資格の有無は「お金にまつわる最新事情」の有無!?

「ファイナンシャル・プランナー」ってどんな相談に乗ってくれるの?

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老後資金の準備や保険の見直し、日々の家計の改善など、その中身は違えど、お金に関して不安を抱いている人は多いだろう。そんな時に、頼れる存在の1つがファイナンシャル・プランナー(以下、FP)だろう。

「東証マネ部!」の記事でも、たびたび登場するFPには、どんな相談に乗ってもらえるのだろうか。知識豊富なFPはどのように探せばいいのか。FP相談の基礎知識を、教えてもらった。

夢や目標を“お金の面”でサポートする仕事

話を聞いたのは、FPの資格試験を実施している日本FP協会の広報部。そもそもFPとは、どんな職業なのだろう?

「日本FP協会では、“家計のホームドクター®”と呼んでいます。お金の専門家として、相談者自身や家族の夢・目標をお金の面でサポートする仕事ですね。具体的に『こういう方法で貯められる』『ここで赤字になる可能性が高い』と伝えながら、相談者と伴走する役割です」(広報部スタッフ・以下同)

お金に関する相談に乗る仕事というわけだ。ところで、FPには「AFP資格」や「CFP®資格」などの資格があるようだが、どのように違ってくるのだろうか。

「国内には、『ファイナンシャル・プランニング技能検定』(以下、『FP技能検定』)『AFP資格』『CFP®資格』という3つの資格があります。『FP技能検定』は国家資格で、1級から3級まであり、合格すると一生涯保有できるものです。『AFP資格』『CFP®資格』は日本FP協会で認定している資格で、それぞれ受験や更新の条件が定められています」

「AFP資格」は、「FP技能検定」2級に合格し、なおかつ日本FP協会が認定している研修を受け、ライフプランを実現するための提案書作成の課題を修了していると登録できる。2年ごとの更新が必要で、倫理・コンプライアンスに関する研修を含め、日本FP協会認定の研修などを2年間で最低15時間相当受講していないと更新できない。

「CFP®資格」は、さらなる上級資格。「AFP資格」を所持しており、CFP®資格審査試験全6課目に合格した上で、CFP®エントリー研修の修了、通算3年以上の実務経験があって、ようやく取得できる。こちらも2年ごとの更新が必要で、倫理・コンプライアンスに関する研修を含め、日本FP協会認定の研修などを2年間に最低30時間相当受講していないと更新できない。

「税制改正や法改正は毎年行われ、お金にまつわることは日に日に変化するので、最新情報を知っていないと、プランを立てる上で不足が出てきます。AFP認定者、CFP®認定者は、常に最新の知識とスキルを備えて生活者の相談に対応できるようにするため、このような制度を設けています」

年収や貯蓄額を伝えると、アドバイスが具体的に

「AFP資格」「CFP®資格」の資格を持っているFPは、知識をアップデートしていることはわかったが、相談内容はどんなものでもいいのだろうか。

「お金に関する悩みがあれば、FPはお役に立てると思います。就職や結婚、出産など、ライフステージが変わるタイミングの相談はもちろん、金融、不動産、保険、相続など、FPが対応できる内容は多岐にわたります。専門性の高い領域であれば、税理士や社会保険労務士などをご案内することも、FPの役割です」

「保険を見直したい」「住宅ローンのお得な組み方を知りたい」など、具体的な質問ができればいいが、不安が漠然としている人もいるはずだ。

「漠然としていても大丈夫です。まずはFPにアプローチしてみてください。『全般的に不安』としか言えなかったとしても、FPが話を引き出してくれるので、話しているうちに具体的な悩みや問題が見えてくるはずです。相談する際には、現在の年収や貯蓄額、支出額がわかる書類や通帳などを用意しておくと、FPもより具体的なアドバイスができます」

年収や貯蓄額は、家族にも言いづらいもの。外部に漏れることはないか、多少の不安もあるが…。

「『AFP資格』『CFP®資格』を持っているFPは、倫理・コンプライアンスに関する研修を受けていますし、個人情報の守秘義務に関する規程もあるので、安心してください。万が一、規定違反が見つかった場合は、日本FP協会から処罰を下すこともあります」

ところで、FP相談の費用は、どのくらいかかるものなのだろう。

「あくまで目安ですが、1時間5000円~1万円くらいに設定している方が多いように感じます。まずは相談を受けるのみというFPもいれば、将来のお金の流れを『キャッシュフロー表』という資料にして提供する方もいます。金額設定とサービス内容はFPが個々に決めているので、予算や相談内容に合わせて探してください」

条件に合うFPをネット上でサーチ!

FPに関する基礎知識は得られたものの、FPそれぞれに得意分野や独自のサービス内容がある。自分に合うFPを見つける方法はないものだろうか。

「ご自身で検索サイトからキーワードで探す方法もありますが、日本FP協会のウェブサイトでは、『CFP®認定者検索システム』を用意しています。所在地や相談したい内容、FPの性別や年代、保有資格、相談料金などの条件を入れて検索すると、マッチしたFPが表示されるシステムです」

CFP®認定者検索システム
https://www.jafp.or.jp/confer/search/cfp/

「CFP®認定者検索システム」の検索ページ。直感的に選択していけるため、お金の知識などは必要ない。まずは気軽に検索してみよう
検索で出てきたFPの詳細ページには、これまでの経験も記載されている。自分の悩みに近い相談内容があれば、参考になるだろう

「FPの詳細ページから問い合わせもできるので、気になる方がいたら連絡してみてください。信頼できるFPかどうかは、知識量やスキルだけでなく個人の相性も影響するので、メールの返事の雰囲気や電話での話し方なども大切な判断要素です。問い合わせたからといって、必ず相談しなければいけないわけではないので、まずは接点を持ってください。病院と同じように、セカンドオピニオンのような形で2人のFPに相談するのも、選択肢が増えていいと思いますよ」

相性のいいFPが見つかれば、長きにわたってサポートしてくれる力強い味方になるはずだ。まずは、近所のFPを検索するところから始めてみてはどうだろう。
(有竹亮介/verb)

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