プロが語る!資産形成のすゝめ

調整相場に役立つ相場格言

提供元:SMBC日興証券

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『良い銘柄だけを残せば、利益は自然に生まれる』
『生兵法は大けがのもと』
『長期投資を本気でするつもりなら、弱気相場が稼ぎ時と考えるべきだ』

足下では、市場は新型コロナウイルスの感染拡大懸念に翻弄されています。現在のところ、感染者数は8万人超にまで拡大しており、2002年~2003年のSARSの感染者数約8千人を大幅に上回る規模で、世界経済の先行き懸念を高めるとともに投資家の恐怖心が煽られているとも言えるでしょう。

歴史を振り返ると、世界中に蔓延したと言われるスペイン風邪(1918年~1919年)は、全世界で約6億人が感染し、約4000万人の方が亡くなったと言われています。スペイン風邪はもちろん日本にもやってきました。当時の新聞報道などの記録によると、当時の電話交換手が数多く罹患し、電話が出来なくなったとか、製糸工場でも生産縮小等を余儀なくされたそうです。

サービスや生産活動に支障が出るというのは今も昔も変わりません。支障の出る期間が長引けば、経済活動がスローダウンするということから株式市場にも影響が出てくると考えられます。

スペイン風邪は2年に亘り感染拡大しました。ちょうど第1次世界大戦の終戦の時期にあったことも相俟って、米経済はリセッション(2期以上連続のGDPマイナス成長)に陥っています。結果として当時のS&P500指数もリセッションに併せて下落しており、今回も米経済がリセッションに陥るような事態となれば、株式市場は一段と弱気になってしまうかもしれません。

市場が大幅に下落するならば、その前に現金化しておきたいという思いは、十分に理解できます。しかし、何でもかんでも売却することが得策とは言えません。『良い銘柄だけを残せば、利益は自然に生まれる』と言うWall Streets相場格言がありますが、今回のような感染拡大を伴う市場の混乱は、いずれ落ち着きを取り戻すことが十分に見込まれ、その後のリカバリー局面も想定して、格言の通り良い銘柄だけは残しておくのが理にかなっていると思われます。

今回の最大の敵は、人類が初めて遭遇する新型コロナウイルスであり、そして、病気の正体が良く解らないという人々の恐怖心なのではないかと考えられます。こういう時には、にわか感染症専門家がメディアに沢山登場してくるものですが、皆さんご主張はバラバラだったりもします。「危険なウイルスだ」とか、「死亡率は低く大したことはない」、「暖かくなれば早晩落ち着く」「すでにパンデミックだ」等、どれを信じるべきなのかも良く解らなくなったりします。

ですから、こうした話だけを聞いて一喜一憂するべきではないと考えます。日々の感染者数の増加ピッチはややピークアウト感が見受けられるものの、新たな地域での感染拡大が報じられるなど複数の地域での市中感染が断続的に繰り返される状態(=パンデミック)に陥るリスクが依然燻っています。各国政府・官庁のコメントや国立感染症研究所等の発する情報を慎重に見てゆくべきと考えます。

まさに『生兵法は大けがのもと』であり、中途半端な情報だけで投資スタンスを拙速に切り替えるのはやや危険なように感じます。複数個所からの情報を確認するなど慎重な目線が重要かと感じています。

処で、現在の景気サイクルは上方に向かおうとし始めた矢先のタイミングです。半導体サイクルの底入れタイミングである一方で、5G通信のサービス開始時期でもあり、サプライチェーンが正常に機能し生産活動が復活すれば、経済は活気を取り戻すものと考えられます。

『長期投資を本気でするつもりなら、弱気相場が稼ぎ時と考えるべきだ』米国の著名な投資家であるジョン・テンプルトン氏の言葉でありますが、まさに目の前にある一時的リスクでの調整局面は、その先の成長を意識した長期投資を始めるにはとても良いタイミングであることも真実であります。

だからこそ、こうした足下の調整局面に於いても、下値を積極的に買おうとする投資家が従前より若干多いような気がするのかもしれません。

皆様の御投資に大いなるリターンがありますことをお祈り申し上げます。

 

(SMBC日興証券 別可夢)

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