芸能人の投資哲学インタビュー

33歳だけど気持ちは老後!

厚切りジェイソンさんが収入の9割を投資につぎ込む理由とは

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お笑い芸人、コメンテーター、IT企業役員など、複数の顔を持つ厚切りジェイソンさん。様々なフィールドで活躍しながらも「仕事に依存する生活をしたくない」と考え、稼いだお金の9割を投資に回しているといいます。現在33歳にして、すでにお金のための労働からは解放されつつあるというジェイソンさんに、投資や金銭感覚について聞きました。

コーヒーに700円払う必要ある? 無駄遣いをやめれば自由な時間が手に入る

ーー厚切りジェイソンさんは、社会人になってすぐに投資をはじめられたそうですね。投資の必要性を感じたきっかけから伺えますか?

厚切りジェイソン:アメリカは日本と違って公的年金がありません。だから会社側で労働者が自分で管理する年金の仕組みを支援していて老後に備えるケースがほとんど。そうしないと老後に生きていけません。現役時代は年金を貯めるために働いているようなものですね。十分に貯めたらリタイアできます。投資をはじめたのはそれだけの話。

ーー投資を始めた頃とくらべて、今の投資スタイルに変化はありますか?

厚切りジェイソン:ないですね。僕はほとんどお金を使わないので、最低限必要なお金以外は全部投資につぎ込んでいます。稼ぐお金の9割は投資に回していますね。たくさん稼いだからといって、物を買うことはしません。

ーー物欲がないんですか?

厚切りジェイソン:はい。外食もほとんどしませんし、日本に来てから洋服を買ったこともありません。全部もらいものか衣裳です。

ーーそれはまたすごいですね!というか、ケチ・・・・・・なんですか?

厚切りジェイソン:ケチというか、もう習慣になってるから気にならないだけです。自動販売機で飲み物を買わないとか、僕は散歩が好きだから、2km先の業務スーパーまで行って1円でも安い物を買います。物を買うときは必ず数箇所のものの値段を見ますよ。その場でパッと買うというのはないです、一切。どうせ同じものなら安いほうが良いでしょ?

ーーそれはそうですけど、そこまで徹底できるのはすごいです。

厚切りジェイソン:だからといって、ものを買わずに節約しているわけじゃないですよ。たとえば、コーヒーだって完全に飲まないわけじゃなくて、自分でコーヒーを作って飲んだら数十円で済むんだからそれでいいじゃんって考え方。カフェで買って700円も払う必要はないんじゃない?って。それを飲むことで1時間多く働かないといけないなら、僕は1時間分の自由がほしい。

ーーでも、いますぐコーヒー飲みたいなってことも……

厚切りジェイソン:そこまで我慢できないのか! いい大人だろ! まぁでもそのほうがいいという人は、それで幸せなんだろうから、僕がとやかく言うことじゃないけどね。

ーー無駄遣いしたことはないんですか?

厚切りジェイソン:ひとつだけあります。3,000円の帽子。ハンバーグのワッペンがついていたので、ネタになるかなと思ったんだけど、ほとんど使わなかった。いまだに後悔してるね。本当に無駄遣いでした。


ーーちなみに、お子さんにもお金や投資の話はされますか?

厚切りジェイソン:はい、しています。アメリカのおじいちゃん、おばあちゃんからお年玉をドルで貰うんですけど、為替レートで変換するといくらになるか、みたいな話はしますね。あとは、自分の通帳を持たせていて、年末に残高に対して10%の利子を払うようにしています。お金は使わないと増えるんですよって。家庭内で仕組みを作って勉強させていますね。

ーー実践的ですね!

厚切りジェイソン:日本ではあまり家庭でお金の話をしないですよね。でも、知識が一番大事じゃないですか。僕は中学のときに数学の先生から「複利」の話を聞いて投資に興味を持ったし、やっぱり金融リテラシーを高めるなら、子どもの頃からの教育は大切ですよ。

33歳で早期リタイアを達成! いまはやりたいことしかやってない

ーーお話を伺っていると、投資にお金を回すために、無理して節約生活をしているわけではないんだなと。

厚切りジェイソン:もちろん。僕はいまの生活で人生に満足しているだけ。でも、投資にお金を回したからこそ、早期リタイアを叶えることができたのでよかったですよ。

ーーえ、リタイア? まだ33歳ですよね?

