不透明な相場環境下に役立つ相場格言
提供元:SMBC日興証券
『不景気の株高』
『米商いは、付き出し大切なり。付き出し悪しき時は、決して手違いになるなり』
『米も弱く、人気も揃い、我思い入れも弱き節、その後是非上がるものなり』
再び米中通商交渉が緊迫化したことから、金融市場は再び不透明感を増している。中国も景気減速感を一段と強めている。
中東の地政学を巡るリスクは高まりを見せている一方で、アルゼンチンで急進左派のフェルナンデス氏が次期大統領候補として支持を集めるなど、経済の先行きはイベントリスクを内包した状態にあると言えよう。
こうした環境下、米FOMCでは7月に0.25%の利下げに踏み切ったが、更なる利下げをマーケットは催促するかのように下げ足を速める局面も見られた。足下で9月のFOMCで利下げ幅を拡大し追加利下げが行われるかもしれないことを期待する向きも少なくない。
この結果、米国株式市場は下げ止まりを見せており、日本株市場も同様に下値の堅い展開となっている。日米とも企業決算は決して芳しくないが、株価についてはしっかりの展開となっており、『不景気の株高』という相場格言にあるように、金利低下が先の企業業績回復を想起させ、市場を下支えする展開に現在の株式市場はあると言えよう。
当面は、米中通商協議や地政学等次第では荒れやすいマーケットが予想されるが、その先に緩やかながらも企業業績の回復が見えてくるのであれば、こうした先行き不透明なタイミングこそ、夜明け前の暗闇と評される時期なのかもしれない。
昔の米相場に於いても『米商いは、付き出し大切なり。付き出し悪しき時は、決して手違いになるにけり』と言われ、買いのタイミングを間違うと売るに売れない状態に陥るので、少しでも企業業績回復の兆しが見えるようであれば、出来るだけ早く動くことが望ましいと考える。
しかし、このような相場の先行き不透明な局面では、なかなか踏ん切りがつかないモノでもある。しっかり企業業績の現状を整理する一方で、いつまでも相場の先行きを睨み続けるよりは、『米も弱く、人気も揃い、我思い入れも弱き節、その後是非上がるものなり』という古い格言にあるように、マーケットが軟調でさらに割安感を強めるような局面で、市場マインドが悪化するようであれば、そろそろ投資を積極的に転換するタイミングと捉えるべきなのかもしれない。
このような相場だからこそ勇気をもって投資をした皆様のリターンが大きくなることをお祈り申し上げます。
(提供元:SMBC日興証券)