リタイア後のマネー事情

自宅の価値の一部を“現金”で受け取れる!?

高齢者向け融資制度「リバースモーゲージ」ってなに?

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定年退職後、急きょ大きなお金が必要になる事態に遭遇するかもしれない。そんな時の緊急措置といえるものが「リバースモーゲージ」。持ち家を担保に、金融機関からお金を借りられる制度だ。必要にならない場合もあるだろうが、知っておいて損はないだろう。

そこで、ファイナンシャルプランナーの川部紀子さんに、「リバースモーゲージ」のメリット、デメリットを聞いた。

自宅の価値の一部が「融資」される制度

「リバースモーゲージ」とは、高齢者が居住する住宅及び土地などの不動産を担保にし、金融機関から融資を一括または年金の形で受け取れる制度。利用者の死亡後は、住宅や土地を売却し、その代金が融資の一括返済に充てられる。

「持ち家の価値の一部を、現金で貸してくれる制度です。例えば、持ち家を今売ったら2000万円になる場合、その一部(50%の融資であれば1000万円)を借りることができ、月々の返済は利息だけ。死亡後に持ち家が売却され、融資額の1000万円は返済に回り、残りのお金(この例であれば、死亡後も家の価値が変わらない場合、1000万円)が遺族に残ります」(川部さん・以下同)

「リバースモーゲージ」の注意点は、利息がかかること。自宅を一部売却してお金を得るわけではなく、金融機関からの融資であるため、毎月利息が発生する。基本的には、変動金利であることが多い。

「持ち家または土地に価値があるかどうかも、大事なポイントです。そもそも価値のつかない家であれば、融資も受けられません。都市部の一戸建てであれば、担保価値があると評価されやすいのですが、地方では価値が認められにくいという現実があります」

収入要件などは、住宅ローンなどと比べると比較的ゆるやか。生存中は返済義務が生じないことも、メリットといえるだろう。

生きている間に金利が上昇する可能性あり

自宅に価値がつけば、メリットの多い制度のように感じられるが、デメリットはあるのだろうか。

「デメリットというよりは懸念事項ですが、予想より長く生きた場合に、返済額が膨れ上がってしまう可能性があります。また、ほとんどの『リバースモーゲージ』は変動金利なので、生きている間に金利が上昇し、返済額が高騰するということがないとは言えません」

生きている間に不動産価格が下落し、融資限度額を割り込んでしまうと、一括返済を求められることもあるという。諸々のリスクを考えると、ある程度年齢を重ねてから使うことを想定した制度といえそうだ。

「住宅ローンの返済に回す」という使い道も

「『リバースモーゲージ』は利息を払わなければいけないので、使った方がお得な制度というわけではありません。ただ、子どもがいない独身の方など、死後に家や土地を渡す相手がいない方にとっては、最後にお金を使いきれる有効な制度といえるかもしれません」

定年後も住宅ローンが残っている場合、一括で「リバースモーゲージ」の融資を受け、ローンを完済するという使い方もできる。利息の返済は発生するが、月々の支出をかなり減らせるだろう。年金の形で融資を受けて、生活費の足しにすることも可能だ。制度内容を理解すれば、有効な活用法が考えられるだろう。

リスクも頭に入れておく必要はあるが、いざという時に頼りになる「リバースモーゲージ」。まずは、持ち家の価値を調べてみてはいかがだろうか。
(有竹亮介/verb)

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