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この5カ月でユーザー数は約4倍に

コロナ禍のリモートワークを支える「Microsoft Teams」

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写真提供/日本マイクロソフト

新型コロナウイルスの影響により、仕事のスタイルも変化を余儀なくされている。たとえば、リモートワークの増加。在宅勤務が広まり、コミュニケーションもオンライン上で取るケースが格段に増えた。

あわせて、リモートワークに適したビジネスツールの利用者も急増している。そのひとつが「Microsoft Teams(以下、Teams)」だ。マイクロソフトの発表によれば、世界での1日あたりのユーザー数は、2019年11月19日時点で約2000万人だったのが、2020年3月16日時点で倍以上の約4400万人に。そして4月29日には、約7500万人へと大きく伸びている。リモートワークの中で、ニーズが広まっている形だ。

では、改めてTeamsとはどんなツールで、どんな価値を持っているのだろうか。また、コロナ禍の中でどんな使われ方をしているのだろうか。この記事では、日本マイクロソフトの情報提供のもと、Teamsについて取り上げたい。

写真提供/日本マイクロソフト

1日に30億分近いミーティングが世界で行われている

Teamsは、オンライン上でのチャットやビデオ会議、通話といったコミュニケーション機能がベースになっている。そして、このツールの需要が急増したことは、マイクロソフトが発表しているレポートからつぶさに知ることができる。

たとえば、Teamsで行われている1日のミーティング時間は、3月16日に9億分だったのが、わずか2週間後の3月31日には27億分に達した。また、ミーティングの中でビデオ通話を使った割合も、3月の1カ月間で2倍以上となった。

ちなみに、レポートでは国ごとのビデオ通話利用率も発表しており、ノルウェーとオランダが約60%と高い割合に。そのほか、オーストラリアが57%、イタリアが53%、アメリカは38%となっている。日本は39%という結果だった。

写真提供/日本マイクロソフト

Teamsは、2017年3月に提供開始。Office 365/Microsoft 365に新機能として追加された形で、その名の通り、案件や部署といったチームのメンバーでチャットやビデオ会議を行える。

さらに大きいのは、WordやExcel、PowerPointなど、マイクロソフトの多種多様なアプリケーションがTeamsと連携していること。これまでは、作業ごとに数あるアプリから適切なものを選び、一つ一つ起動する必要があったが、Teamsからそれらを開いたり、ファイルをメンバーと共有できたりする。共同編集作業も可能だ。
つまり、TeamsはOffice 365の各アプリに移行できる入口、あるいはハブの役割がある。実際、マイクロソフトCEOのサティア・ナディラ氏は、過去に「Teamsが次の“OS”になる」と発言した。今後、このツールがユーザーにとってのプラットフォームになるという意味だろう。

相談窓口の設置や、医療機関へのサポートも実施

数年前から、企業や組織の「多様性」がキーワードになってきた。チーム一人一人の価値観やバックグラウンド、親しんだ文化が多様なほど、全体で大きな価値を出せる。その考えが強まってきた。もしもバラバラの地域に住む人たちでチームを組めば、多様性という意味では申し分ない。

とはいえ、そのメンバーが同じオフィスで働くことは難しい。Teamsは、そういった離れ離れの多様なメンバーが共同作業できるツールである。そしてその長所は、今の状況下で多くの企業・機関に求められている。

たとえば製薬会社の第一三共は、2月末から開始した全社在宅勤務に合わせて、全社員にTeamsのアカウントを一斉配布した。大阪市は全庁での利用に加えて、4月に入った新職員の研修やオリエンテーションにも活用。熊本市では、まさに新型コロナウイルスに関する情報収拾と共有プラットフォームとしてTeamsを活用している。

教育機関での利用も多く、休校中の遠隔授業に使うケースも増えている。また、緊急事態宣言前の3月14日に行われた立命館小学校(京都市)の卒業式では、出席できない保護者に向けて、Teamsを通じたライブ配信も行われた。

写真提供/日本マイクロソフト
写真提供/日本マイクロソフト

医療機関においても、Teamsの導入が進んできた。患者のCTやレントゲン画像などをTeamsで共有し、複数のスタッフがチーム体制で容態のチェック・意見交換を行う形が増えている。医師不足が顕著な地方部では、限られた人材の力を総合する「チーム医療」の構築が急務。倉敷中央病院など、多くの医療機関が導入してきた。

さらに、コロナ禍では院内感染のケースも増えており、より接触の少ない医療体制が求められている。日本マイクロソフトでは、この観点から医療機関向けの支援策を提供。Office 365 E1の6カ月無償提供などを行っている。

また、同社は3月から無料の「セキュア リモートワーク相談窓口」を設置。企業の規模や職種を問わず、これまでに数百件の問い合わせがあったようだ。Teamsをはじめ、同社の持つツールや知見で、さまざまな人たちをバックアップしている。

最後に、記事で触れたマイクロソフトのレポートの中に、こんな研究の紹介がある。ある研究者グループは、人と人が目を合わせ、他人と物理的なつながりを持つことで、ドーパミンが増加し、ストレスホルモンのコルチゾールが減少することを発見したという。今まで当たり前だった「目を合わせること」のプラス効果を示唆する結果だ。

今の状況では、人と人が対面で目を合わせることは少なくなった。ただ、ビデオ会議などにより、画面越しとはいえ、その瞬間が生まれている。Teamsは、特殊なこの環境下で、人々の仕事やコミュニケーション、そしてチームワークを支えている。

(取材・文/有井太郎)

※記事の内容は2020年6月現在の情報です

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