企業が従業員の「iDeCo」の掛金を一部負担&給与天引きで楽ちん

中小企業の従業員向け制度「iDeCo+(イデコプラス)」って何?

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60歳まで非課税で投資を行うことができ、掛金は全額所得控除となる「iDeCo(個人型確定拠出年金)」。2018年5月には、「iDeCo」がさらに使いやすくなる新制度「iDeCo+(イデコプラス)」(中小事業主掛金納付制度)が施行された。

ファイナンシャルプランナーの高山一恵さんに、「iDeCo+」の制度内容について教えてもらった。

「iDeCo」の掛金を企業が一部負担する制度

「『iDeCo+』は、従業員100人以下の中小企業で導入できる制度で、『iDeCo』に加入している従業員を企業が金銭的に支援するものです」(高山さん・以下同)

「iDeCo」加入者が個人で掛金を拠出するものだが、「iDeCo+」を導入している企業に勤めていれば、5000円~2万3000円の範囲内で、企業が掛金の一部を負担してくれる。例えば、毎月自身で1万円を拠出し、企業に1万円を補助してもらうことで、2万円ずつ積み立てていける。

「会社が掛金を補助してくれるので、単純に積立額が増え、老後の資産が形成しやすくなります。また、『iDeCo』は加入者自身の口座から掛金を拠出しますが、『iDeCo+』では掛金が全額給与天引きになるので、従業員は手間が減るというメリットもあります」

企業にとってのメリットは“節税効果”“低コスト”

従業員にとってはメリットの大きい制度のように感じるが、企業側は掛金を支払うという負担だけで、導入するメリットはなさそうに見えるが…。

「『iDeCo+』の拠出額は損金扱いになるので、企業は大きな節税効果を得られるんです。また、『iDeCo』そのものの口座管理料は加入者自身が支払うため、会社側にコストは発生しません」

同じように給与天引きで積立投資ができる「企業型DC(企業型確定拠出年金)」は、導入にも継続にも企業側に大きなコストが掛かるため、導入を諦めざるを得ない企業も多いという。「iDeCo+」は、救済措置ともいえるのだ。

「掛金は給与天引きになるので、企業側が事務手続きを行わなければならないという側面はあります。掛金額の変更も従業員に代わって会社が行いますが、『企業型DC』と比べると、企業側の手間は少ないでしょう」

「iDeCo+」導入でいい人材が確保できる…!?

ちなみに、転職したとしても、「iDeCo+」で拠出した残高は変わらないそう。

「ただし、『iDeCo+』を導入していない会社に転職したら、当然企業からの補助はなくなります。『企業型DC』を導入している会社に転職する場合は、『iDeCo』の残高はそのまま『企業型DC』に引き継がれます」

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今年4月現在で、「iDeCo+」を導入している企業は415社、利用している従業員は3004人(※)と、まだまだ普及段階といったところ。しかし、高山さんは、「今後、社員の採用にも影響する制度になるかもしれない」と話す。

「企業が年金を補助してくれる制度は、誰しも魅力的に感じるはずなので、入社を希望する人が増え、いい人材を獲得しやすくなります。これからは企業も従業員も、使える制度はフル活用していった方がいいと思います」

新たな制度の登場で、ますます利用しやすくなっている「iDeCo」。まずは、勤めている会社に「企業型DC」や「iDeCo+」といった制度があるか、改めて確認してみるといいだろう。
(有竹亮介/verb)

※国民年金基金連合会「iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入等の概況(平成31年4月時点)」より

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