「株主優待」の裏側に迫る!

3年以上の長期保有で特別な事業所ご視察会に参加できる♪

事業所ご視察会にイベント招待、レジャー施設の優待券など、体験型優待が盛りだくさん!「ホンダ」の株主優待

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今や個人投資家から大人気の「株主優待」。株主優待を目的に株式投資をしている人も多いのではないでしょうか。各企業の優待内容は、企業のホームページで確認できると思いますが、優待誕生の背景や開発秘話はなかなか知ることができません。

そこで、人気企業の株主優待担当者にインタビューを敢行!株主優待導入の背景や現在の優待に決まった経緯、裏話までセキララに語っていただきました。

今回は、バイク、自動車製造で有名な世界に誇るリーディングカンパニー「本田技研工業」の株主優待です。

聞き手・撮影:優待好きFP 高山 一恵

――では、本日はよろしくお願いします。早速ですが、なぜ、株主優待を導入しようと思ったのですか?

当社は少なくとも1985年から株主優待を実施しており、当初から株主様を工場にお招きして見学していただく「事業所ご視察会」を実施しています。そこには創業者の本田宗一郎の「当社に投資をしてくださる方に実際に事業を見ていただきたい」という強い想いがあり、当時発行された株主通信からもその想いを伺い知ることができます。

――そんな前から優待を導入されていたんですね。事業所ご視察会は人気がありそうですが、株主様は全員参加できるのでしょうか?

残念ながら全員はご参加いただけません。ありがたいことに、多くの株主様が事業所ご視察会を希望してくださいまして、現在はご希望いただいた株主様の中から抽選でご案内しています。実は、応募倍率が非常に高くて機会提供が追いつかない状況が続いています。

事業所ご視察会は、秋に集中開催されるのですが、4輪を生産している埼玉製作所寄居完成車工場、同じく4輪を生産している鈴鹿製作所、2輪を生産している熊本製作所で計10回開催しています。1回あたり100人程度、年間で1,000人程度の株主様にご見学いただいていますが、当社の株主様の人数は20万人いらっしゃいますので、数千人の株主様にご応募いただいており、「何度も応募してやっと当選しました!」と言われることも少なくありません。

―それはものすごい倍率ですね。長年株を保有して粘り強く応募するしかないですね(笑)。

多くの株主様にご参加いただきたい気持ちは本当に強いのですが、事業所ご視察会は、生産の現場に株主様をお連れすることになりますので、安全への配慮を最優先とするため、なかなか人数を増やせない事情があります。

ちなみに、事業所ご視察会と同時期にレース・イベントへの参加にもご応募いただけます。レース・イベントの方がご招待できる人数が多いので、当選の確率は事業所ご視察会より高くなっています。

さて、事業所ご視察会についてですが、実は、2019年から3年以上株を保有してくださっている株主様のみにご案内させていただく特別な見学コースを設けました。というのも、当社は株主様に優待に関するアンケートを実施しているのですが、アンケート結果から、長年当社の株を保有してくださっている株主様の多くは、当社の経営にもご興味、ご関心を持ってくださっていることが分かったからです。

ですから、ただ工場の生産現場を見ていただくというのではなく、経営者からのメッセージや経営戦略についてもご説明する機会を設けると良いのではないかと思っていました。実際に、見学に入る前に40分程度、そういった経営について話をさせていただき、最後にはご質問やご意見を頂戴する場を設けさせていただいておりますが、株主様からは大変好評です。私たちも自分たちの事業について株主様には、深く知っていただきたいと思っているので、とても良い機会になっていると思います。

事業所ご視察会に際しては、工場内の設備や生産過程などについて、現場の従業員が説明し、株主様からのご質問にも対応いたしますので、見学当日のずいぶん前から準備をしています。株主様に現場で働く従業員と触れ合っていただき、彼らの姿を見ていただくことで、会社が目指している経営ビジョン実現への信頼感が増しているのではないかと思います。

一方で、現場で働く従業員は、普段、株主様と接点がありませんので、株主様の生の声を聞くことで励みになっています。事業所ご視察会が終了すると、みなさん、「頑張ってね!」と手を振って、声をかけてくださいます。こういうお声がけをいただくのは、本当に嬉しいですね。

