子育てにまつわるお金の話

「個人賠償責任保険」は家族全員をカバーしてくれる…?

【万が一】子どもがケガした時・ケガをさせた時の補償制度いろいろ

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子どもにケガはつきものだが、万が一、事故で大きなケガをしてしまった時などは気が気でない。もちろんいちばん大事なのは子どもの体や命だが、お財布事情も気になるところ…子どものケガの際に使える制度はあるのだろうか。そして、万が一、自分の子どもが誰かをケガさせてしまった場合に、補償してくれる保険があれば、知っておきたいものだ。

そんな子どもがケガをした時、ケガをさせてしまった時に使える制度や保険について、ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんに教えてもらった。

「子ども医療費助成制度」で医療費は少額or無料に

「子育て世帯の方にお話を聞くと、子どもが生まれた時から、医療費や入院費をカバーしてくれる子ども保険に加入しているケースが多いのですが、実際は必要ないと思います。というのも、自治体ごとに『子ども医療費助成制度』があり、医療費が少額または無料になるからです」(氏家さん・以下同)

子どもの医療費は、未就学児は2割負担、小学生以降は3割負担となりますが、自治体によっては「未就学児は無料」「中学3年生まで無料」「通院1回につき300円負担」など、助成が出るケースが多い。助成の内容は自治体によって異なるが、大人と比較して医療費が抑えられることは確か。対象年齢のうちは、子ども保険は不要といえる。

「もし、月々1000円ぐらいで子ども保険に入っているようであれば解約し、親である自分自身や配偶者の保険を手厚くした方が賢明です。ケガや病気で働けなくなったり、家事ができなくなったりした時に保険金が下りる方が、安心感が大きいですよね」

幼稚園・保育園・学校でのケガは医療費給付あり

幼稚園や保育園、学校にいる間にケガをしたり、熱中症や食中毒などになったりした場合は、日本スポーツ振興センターから医療費の一部が支給されるという。

「この制度を使うと、健康保険適用の治療では自己負担分2割または3割に、療養に伴う費用としてさらに上乗せされ、合計4割の医療費が給付されます。基本的には、園や小・中学校を通じて自動的に加入していることが多いので、確認しておきましょう」

自治体によっては、「子ども医療費助成制度」を利用して医療費が無料になった場合でも、上乗せ分の1割のみ給付されるところがあるそう。一方で、併用できない自治体もあるため、住んでいる市区町村の制度を確認しておくとよさそうだ。

通園・通学中や授業中、部活動などの課外指導中、昼休みなどの特定時間中に起こったケガや熱中症などが対象となる。

「1つだけ注意点があり、治療を受けた際にはひとまず自分で医療費の2割または3割を負担する必要があります。その後、医療機関で『医療等の状況』という書類を作成してもらい、幼稚園や保育園、学校に提出することで、4割分の給付金が支払われます。給付が受けられる期限は、受診した月から2年間です」

「個人賠償責任保険」で賠償金をカバー

では、子どもが人にケガをさせてしまった時の補償は、どのようなものがあるのだろうか。

「『個人賠償責任保険』に加入すると、他人にケガをさせてしまった時、他人のものを壊してしまった時の賠償金などを補償してくれます」

例えば、自転車に乗っていた子どもが他人と接触してケガをさせてしまった場合や、野球をしていて他人の家のガラスを割ってしまった場合も補償される。店舗の陳列棚に置かれた商品を落として壊してしまう、あるいはペットが他人に噛みついてケガをさせてしまうという時も、補償の対象になるのだとか。

「『個人賠償責任保険』も子ども保険の特約などでつけることができるため、子どもの人数分加入している家庭があるのですが、実は1つ加入すれば家族全員が対象になる保険なんです」

ちなみに、住宅の火災保険や自動車保険の特約としてつけられることも多いため、加入している保険を見直すといいとのこと。「個人賠償責任保険」のために、子ども保険に加入する必要もないというわけだ。

「火災保険や自動車保険の特約になかったとしても、格安で入れる保険があります。例えば、Yahoo!保険では、月額140円で『個人賠償責任保険』に入れるので、すぐにでもチェックした方がいいでしょう」

イベント参加者を守る保険も要チェック!

子ども会などでイベントを開催する際に、活用しやすい保険もあるそう。

「社会福祉協議会が提供している『行事保険』は、遠足や盆踊り、クリスマス会など、宿泊を伴わない1日行事の参加者がケガをしたり、物損などを起こしたりした際に補償してくれるものです。この保険の最大の魅力は、保険料が安いこと」

補償プランや対象行事によって保険料は異なるが、通院保険金日額2200円、入院保険金日額3300円が出るプランで、1人当たりの保険料30円。通院保険金日額2600円、入院保険金日額4900円が出るプランでも、1人当たりの保険料は58円だ。

「主催者が、参加者の分をまとめて入る保険です。食中毒もカバーしてくれるので、食事を伴う行事の主催者は入っておくと安心だと思いますよ」

子どものうちは医療保険に入らなくても、公的な制度で十分かもしれないが、家族全員を不測の事態から守るために、「個人賠償責任保険」はチェックしておいた方がよさそうだ。
(有竹亮介/verb)

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