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投資信託のトレンドが分かる!

2020年3月 投資信託の資金フロー

提供元:三菱アセット・ブレインズ

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投資信託は個人の資産形成における中心的な金融商品として多くの人が利用している。投資信託の資金流出入などの動向は、資産形成を考えるうえで重要な情報だろう。

そこで、毎年1000ファンド以上の投資信託を評価・分析する三菱アセット・ブレインズより、以下で2020年3月における投信市場の動向(注)についてご紹介する。

(注)ETF、DC専用、SMA専用、公社債投信等を除いた公募投信

1.投信市場における資金の流出入動向

「3ヵ月連続の資金流入超」

3月の資金流出入動向は3ヵ月連続の流入超となった。流入額は前月の約2,400億円から大幅に拡大し約4,700億円であった。

資金流入では、前月に10ヵ月ぶりの流出超となった不動産投信が当月は再び流入超に転じた。また、株式市場等の大幅下落を受けた押し目買いなどの動きから、国内株式や外国株式が多額の資金を集めた。複合資産は、前月に引き続き流入超となったものの、流入額は大幅に縮小した。

資金流出では、前月に引き続き全ての債券カテゴリー(国内債券、外国債券、エマージング債券、ハイイールド債券)が流出超となった。外国債券の流出額が大幅に縮小したものの、その他のカテゴリーの流出額は拡大した。

個別ファンドで当月の資金流入額が大きかったのは、「GS社債/国際分散投資戦略ファンド2020-03」であった。

(図表1)主要資産の資金流出入動向(過去3ヵ月と直近月)

(注)合計には、グラフ表示していない、その他資産も含む

2.投信市場のパフォーマンス動向

「全てのカテゴリーでマイナスのリターン」

3月の金融市場は、新型コロナウイルスの感染が欧米にも拡大したことや、 OPEC(石油輸出国機構)とロシアなどの非加盟産油国の原油減産協議が決裂したことにより、世界経済への深刻な影響が懸念されリスクオフ一色の展開となった。

株式市場は、新型コロナウイルス感染が欧米にも拡大したことや、OPECと非加盟産油国の会合にて原油減産協議が決裂し原油価格が大幅に下落したことで、株価は世界的に急落した。

債券市場は、乱高下の展開となった。月初は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴い、主要先進国の長期金利は低下したが、中旬以降は国内金利や欧州金利は上昇した。米長期金利は、史上最低水準まで低下したが、月末にかけもみ合いとなり下げ幅は縮小した。

為替市場は、米ドル・円、ユーロ・円ともに円高となった。月初は米長期金利低下を背景に、米ドル・円は一時101円台まで円高が進行した。中旬以降は世界的な米ドル需要のひっ迫により一転して円安方向にふれ、最終的には米ドル・円、ユーロ・円ともに前月対比で円高となった。

これらを背景に、3月の投信市場では、全てのカテゴリーで大幅なマイナスとなった。新型コロナウイルスの世界的流行に伴い、市場の流動性懸念が生じたことなどから全資産が大幅に下落した。全資産がマイナスのリターンとなったのは2015年6月以来4年9ヵ月ぶりである。月央にかけて新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け株式債券ともに大きく売られたが、月末にかけては主要国による経済対策への期待が支援材料となり下げ幅を縮小した。

直近1ヵ月、直近3ヵ月、直近12ヵ月の全てリターンは、国内債券が首位となった。2月の下落に引き続き3月の下落により、全てのカテゴリーのリターンはマイナス幅が拡大した。

個別ファンドの1ヵ月リターンでは、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた株式市場の大幅な下落を受けて、ベア型ファンドが上位にランクインした。

(図表2)パフォーマンス上位5資産のランキングと実績

3.新規設定ファンドの動向

「設定本数は増加も設定額は減少」

当月の新規設定本数は42本と前月の29本から増加したが、新規設定額は約1,200億円と前月の約1,540億円から減少した。当月は「外国債券型」が設定額の約6割を占めた。

当月の新規設定ファンドの上位は、「GS社債/国際分散投資戦略ファンド2020-03」(AM-One)(約370億円)、次いで「シティグループ社債/円建て償還時ターゲットF2020-03」(三井住友DS)(約240億円)となった。上位3ファンドすべてが「単位型」ファンドであった。

(図表3)新規設定金額、設定本数の推移

最後に、3月の資金流入上位15ファンドを掲載しておく。

(図表4)資金流入上位15ファンド一覧

 

(三菱アセット・ブレインズ)

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