厚切りジェイソン:はい、でも30歳くらいから気持ちはもう老後ですよ。アメリカでは、FIRE(Financial Independence, Retire Early)という言葉が流行っていて、お金を十分に貯めることができれば、早期リタイアができる考え方です。僕も仕事に依存した生活を送りたくないってずっと思っていました。別に仕事がなくなっても困らない生活がほしかった。いまは収入がなくなっても生活はできます。だから何の心配もないですね。

ーーただ、いまもお仕事はされていますよね?

厚切りジェイソン:やりたいことしかやらないけどね。いまの仕事は、テレビのコメンテーターや講演会、ベンチャーファンドの取締役などですが、全部やりたいことですね。お金を稼ぐことが目的ではなく、「言いたいことが言えてちょっと気持ちよかった」というのがモチベーションですね。

ーーその自信はどこからきていますか? 人一倍努力したからとか?

厚切りジェイソン:それを言うなら人二倍だろ! 人一倍は人一人分と同じだよ。まあいいや(笑)。「いままではなんとかなったことばかりなのに、次はなんとかならないのはなんで?」って思ってしまうからかもしれないね。自信がなくて不安になる人は、自分が「不安」っていう選択肢をとっているんだと思う。不安を感じる必要はないのにね。僕は不安なんてない。皆さん、不安でいたいのであればどうぞって感じだよ。

ーーちなみに、いま挑戦してみたいことはありますか?

厚切りジェイソン:やりたいことがあればもうやってるから。やりたいことがあるのにやらない人がいるけど、それはなんでなのかな? なんで待てるんだろう。いつかやってみたいななんて思ってたら、ずっとやらないでしょ。

投資は不確かな未来より、過去の実績をみて判断する

ーー話を投資に戻しますね。ジェイソンさんの投資セオリーが知りたいです。

厚切りジェイソン:僕はS&Pインデックスファンドを保有しています。投資は長期で分散することが基礎の基礎。感情に左右されずに、いろんな業界、いろんな国、いろんな地域を網羅して、定期的に同じ金額を掛けつづけることがポイントだね。短期的に上がったり下がったりしても、長期間やっていくと、いままでの歴史の中ではそういうやり方で下がったことはないです。

……と言いながらも、未知のウイルスで全部暴落して、世界が終わるような可能性もあるんですけど。

ーーあり得ないことではないですよね。

厚切りジェイソン:絶対はないですけど、これまでパニック状態ってあるんですよ。リーマンショックのときとかね。でも、売らないでピークのときからずっとコツコツ毎月100ドルとか積み立てて投資していたら、5年後には現金を持っていたときよりだいぶ儲かってるんですよ。それがドルコスト平均法のすごさだよね。

ーー不確かなこれからを考えるよりも、過去に学べということですね。

厚切りジェイソン:5年後に必要なお金を投資で稼ぐとなったら、必要なときに価格が下落しているかもしれません。来年半額になってる可能性は十分あります。でも、30年間でみると下がった実績は1回もないんです。だから投資している期間が長ければ長いほど有利。

ーーなるほど。

厚切りジェイソン:ちなみに、僕は買った株や投資信託は一生売らないつもりです。

ーーそれはなぜですか?

厚切りジェイソン:たとえば、先週は新型コロナウイルスの影響で数千万円の損を出しているんですよ。でも、来年まで待てば、おそらく元通りです。いちいち下がったから売るとなると、上がるときも逃します。

ーーそれがジェイソンさんの投資に対する姿勢なんですね。

厚切りジェイソン:そもそも、僕はお金を使うために増やしてるわけじゃないからね。必要になれば使うけど、必要にならないだろうなと思ってるから売りません。株や投資信託は、自由に生きるためのフリーパスのようなものです。死んだときに残っていたら、それは自分の人生の価値じゃないですか。お金が足りなくならずに生きられたなって。それで十分ですね!

取材・文:末吉陽子(やじろべえ) 撮影:森カズシゲ

【PROFILE】
厚切りジェイソン(あつぎりじぇいそん)
お笑い芸人とIT企業役員の二刀流。1986年生まれ、アメリカ出身。17歳の時、飛び級でミシガン州立大学へ入学、卒業後、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の大学院に進む。2014年10月、芸人デビュー。2015年と翌年に『R-1ぐらんぷり』決勝に進出。著書に『日本のみなさんにお伝えしたい48のWhy』『厚切り英単語』がある。

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