「ETF・ETN銘柄検索」ツールの使い方
お気に入りのETFを見つける方法とは
近年拡大するETF市場
世界初のETFは1990 年にトロント証券取引所に上場した「TIPS35」 と言われている。この30年間でETF市場は急拡大し、2019年9月時点で世界のETF純資産残高は5.7兆ドルに達した。日本においても、ETF純資産残高は2019年末時点で約43兆円に上り、ETFの利用がますます増加している。
ETF利用の主な理由は「リアルタイムで機動的に取引できる」、「低いコスト(信託報酬)」が挙げられるが、近年では多様な外国株ETF、外国債券ETF等が上場している点も注目だ。
個人投資家にとってもメリットの多いETFだが、日本においては機関投資家の利用が中心で、個人投資家の商品認知や利用はまだまだ道半ばの状況。
そこで、今回はETFのラインアップ 拡充をお伝えするとともに、お気に入りのETFを探す方法もご紹介したい。
※世界のデータはBlackrock ETF Landscapeより。日本のデータは投資信託協会より。
※ETP=Exchange Traded Productsの略。ETF、ETN(Exchange Traded Note)、ETC(Exchange Traded Commodity)などの総称
今や東証ETFは200銘柄超。種類も豊富に!
日経平均やTOPIXなどの日本株のイメージがあるETFだが、実は200銘柄を超える数が東証に上場しており、今後もラインアップを拡充していく予定だ。
例えば、以下のスライドのとおり、外国株、外国債券、REIT、商品(コモディティ)、レバレッジ・インバースなどを対象指標とするものが多数ある。
一口に「外国株」と言っても、「NYダウ」や「S&P500」など知名度の高い国別の指数もあれば、世界の先進国と新興国の株式のパフォーマンスを総合的にはかる指数「MSCI All Country WorldIndex」などパッケージタイプの外国株ETFもある。
また、東証に上場する外国株式ETFに投資する際は、「国内株と同じ口座で円建てで投資できる」点がメリット。つまり、証券会社で外国株専用の口座を開く必要が無いのだ。
一般的に、外国資産に投資する場合、国内株と違って、投資情報へアクセスしにくい。英語が堪能な人であれば、外国企業のIR資料や決算情報などを読むことができるが、そのような人は多くはないだろう。
現在のアップルやアマゾンのように、世界を代表するサービスを生み出す企業を探し出すことは難しくとも、アメリカの指数に投資することはETFなら可能だ。
また、個別の国だけでなく、全世界や先進国などパッケージでまとめて投資することもETFならできる。
お気に入りのETFを見つける方法
前述のとおり、東証に上場しているETFは200銘柄以上ある。投資先としてどれをどう選ぶのか悩んでしまう方も多いのではないだろうか。
そんな方にオススメしたいのが「ETF・ETN銘柄検索」ツール。銘柄コードや銘柄名での検索はもちろん、国内株・外国株などの種類別でも検索できるすぐれものだ。
「ETF・ETN銘柄検索」ツールの使い方については、こちらの動画を見てほしい。
大まかな使い方は理解いただけたと思うので、本記事では、特に「ETF銘柄リスト」について解説したい。
ETF銘柄リストの使い方
銘柄検索ホームにある「ETF銘柄リスト」を押すと、下記のページにリンクする。
ここでは、各ETFの情報が網羅的に見ることができる。「コード」「最低買付金額(円)」「純資産総額(億円)」「信託報酬」「分配金利回り」については昇順・降順で並び替えることも可能。
※上記の画面キャプチャはPC
ちなみに、乖離率の計算式は「前日市場価格÷前日基準価額を1口あたりに換算した値の割合を表示」で、市場価格と基準価額の乖離を示したもの。売り気配と買い気配の乖離ではない点に注意してほしい。
なお、東証ならではの項目として「マーケットメイク」がある。これは、2018年7月から始まったマーケットメイク制度の対象となるETFには『あり』と表記している。
このマーケットメイク制度を一言でまとめると、マーケットメイカーと呼ばれる専門業者が流動性を提供することで、ETFの取引がしやすくなるというもの。
個人投資家の方から、「ETFは板が薄くて取引できない」「流動性コストが高い」という声をよくいただいていた。ETFの流動性を改善するべく、この制度を導入したという背景がある。
マーケットメイク制度について、詳しくはこちらの記事も参考にしてほしい。
さらに、ETF銘柄リストは「詳細条件」も設定することができる。「種類」、「管理会社」、「乖離率」、「マーケットメイク」を選択し、銘柄リストを表示することが可能。
例えば、国内株ETFについて調べたい場合、以下のような具合だ。
①「種類」:全選択を選び一旦全て解除する。その上で「国内株ETF」を選択
②「管理会社」:特にこだわりがなければ全選択がオススメ
③「乖離率」:前述のとおり、市場価格と基準価額の乖離を示したもの。乖離率が低い銘柄に限定したい場合はチェック
④「マーケットメイク」:流動性が気になる方は対象銘柄にチェック
まとめ
世界、日本で拡大するETF市場。東証上場銘柄も200銘柄超に。東証としてもさらにラインアップを拡大していく予定。しかし、どれを選んだら良いか分からない方は、ぜひこのツールを使ってお気に入りのETFを見つけてみてはいかがだろうか。
(東証マネ部!編集部)