「オリ・パラ ロス」は心配ご無用!?
「ワールドマスターズゲームズ2021関西」に要注目
提供元:ちばぎん証券
2013年、歓喜のなか決定した東京オリンピック、パラリンピックの開幕まで1年足らず。代表選手も続々決まり、期待は高まるばかりです。ただ、ちょっと気が早い、心配性な株式市場からはこんな声も聞かれ始めました。
「東京オリンピック、パラリンピックが終わってしまったらどうなるのだろう。」
確かに半世紀ぶりの大イベントだけに、「オリ・パラ ロス」を心配するのも無理からぬところ。そんな時には東京オリンピック、パラリンピックが遺していくものを思い描いてみてはいかがでしょうか。
1964年に開催された前回の東京大会では東海道新幹線や高速道路、東京モノレールなど交通インフラが一気に整備されたほか、日本武道館や国立代々木競技場など、その後長きにわたって愛される建物が数多く建設されました。まさに都市の根幹をなすハードがレガシー(遺産)になったのです。
これに対し、ハードがすでに整備されている今回の大会ではソフト、言わば「無形のレガシー」とでも言うべきものが求められています。
東京2020大会組織委員会では、(1)スポーツ・健康、(2)街づくり・持続可能性、(3)文化・教育、(4)経済・テクノロジー、(5)復興・オールジャパン・世界への発信、という5つの柱を立て、レガシー造りに取り組んでいます。
スポーツが社会にしっかりと根付き、スポーツの力が人々の健康や文化、教育など様々な分野で役立っていく。東京オリンピック、パラリンピックがそんなきっかけになるならば、それは有意義なレガシーと言えるでしょう。
こうした観点で注目されるビックイベントが2021年に開催されます。それが「ワールドマスターズゲームズ2021関西」です。
ワールドマスターズゲームズ(WMG)は、概ね30歳以上のスポーツ愛好者であれば誰もが参加できる生涯スポーツの国際総合競技大会。予選はなく、複数競技・種目へのエントリーも可能。元プロ選手や元オリンピック選手も出場することができ、キャリアを問わず様々な選手が同じ土俵で競い合います。
まさに「観る」スポーツから「参加する」スポーツへ。生涯スポーツの文化を市民レベルで広げていくうえで、またとない大会なのです。
開催はオリンピックの翌年。今回は1985年の第1回トロント大会から数えて10回目の記念大会となり、関西広域連合の2府(大阪、京都)7県(兵庫、滋賀、奈良、和歌山、福井、鳥取、徳島)で、2021年5月14日から5月30日に開かれる予定です。
種目は、公式競技が35競技(59種目)。陸上、水泳、サッカーなどオリンピック・パラリンピックでお馴染みの競技はもちろん、ボウリングやダンススポーツ、綱引きなどユニークな競技も多数。この他、参加機会を増やすことなどを目的に軟式野球やグランド・ゴルフ、ビリヤードなど30のオープン競技が実施されます。
大会の組織委員会は海外から2万人、国内から3万人の参加を見込んでいますが、過去の例では選手の多くが家族や友人たちとともに観光を兼ねて参加することが多いとのこと。だとすれば来訪者は参加者の数倍に膨らむことになります。
スポーツと観光を融合させた「スポーツツーリズム」という言葉がありますが、WMGはスポーツツーリズムを象徴する大会と言うことが出来るでしょう。組織委員会は宿泊費や食費、交通費などの直接的な経済効果が1461億円に上ると試算しています。
現段階で認知度は今一つかもしれませんが、なんとも大規模で魅力的な大会だということが少しお分かりいただけたでしょうか。
もちろん効果は短期的なものだけにとどまりません。「参加する」スポーツの広がりによる健康・スポーツ関連産業の振興、スポーツツーリズムの定着によるレジャー、観光産業の発展など中長期的視点でより大きな効果が期待されます。
株式市場もこうした点に注目。関連業界は息の長い投資テーマになることでしょう。
(提供元:ちばぎん証券)