「住宅ローン控除」と「ふるさと納税」の兼ね合いに注意!

サラリーマンが「確定申告」で控除されるものって何?

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毎年2月中旬から3月中旬にかけて、税務署での受け付けが行われる「確定申告」。所得にかかる税金を計算し、税務署に支払うための手続きだが、納めすぎた税金が手元に戻ってくるケースも多い。

確定申告というと、自営業者が行うものというイメージが強いが、実は企業に勤めているサラリーマンも、申告することで税金が還付されることがある。

そこで、ファイナンシャルプランナーの井上貴広さんに、サラリーマンでも確定申告が必要となる事例を教えてもらった。

申告が必要な2大控除「住宅ローン控除」「医療費控除」

「一般的なサラリーマンであれば、給与から引かれる所得税の過不足は年末調整で計算されるため、確定申告は免除されます。ただし、ローンを組んで新居を購入したり、年間の医療費が10万円を超えたりした年は、確定申告を行うことで、支払った税金が還付される可能性があります」(井上さん・以下同)

住宅購入の際の負担を軽減する措置として、「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」がある。居住開始から10年間、年末の住宅ローン残高の1%が所得税から差し引かれ、その都度還付される制度だ。年間の控除額は、上限40万円(認定住宅等は50万円)に設定されている。もし、控除額が所得税額より多い場合は、超えた分が住民税から控除される。

ちなみに、2019年10月から2020年12月末までに入居した場合は、期間が13年間に延長され、11年目以降は住宅ローン残高の1%、または建物購入価格の2%(消費税増税分)を3で割った額のどちらか低い額が控除される。

「住宅ローン控除」を受けるには、入居した年の翌年に確定申告を行う必要があるため、忘れないように。サラリーマンの場合、2年目以降は年末調整で手続きできるため、確定申告を行う必要はなくなる。

1月1日から12月31日までにかかった医療費が10万円を超えた場合に、税金が還付される「医療費控除」を受ける際にも、確定申告が必要。医療費は納税者自身のものだけでなく、配偶者や子どもなど生計を一にする親族が支払った分も含めた合計額で計算でき、通院のための交通費や入院時の食事代なども対象となる。

「ふるさと納税」は控除額に注意

「『住宅ローン控除』『医療費控除』の申告を行う予定で、同じ年にふるさと納税も行っている人は注意が必要。住宅ローンや医療費の控除額が高いと、ふるさと納税の枠の一部もしくは全額が控除されなくなるかもしれないからです」

ふるさと納税は、地方自治体に寄付した額から2000円を差し引いた額が、所得税・住民税から控除される制度。ただし、「住宅ローン控除」や「医療費控除」の控除額が年間の所得税や住民税の金額を上回った場合、控除されるものが部分的になくなってしまう。場合によっては、控除されるものが全額なくなることも。ふるさと納税の自己負担額を2000円に抑えたい場合は、注意が必要だ。

「ふるさと納税を通じて、買い物をしただけになってしまうのです。新居をローンで購入したり医療費が多くかかったりする予定がある年は、ふるさと納税に割ける金額をしっかり確認した方がいいでしょう。事前に税理士に相談すると安心です」

「所得20万円超の副業」は確定申告の対象

「企業に勤めている人でも、副業などで給与所得以外に年間20万円超の所得があれば、確定申告しなければいけません。その場合、副業に直接かかわる費用があれば、経費として計上できます。例えば、営業職であればスーツ代、アフィリエイターであればパソコン代など、職種によって認められる経費は異なるので、税理士や税務署に確認してみましょう」

不動産投資などでも、年間の所得が20万円を超えれば、確定申告は必須。減価償却費などの効果によって、所得税・住民税が減るケースもある。また、固定資産税や不動産取得税、保険料、管理会社への業務委託料、修繕費などは経費と認められる可能性が高いため、申告し忘れのないよう、手続きの準備は早めに進めよう。

「扶養に入っている配偶者や子どもが事業を立ち上げた場合は、1円でも売り上げがあれば、確定申告が必要になります。申告せずに放置すると、加算税や延滞税がプラスされてしまうので、気をつけましょう」

企業勤めのサラリーマンであっても、条件によっては税金が戻ってくる可能性がある。手間はかかるが、還付を受け、税金を加算されないためにも、必要なケースをきっちり確認して申告を忘れないようにしよう。
(有竹亮介/verb)

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