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口座開設という、最大の「めんどう」も解決!

業界初!クレジットカードで株をつみたて「セゾンポケット」

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老後のお金に関するニュースを見て「投資にチャレンジしてみたい」と考える人も増えているはず。とはいえ、一歩目を踏み出すには、多くの人が意識する“3つのハードル”がある。「こわい」「めんどう」「わからない」というハードルだ。

そんな中、セゾンカードで知られるクレディセゾンから、3つのハードルに対応したサービスが登場した。「セゾンポケット」だ。

最大の特徴は、クレジットカードで個別企業の株をつみたて投資できること。これは業界初のサービス。加えて、投資を始める上で最大の「めんどう」といえば、証券口座を開設する際の、郵送による書類のやりとりだが、それもクリア。ネット上の手続きのみで、最短で翌日には証券口座が開けるという。

この新サービスは、初心者の投資をどうサポートするのか。クレディセゾンの資産運用ビジネスを担当するアセット・マネジメント・ビジネスオフィサーの美好琢磨氏と、アセットマネジメント部の中田菜々氏に聞いた。

クレジットカードで、1000円単位から投資ができる

セゾンポケットは、セゾンカードかUCカードで投資が行える。セゾン投信が運用する2種類の投資信託と、東証に上場している130銘柄、さらに3銘柄のETFが用意されている。これまで、クレジットカードで投資信託を買えるサービスはあったが、個別株の購入は業界で初めてとなる。

ただし、クレジットカードで買えるのは「つみたて」のみ。セゾン投信の投資信託は月1000円から、個別株は月5000円からつみたて投資が可能になる。購入方法は限定されるが、定期定額積み立て、つまり「ドルコスト平均法」は長期投資するうえで有効な手段。マーケットは常に上下に動くものだが、定期的に一定額を購入すれば、マーケットが下がった際に多く購入でき、購入単価を安くできる。また、「ここまで下がったら、もう上がるだろう」など主観的な判断ではなく、機械的に購入していくので、いったん設定してしまえば、日々マーケットを気にする必要もない。

「ご愛用のカードを使って千円単位の少額から積み立てられるので、“こわさ”が軽減されるのではないでしょうか。通常、個別株を買う際は、最低単元が決まっており、おおむね100株以上。10万円を超えることも多い。それに比べて、踏み出しやすいサービスになっています」(中田氏)

さらに、セゾンカードの特徴である「永久不滅ポイント」を使って投資することも可能。100ポイントから利用できるという。

セゾン投信の投資信託の場合、積み立てではなく、一回きりの購入もできる。この場合は、セゾンポケットの口座に入金したお金で購入する。とはいえ、話を聞いた限りでは、積み立てを利用してこそのサービスという印象。実際、カードでの積み立てには「永久不滅ポイント」もプレゼントされる。「カード決済で6回積み立てると、その合計金額に対して5000円ごとに1ポイントが付与されます」と中田氏は説明する。

セゾンカードの情報を使うことで「郵送手続き」はナシ!

一方、冒頭に挙げた3つのハードルのうち、「めんどう」を解決する特徴もある。

投資を始める際は、証券口座の開設が必要であり、その手続きとして郵送による本人確認書類の受け渡しがある。日中、家にいないビジネスパーソンは、ここで手間を感じるケースが多い。

「セゾンポケットは、郵送の手続きがありません。カード会員の方は、カードの登録情報を連携して活用するので、基本情報を新たに登録する必要がないのです。口座開設のステップは3つのみ。会員サイト(Netアンサー/アットユーネット)のIDとパスワードで認証し、簡単な質問に回答。最後に、マイナンバーと本人確認書類をアップロードすれば口座開設は完了です」(美好氏)

そのほか、「わからない」というハードルにも対応した。130銘柄の個別株から選ぶのが難しい人は「厳選された2つの投資信託から選んでいただければ」と、中田氏は薦める。

さらに、画面のビジュアルや構成にもこだわっている。文字のフォントやアイコンのデザインは親しみやすく、温かみのある雰囲気に統一。さらに、キャラクターの「ぽけまる」も誕生した。

サービスのターゲットは、若年層や女性といった投資に遠い人たち。徹底して「その層に届くようにした」(中田氏)とのこと。美好氏は「UI/UXには一切口出しせず、ターゲットに近い感性の社員に任せました」と笑う。

ちなみに同社は、永久不滅ポイントで投資の疑似体験ができる「ポイント運用」を2016年12月から展開してきた。いまや同じ建て付けのサービスが“乱立”しているが、最初にフォーマットを作ったのは他でもなくクレディセゾン。すでに50万人の利用者がいるという。

ポイント運用の発案者でもある美好氏は、「ポイント運用で投資を勉強し、慣れたらセゾンポケットで実投資に移行する。そんな関係性を意識していきたい」と話す。さらに、サービスの今後についてはこう語る。

「今回のセゾンポケットは、ポイント運用の利用者50万人の行動や声を参考に作りました。セゾンポケットでも、お客さまの反応を見ながら次の展開を考えたいですね。多数のお客さまの行動や声こそが、クレディセゾンの資産ですから」

クレジットカードを切り口に、新たな投資サービスを作り続けるクレディセゾン。同社のセゾンポケットは、またも“大きな流れ”を生み出すのか。サービスの動向を見守りたい。

(取材・文/有井太郎 撮影/森カズシゲ)

※記事の内容は2019年12月現在の情報です

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