年1200円ずつ減っていく!?
銀行預金だとお金が減る時代に。口座維持手数料はなぜ導入されるのか。避ける手は?
提供元:Mocha(モカ)
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大手銀行を中心に口座維持手数料を導入する動きがあります。普段、利用している口座をはじめ、貯蓄用の口座、子供のための教育資金用の口座など、口座別にお金を管理しているため複数の口座を持っているという家庭も少なくないでしょう。
昨今、預金の利息は低金利であり、預けていても利息はほとんどつかず増えないという認識は広がっていいますが、増えないどころか減るとなれば、かかる手数料についてきちんと把握しておきたいところです。口座維持手数料は、なぜ導入されるのでしょうか。避ける手はないのでしょうか。
年間1200円も!口座維持手数料とは
口座維持手数料とは、金融機関の普通預金などのすべての口座を対象とし、銀行が預金者から徴収する手数料です。預金者が口座を開設・保有すると金融機関はその口座を維持・管理するためにコストがかかります。これまで、口座を開設しても無料という意識が定着していますが、これからは口座維持手数料がかかる時代になりそうです。
実はすでに、手数料を徴収している金融機関もあります。たとえば、りそな銀行では、2004年4月1日以降の新規開設口座を対象に、一定期間利用のない不稼働口座について「未利用口座管理手数料」として年間1200円(消費税別)の手数料を徴収しています。もし口座残高が手数料未満の場合は、口座残高を手数料の一部として徴収し、口座は解約になります。
ここにきて、三菱UFJ銀行も2年間取引がないなどの条件に該当する不稼働口座について口座管理手数料を徴収することを検討しています。こちらも、新規の口座開設分を対象として、早ければ2020年10月から年1200円の口座管理手数料を導入する計画です。三菱UFJ銀行を皮切りに、他の大手銀行も追随してくる可能性が考えられます。
なぜ口座維持手数料が導入されるのか
口座維持手数料がかからないことで、使わなくなった預金口座をそのままにしているという利用者は少なくありません。しかしながら、金融機関が預金口座を維持するためには、システムでデータ管理をするなど、1口座あたり年間2000円~3000円のコストがかかると言われています。
こういった、金融機関が負担しているコストは預金者には認識がなく、日常的に利用している口座以外、持っていることすら忘れてしまっている口座が多くあると考えられます。
また、マネーロンダリングの対策の高度化によっても、口座の管理にかかるコストが上がっているといいます。マネーロンダリングとは、麻薬取引、脱税、粉飾決算など不正に得た資金の出所を不明にする工作行為です。
銀行は住宅ローンなど、お金を貸すことによって得られる利息などが主な収益です。しかしながら長引く低金利や人口減少により銀行の収益は低下しています。口座維持手数料を有料化することにより、採算の合わない金融サービスから対価を得ることができます。
アメリカを中心に海外では、預金口座に口座維持管理手数料を徴収している金融機関は少なくありません。日本も預金者から手数料を徴収することで、不稼働口座の減少にもつながり銀行のコスト負担を減らすことができるというのです。
口座維持手数料の支払いを避けることはできるのか
まずは口座維持手数料の対象となる口座の条件を確認してみましょう。ここでは、すでに口座維持手数料が導入されているりそな銀行の「未利用口座管理手数料」の条件について確認してみます。
未利用口座となる口座は、2004年4月1日以降に新規開設した口座について、最後の預け入れまたは払戻しから2年以上、一度も預け入れまたは払い戻しがない普通預金口座(総合口座を含む)です。
未利用口座となった場合、事前に金融機関から文書にて案内が送られます。それから一定期間経過後も取引がなければ年間1200円(消費税別)の手数料の対象となります。
ただし、口座維持手数料の支払いを避けることはできます。次に該当する場合は、対象外となり手数料の負担は不要です。
1.該当未利用口座残高が1万円以上である場合。
2.同一支店で、他に預けている金融資産(定期預金、積立定期預金、財形預金、投資信託(ファンドラップ含む)、外貨預金、国際、生命保険等)が1円以上ある場合。
3.借り入れがある場合。
4.りそなクラブの代表口座でステータスが「パール」以上である場合。
まとめ
口座維持手数料の支払いを避けるためのハードルは高くないため、手数料の負担がないままいくつも口座を維持することは難しくなさそうです。
しかしながら、利用しない口座を持ち続ける必要はありません。不要な口座は解約し、必要な口座だけを保有することでお金の管理を改めて見直す良い機会かもしれません。
[執筆:ファイナンシャルプランナー 今関倫子]
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