大きく変わった家計の支出

withコロナで増えた支出・減った支出は?結局、家計全体で支出は増えたのか

提供元:Mocha(モカ)

TAGS.

新型コロナウイルスは、人々だけでなく家計にも大きな影響を与えています。特に、コロナによって私たちの暮らしは大きく変わり、それに伴い家計の状況が変化してきました。

今回は、withコロナで大きく変わった支出について、その状況とこれからの家計管理のポイントについてお伝えします。

コロナの影響で増えた支出は?

LINE家計簿が4月末に「新型コロナウイルスの影響による家計の支出の影響について」という調査を実施したところ、「どのような支出が増えましたか?」という問いに対し、次のような結果が出ました。

・第1位:食費 69%
・第2位:水道光熱費 50%
・第3位:日用品購入費 45%

(LINE家計簿「新型コロナウイルスの影響による家計の支出の影響について」より)

これらはすべて、コロナによる外出自粛を守ってきた結果といえます。では、増えた支出についてその内容を見ていきましょう。

・食費:月3,498円増加

外出自粛で家族が皆、1日中家にいる状況は、食費にもっとも大きな影響を与えました。普段は学校で給食やお弁当を食べる子どもたち、昼食は社食や外食だったお父さんやお母さん。そんな家族が毎日家にいるのです。朝食、昼食、夕食の3食を皆が家で食べるため、その分食費が増えています。

また、外出する機会を減らすために買い物の頻度を減らしたことで、保存できる食品をまとめ買いする家庭が増えました。

総務省「家計調査報告」(二人以上の世帯)の「消費支出とその内訳」を調べると、2020年1月の食費は76,011円だったのに対し、3月の食費は79,509円と上昇しています。月が違うため単純な比較はできませんが、食費が増加傾向にあることはうかがえるでしょう。

筆者にとっても食費の増加は顕著でした。3月から子どもの学校が休校になったことで、昼食をテイクアウトする機会が増えたのです。おかげで、3月の食費は通常の3割増になりました。4月になってからは夫の会社も在宅勤務に。同じようなことをしていたら家計を圧迫すると思い、昼食は家族が交代で作ることにしたのです。おかげで元のレベルまで食費を抑えることができました。このことで、食費は毎日かかるものだからこそ、常に出費を抑える工夫が必要だと実感しています。

・光熱費:月1,024円増加

外出自粛で家族が揃って家にいることで、光熱費にも影響が出ています。特に増えているのが電気代です。在宅勤務で照明やパソコンを使い、時間があるときはテレビを観る機会が増えました。また、ゲーム機やスマートフォンなどを充電したり、食事の準備で電子レンジを使ったりと、自粛生活では電気を必要とする機会が多くなっています。その影響で、光熱費の支出が増えているのです。

先の家計調査でも、2020年1月は25,688円、3月は26,712円とじわじわ上昇しています。

・日用品:月1,481円増加

新型コロナウイルスは、私たちの衛生面での意識を変えました。マスク、除菌スプレー、除菌シートなど、衛生用品を購入する人が増えました。品薄状態のときは、普段より価格が高くても買い求めたという人もいるのではないでしょうか。加えて、デマによるトイレットペーパーなど紙製品の品薄が起き、普段よりも価格が高い商品でも迷わず買ったという人も少なくありません。その影響で、いつもよりも日用品の支出が増えています。

家計調査で2020年1月と3月を比べると、「家具・家事用品」が9,481円→10,699円、「保険医療」13,880円→14,143円と増加しています。

筆者も、日用品は物によっては売り切れになりやすいものがあったので、価格に関係なく在庫のあるものを買うようにしていました。さすがに高額なマスクは買いませんでしたが…。そのためか、日用品の出費がいつも以上に多くなっています。これは、いつもより多めに在庫を持つようになったせいかもしれません。

コロナの影響で減った支出は?

新型コロナウイルスは、私たちの暮らし方にも大きな影響を与えています。外出自粛生活の影響で支出が増えたものがある反面、支出が減ったものも少なくありません。

では、どのような支出が減っているのでしょうか?

総務省は2020年5月8日に、家計調査における「新型コロナウイルスの感染拡大により消費行動に大きな影響が見られた主な品目など」を公表しています。その調査結果から、2020年1月と3月の消費支出と比較して大きく減ったものを見ていきましょう。

・交際費:月8,266円減少

感染防止のため、人と会うことを自粛しなければならなくなりました。緊急事態宣言が出ている間は、外食産業の休業や営業時間の短縮のため、友達や同僚とランチや飲み会をする機会はほぼありません。家計調査でも1月での交際費は19,961円でしたが、3月では11,695円と大きく減少しました。ほとんどの人がSTAY HOMEを守ったことで、交際費を大きく減らしたのでしょう。

・交通費:月1,906円減少

仕事で出社の必要がある人以外は、交通機関を使って出かける機会はなくなりました。家計調査でも1月は5,279円でしたが、3月は3,373円と減少しています。また、通常なら人手が増えるゴールデンウイークでさえ、外出自粛で旅行や帰省を見送った人が多く、公共交通機関を利用する人はずいぶん減りました。そのため、交通費をほとんど使わない家庭が増えています。

・レジャー費:月4,374円減少

緊急事態宣言で、多くの人は巣ごもり生活を送っていました。買い物以外の外出を控えていた人も多く、その影響でレジャー費の支出が大きく減少しました。家計調査でも、宿泊料やパック旅行費などを含む教養娯楽サービス費が、1月では15,896円だったところ、3月では11,522円と減少しました。旅行やレジャーに出かけたくても今は我慢のとき。早くコロナが収束して自由にレジャーへ出かけられる日を待ち望む人も多いのではないでしょうか。

・外食費:月4,714円減少

私たちは外出自粛生活の中で、外食費も大きく減らしました。感染予防対策による在宅勤務や飲食店の休業を受けて、私たちは外食を楽しむ機会を得ることができなかったのです。家計調査でも1月の外食費は15,458円でしたが、3月は10,744円と減少しました。4月以降は飲食店でテイクアウトを始めたところが増え、店内飲食だけにこだわらない飲食店の楽しみ方が浸透してきています。

withコロナで家計全体の支出は1万7000円減少。今後の家計管理のポイントは?

総務省の家計調査での消費支出を見てみると、2019年3月の合計は30万9,274円だったのに対し、2020年3月の合計は29万2,214円でした。つまり、新型コロナウイルスの影響により、トータルの消費支出が約1万7,000円減少しているのです。

この減少分をどのようにするかは、これからの家計管理の肝になります。残った分を自由に使ってしまうのではなく、これから先の生活で起こるかもしれないリスクに備えて、貯蓄に回すのが得策なのではないでしょうか。

今は収入に影響がなくても、今後コロナの第2波、第3波が襲ってきたときに経済的な影響が出るかもしれません。今後どうなるかがわからないからこそ、リスクを抑えるために今できることをやっておきたいものです。

おすすめなのが、いざというときのための「貯え」を用意しておくことです。最低限の生活費を6ヶ月分、取り分けておくとよいでしょう。そして大事なことは、緊急事態宣言が解除されて徐々に日常生活が戻りつつあるときに、今までの巣ごもり生活の反動で、一気にお金を使ってしまわないことです。少なくとも収入の1割、余裕があれば2割程度を毎月貯金に回すことができるといいですね。

[執筆:ファイナンシャルプランナー 前佛朋子]

注目キーワード