専門家が「投資を始めない理由」別にアドバイス!

ビギナーこそ知ってほしい“投資を始めた方がいい理由”

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投資をして資産を増やしておいた方が、将来安心だろうな…とは思いつつ、投資を始められていない人は多いだろう。『東証マネ部!』がクレディセゾンと共同で行った調査(2019年4月/20歳以上の男女1万782人)では、67.8%が「投資をしていない」と回答。以下のような理由が挙がった。

投資を始めなかった理由TOP5(複数回答)
1位 株式投資がよくわからなかった・難しそうに感じたから 46.7%
2位 株式投資等に回すお金がなかったから 41.6%
3位 株式投資等に悪いイメージがある・損をしそうだったから 26.0%
4位 株式投資に関心がない・株式投資等をする必要がないから 15.5%
4位 証券口座の開設手続きが面倒だから 15.5%

上記のような不安や迷いが払拭できれば、投資を始められるかもしれない。そこで、ファイナンシャルプランナーの高山一恵さんに、投資を始めたくなるメリットや不安の解消につながる最新事情を聞いた。

投資先のヒントは“日常”の中から見つけよう

1位 株式投資がよくわからなかった・難しそうに感じたから 46.7%

「難しく感じる気持ちはわかりますが、まずは、『人気があってたくさんの人に株が買われる企業は、株価が上がっていく』ということがわかっていればいいでしょう。判断のポイントになるのが、街中の行列やテレビCM、電車の中吊り広告などです」(高山さん・以下同)

デパ地下で行列ができている店や頻繁に見かけるCM・広告を打っている企業は、それだけ人気がある、注目を集めていると推測できる。意識しながら街を歩くだけで、業績が好調に推移している企業を見つけられるかもしれないのだ。

「行きつけの飲食店やコンビニでも、客足が伸びているか、新商品が売れているかなどに注目してみると業績が見えてきます。いち消費者としての感覚は、株式投資先の銘柄を選ぶ上で、ヒントになると思いますよ」

投資の知識をつけたいのであれば、書籍やネットの情報を読み込むより、セミナーに参加する方が手っ取り早いという。

「セミナーなら直接講師に質問できるので、理解しやすいと思います。最近は、金融庁や東証などでも初心者向けセミナーに力を入れているので、活用するといいでしょう。あとは、少額で投資信託を始めて、定期的に送られてくるファンドマネージャーの市況分析を読むと、投資の勉強になりますよ。100円から買える投資信託もあるので、始めやすいと思います」

いまや株式は「数千円」で買える時代

2位 株式投資等に回すお金がなかったから 41.6%

「確かに、ひと昔前は単元株(通常の株式取引での売買単位)が1000株の企業も多く、株を買うのに数百万円必要でした。しかし、2018年10月から、国内上場株式の単元株が100株に統一されたんです。ルールが変わったことで、1単元数百万円必要だった企業も、数十万円、場合によっては数万円で買えるようになっています」

有名な大手企業ほど、投資するために大きな資金が必要だったが、現在は制度が変わり、株が買いやすくなってきている。

「また、1株単位で購入できる単元未満株(ミニ株)サービスを提供している会社もあり、かなり買いやすくなってきています。企業によっては1株購入で、優待が受けられるところもあるんですよ」

1株数千円程度であれば、お小遣いで買える範囲だ。投資信託なら、100円から始められるものも多い。株価の動きを知る勉強にもなるだろう。

投資に対する悪いイメージは“長期積立”で払拭

3位 株式投資等に悪いイメージがある・損をしそうだったから 26.0%

「メディアが発信する情報は失敗談が多く、身近な人も『損した』って話しかしないと思うので、悪いイメージを持つのは当然ですし、投資というとデイトレードのような短期売買をイメージする人は多いでしょう。しかし、投資の本質は違うところにあります」

高山さん自身の投資経験も踏まえて、教えてくれた本質は「長期・積立・分散」。

「株式投資やFXは大きく儲かりますが、一気に値が下がるリスクもあり、一般的な投資のイメージに近いでしょう。一方で、つみたてNISAなどの投資信託を積み立てていくタイプの投資は、値動きは地味ですが、長期スパンで続けるとプラスになる可能性が高くなります。この本質を知っていれば、投資を極端に怖がらなくなると思います」

投資に対して、ギャンブル的な印象を持っている人もいるかもしれないが、考え方を変えると見え方も変わってくるという。

「株を買うことで企業に資金が渡り、企業はそのお金で製品を作ったり、事業を拡大したりできるので、『投資=社会貢献』と捉えることもできます。そう考えると、好きな企業やお世話になっている企業の株を買ってみようと思えるのではないでしょうか」

将来のため、投資をする必要は“ある”

4位 株式投資に関心がない・株式投資等をする必要がないから 15.5%

「これからの日本は、自分でお金を増やす努力をしないと、厳しい時代になってきていると考えられます。年金が破綻することはないとしても、支給額は下がり、支給開始年齢は引き上げられることが見込まれます。消費税はさらに上がり、退職金がなくなる可能性があるということも考えると、老後資金は自分で備えなければなりません」

歳を重ねてから気づくのでは遅い。早い段階からコツコツと積み立て、その資金を増やす努力をすることで、老後にお金の心配をする必要はなくなる。

「国がiDeCoやNISAを推奨しているのは、『自助努力で将来に備えてください』というメッセージです。すでに何千万円単位の貯金があったり、親の莫大な資産が引き継げたりするのであれば、わざわざ投資でリスクを取る必要はありませんが、そうでなければ投資をする必要はあると思います」

高山さんの話によると、毎月2万円を利回り3%の投資信託で積立すると、10年後には279万5838円程度になる可能性が高いそう。投資元本は240万円なので、39万5838円増えたことになります。未来の自分や家族のためにも、投資を検討した方がよさそうだ。

「ネット証券」なら口座開設はネット上で完了

4位 証券口座の開設手続きが面倒だから 15.5%

「口座開設の際には、大量の資料が届いたり、長い注意事項を読まされたりするので、面倒だと感じる気持ちはわかります。ただ、口座に資金を入れなければ投資は始まりません。無料で作れるので、まずは開設しちゃいましょう」

近年増えているネット証券であれば、手続きはインターネット上で完了。ますます手間は減ってきている。

「真面目な人ほど、大量の資料を読まなきゃって思いがちですが、投資は始めてみないとわからないことばかりです。始める前に押さえておきたいポイントは、リスク、コスト、運用成績くらいでしょうか。少額で始めて、値動きを体感しながら学んでいくと、投資を理解しやすくなると思いますよ」

お金が関わる投資に、慎重になるのは当たり前だ。しかし、ここ数年で金額面でも手続き面でもハードルは下がってきている。数百円、数千円程度から始められるため、まずは口座を開設し、投資を開始してみよう。それから、投資を続けるか判断しても遅くはない。
(有竹亮介/verb)

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