――特別コースの事業所ご視察会に参加した株主様は、きっとみなさん御社の大ファンなんですね。

事業所ご視察会の当日にアンケートをお渡しして後日郵送していただくのですが、ありがたいことに7割以上の方がご返送していただいています。アンケートと一緒にお手紙を同封してくださる株主様もいらっしゃって本当に嬉しいです。中には厳しいご意見が書かれたものもありますが、当社のことを気にかけてくださってのご意見なので、真摯に受け止めています。

また、事業所ご視察会の際の交通費は株主様の自己負担なのですが、わざわざ遠方から飛行機で参加してくださる方もいて、本当に嬉しく思っています。

――事業所ご視察会やレース・イベント招待の他にも「鈴鹿サーキット」と「ツインリンクもてぎ」の優待券もありますよね?

はい。「鈴鹿サーキット」と「ツインリンクもてぎ」は、モビリティランドという当社の子会社が運営しているレーシングコース・ホテル・安全運転教育・アミューズメントなどの複合施設です。事業所ご視察会やレース・イベントは応募・抽選制となっておりますが、こちらは、100株以上保有の株主様全員にご提供しています。

――「鈴鹿サーキット」と「ツインリンクもてぎ」のHPを拝見しましたが、楽しそうですよね。

まさに、楽しそうだから行ってみようと思っていただけたらありがたいですね。優待をきっかけに実際に現地に訪れていただければ、間接的にでも当社をより深く知り、興味を持っていただけたりするのではないかと思っています。最終的には当社のファンになり、長期で株を保有していただけたら本当に嬉しいですね。

――「鈴鹿サーキット」には、ゆうえんちモートピア、「ツインリンクもてぎ」には、ゆうえんちモビパークという遊園地も併設されているんですね。

はい。これは、当社の創業者の考え方を反映しているもので、ただレースをやるだけではなくて、家族で1日過ごせる場所を提供し、そこで遊んだり、学んだりしながら、交通安全への意識啓発や、車やバイク「文化」の醸成をしていきたいという考えがあります。

ですから、遊具についてもただお子さんが乗っているだけというものではなく、自ら車やバイクを操作して、タイムを測って達成感を得られるといった遊具が揃っています。タイムに応じてランク別のカードももらえるんですよ。

実際にお子さんがバイクに乗って最速タイムにチャレンジしたり、オリジナルレーシングカートに乗ったり、交通ルールを学びながらライセンスカードをゲットできたりと、乗り物に乗る楽しさや目標達成などが経験できるようになっています。レーシングコースは良い車・バイクを開発する為に作られましたが、同時に良いドライバーやライダーも育成したいという、創業時からの想いで今も運営しています。

本当は、鈴鹿サーキットやツインリンクもてぎに来ていただいた方に、当社グループがこれらの施設を運営している理由も知っていただけると嬉しいのですが、現状はそこまで伝えきれていないと思っていますので、どうしたらそこをお伝えすることができるのか、優待の内容も含めて今後検討していきたいと思っています。

――これらの施設には文化を根付かせるという大きなミッションがあるわけですね。今度、息子を連れて家族で行ってみたいと思います。優待を利用することで、コスト的に見てもお得感がありますよね。

ありがとうございます。鈴鹿サーキットとツインリンクもてぎ共に、入園料と駐車料金は無料となっています。1日遊べるパスポートは割引価格でご提供となります。優待券1枚で5名様まで利用できるので、ぜひ、ご家族で利用していただきたいですね。

――他にも、Enjoy Hondaのイベント招待もあるようですね。

Enjoy Hondaは、当社の事業紹介をワンパッケージにしたイベントです。当社はバイク、車のイメージが強いかと思いますが、他には芝刈り機も作っていますし、エンジニアを養成する学校も運営しています。こちらのイベントに来ていただきましたら、当社をより知っていただけるかと思います。もともとは、当社のユーザー様をご招待するイベントだったのですが、株主様にもぜひお越しいただきたいとの想いから、株主様もご招待させていただいています。

Enjoy Hondaは、全国で展開していまして、昨年は石川、岡山、新潟、大阪、栃木に株主様をご招待させていただきました。毎年できるだけ場所を変えて開催していますので、お住まいの近くで開催する際には、ぜひ、ご参加いただきたいと思います。

――本当に盛りだくさんの内容の優待ですね!充実の優待内容だと思いますが、優待を実施する上で何かご苦労はありますか?

