや日経平均先物の売りなどがあります。ただし、これらは信用取引口座や先物取引口座の開設が必要であり、保証金や証拠金を積む複雑な取引となるため、実際のところ、手軽に取引できるものではありません。

一方、インバース型ETFは、株式の取引口座を開設していれば取引することができ、取引の仕組みがわかりやすく、投資初心者の方でも比較的手軽に取引しやすいものとなっています。

相場の方向性が見通しにくかったり、下げ相場になったりすると、不安を抱えたまま何もできない状況に陥りがちです。しかし、インバース型ETFがあることを知っていると、そのような相場に対応する手段をひとつ手に入れることができます。是非、相場下落局面でも資産を守るこのような投資手法を研究してみてはいかがでしょうか。

 

(提供元:JTG証券)

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