一度は考えておきたい「万が一」のお金

もしもの時のために貯めておくお金は収入の3か月分、6か月分?どれくらいが妥当なのか

提供元:Mocha(モカ)

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予想もしないことがもし突然起きたら、いくらぐらいのお金が必要なのでしょうか?もちろん、できるだけ多くいつでも自由に使えるお金を準備しておくに越したことはないとは思いますが、それでは効率的な貯蓄ができません。

今回は、最低限生活費の何か月分ぐらいをもしもの時のために貯めておくべきなのかを考えてみます。

一家の大黒柱に万が一のことがあったら…

収入源である大黒柱が、突然亡くなったとしたら、葬儀などの費用や残された家族の生活費が待ったなしに必要になります。

今後の生活費は、遺族年金や生命保険で準備してあったとしても、どちらも亡くなったからといってすぐに手続きできません。手続きに必要な戸籍謄本などができるのに最低でも1週間程度かかるからです。もし、本籍地がいくつもあったり、印鑑をもらわないといけない親族が多かったりすれば、さらに日数を要します。

また、書類が整って手続きしたからといって翌日に口座に入金されるわけではありません。生命保険は請求書を送ってから1週間~10日後、遺族年金は請求手続きをしてから3~4か月後からとなります。

ですから、最低3か月分の生活費と、できれば葬儀費用の平均100~200万円を確保しておきたいところです。

病気やけが、失業などで長期間収入がなくなったら…

突然の病気やけが、リストラなど、思いもしないことが起こって、収入が途絶えてしまうことがあります。

病気やけがによる収入減の場合、会社員であれば健康保険から傷病手当金の給付があります。支給される金額は通常の給与のおおよそ3分の2です。

傷病手当金の請求は、確かにいつも通りの給料が払われていないという実績が必要なので、給与が確定してからでないと請求できません。また、医師の証明も必要です。ですから、最短でも2~3か月後ぐらいの入金になります。

また、リストラの場合、失業給付金が受け取れます。給付額は、退職直前6か月間の平均給与の50~80%ぐらいとなっています。

一般的には10日~2週間後に離職証明書を受け取り、それからハローワークで手続きします。手続き後、最低でも7日間の待機期間があってそれから失業認定となることから、入金は2か月後ぐらいになります。

さらに、もし自己都合での退職なら、給付制限期間という給付を受けられない期間が3か月間あるので、早くても5か月ぐらい後と考えておいたほうがいいでしょう。

どちらの理由でも退職前と同じ額を受給できるわけではありませんし、次の仕事がみつかっても満額の給与を実際にもらうまではひと月以上かかります。そう考えると、やはり生活費の2~3か月分を確保しておかないといけません。

地震や台風など、災害によって避難しなければならなくなったら…

地震や台風など災害が直撃して、車中や避難所などで暮らさないといけないときは、水や食料品、ガソリンなどの購入のために、「現金」を用意しておくことが大切になります。

なぜなら、停電でお店のレジや自動販売機が使えなくなると、電子マネー決済ができなくなるからです。ATMが使えなくなることも考えられます。また、お店が大丈夫でも、スマホや携帯電話の充電が切れていたら、それらを使った決済もできなくなってしまいます。

ですから、自宅に小銭も含めて、一定の額の現金を置いておきましょう。目安としては、家族全員ホテルで1週間暮らした場合の宿泊費と食費ぐらいがいいでしょう。

とはいえ、多額の現金を自宅に置いておくと、盗難のリスクが高まります。家庭用金庫などを用意して、防犯対策をしっかりしておくことも忘れないでください。

そして何より忘れていけないのは、保険です。建物は保険に入っていたけど、電化製品や家具、洋服などの「家財」は加入していないという方も多くあります。また、火災保険の期間は1年更新の場合も多く、更新手続き忘れで加入できていなくて、災害にあった後で気付いたということもあります。この機会に確認しておきましょう。

まとめ

以上のことから考えると、もしものときのために貯めておくお金は、100万円プラス毎月の生活費の3か月分程度が妥当だといえます。

例えば、生活費が毎月15万円かかるなら145万円、20万円なら160万円です。その内、一定額は現金として自宅に置いておきましょう。

「そんな大金無理!」と思われた人には、自動積立定期預金がおすすめ。これは毎月自動で一定額を指定した口座から引き落として、定期預金へ移す預金です。お金は「余ったら貯める」ものではなく「先に貯める」もの。この方法で確実に貯めていきます。

一方、普通預金など自由にいつでも引き出せる口座は金利が低いため、すでに目標額をはるかに超える金額がそこにあるのはもったいないといえます。超えている分は金利の高い貯蓄に移すか、目的に合わせた投資にお金をシフトしておきましょう。

「もしも…」は誰にでも起こる可能性があって、しかもいつ起こるかわかりません。どんなときも安心して暮らせるよう備えておくことが大切です。

 

[執筆:ファイナンシャルプランナー 小野みゆき]

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