先ほども申し上げたように、事業所ご視察会の場合、現場の従業員にも協力してもらわないと実施できません。事業所ご視察会の内容については、企画側で考えますが、運営側で考えることもたくさんあります。例えば、会社全般の話はこちらで担当しますが、各事業所のPRや説明をしてもらったり、株主様をお迎えする時に、当社の製品や商品を展示したりもします。また、製品や商品に対するご質問にも対応いたします。

株主様にご満足いただける見学会にするには、各事業所の従業員一人ひとりにこちらの想いに共感していただかないといけないですから、こちらの意図を伝え、共感していただくというところを丁寧に進めていますね。

――なるほど。現場の方とのより良い協力関係の基に成り立っているわけですね。

特に製品の展示は、普通の量産車だけではなく、F1や、まだ市場で走っていない車を展示するケースもあります。展示する車は、汚れた車両を展示するわけにはいかないので、傷や指紋が無いように輸送にも気を遣いますし、どのような向きに配置するかなど細かなことにも配慮してもらっています。

事業所ご視察会は毎年秋に開催していますが、6月頃から各事業所に出向いて、打ち合わせが始まります。株主様をおもてなしする重要なイベントですから、時間をかけて現場の方とも想いを共有しながら準備を進めています。とはいえ、現場の従業員には通常の業務がある中で、準備を進めてもらうので、その間、出来るだけサポートしながら良いサイクルで仕事が続けられるように進めるのがなかなか大変なところではありますね。

――なるほど。事業所ご視察会の裏にはそのようなご苦労があったんですね。他にも何か工夫されている点はありますか?

昨年は優待のご案内を工夫しました。例えば、これまでは、鈴鹿サーキットやツインリンクもてぎの優待券はカード1枚をお送りするだけのとてもシンプルなものだったんです。優待券を利用することで、何がどれだけお得になるのか、施設に訪れると何が体験できるのかがほとんど伝わらない状態だったので、何が優待になってどんな体験ができるのか詳細に伝えるようにパンフレットの形にしました。その結果、これまでよりも20%程度、株主様のご来場数が増えました。

また、ご希望の株主様みなさまにカレンダーを贈呈させていただいていますが、カレンダーは、株主様のためだけにリサイズしてポストに入るサイズにしています。ポストに入らないと配達の方が曲げてしまったり、端が折れたりしてしまいますので、そうならないよう工夫しています。おかげ様でカレンダーは大人気で13万人もの株主様が希望してくださいます。

――おぉ!優待も進化しているんですね!

先ほども申し上げましたが、当社では株主様に優待に関するアンケートを実施しています。多くの株主様がアンケートに回答してくださるので、傾向やこちらが工夫したもの、トライしたものに対して反応はどうだったのかなどを集約し、役員などとも共有しています。アンケートの結果をもとに、毎回次に向けてどうするかを考えています。

また、いろいろな意味で変革の時期だと思いますので、今一度、優待について自分たちはどうしたいのか、何を伝えたいのかを整理して、いろいろとトライしていきたいと思っています。

――最後に株主様にメッセージをお願いします。

優待を実施している背景には、当社を知っていただきたい、好きになっていただきたい、支援していただきたいという想いがあります。ぜひ、優待を活用していただいて、当社のファンになっていただけたらとても嬉しいです。今後とも頑張りますのでご支援よろしくお願いします。

――本日は貴重なお話しをいただきましてありがとうございました。


【株主優待のプロフィール(2020年1月24日時点)】

優待内容は、2019年度。

対象:3月末時点で一単元(100株)以上の株主を保有している株主様
・鈴鹿サーキットとツインリンクもてぎの優待券(1回限り有効)

対象:6月末時点で一単元(100株)以上の株主を保有している株主様
・事業所ご視察会(応募制)
・レース・イベント(応募制)
※3年以上連続で100株以上所有されている株主様向けに「長期保有株主様コース」をご用意しております。
・Hondaカレンダー(希望者全員・応募制)

対象:12月末時点で一単元(100株)以上の株主を保有している株主様
・Enjoy Hondaへのご招待(応募制)

●優待商品例:鈴鹿サーキットとツインリンクもてぎの優待券

●年間予想配当金:112円(予定)
●最低投資金額:296,000円(100株単位)
●優待に必要な投資金額:296,000円(100株より)
※データは2020年1月24日時点

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