あるかもしれない大暴落…
iDeCoや企業型DCは60歳・65歳時点で暴落があったらどうすべきか
提供元:Mocha(モカ)
老後資金の準備として、iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)や企業型DC(確定拠出年金)に加入している、あるいは加入を検討している人も多いのではないでしょうか。
iDeCoも企業型も、確定拠出年金は一般的に、60歳のリタイア時期まで定期的にお金を出して運用し、その後受け取る受け取れる仕組みになっています。では、受け取る予定の時になって、株価の暴落などがあって資産価値が大きく減ってしまったらどうしたらよいのでしょうか。
今回は、受取予定の時に暴落があった時のことを考えていきましょう。
慌てないで!すぐに売ると大損してしまう
確定拠出年金は、老後資金を目的としているので、一般的に60歳までは掛金を「毎月1万円」などと設定して定期的に掛けていき、そのお金を運用していきます。そして、60歳になったら一時金、もしくは毎年年金で受け取るようになっています。
資金の運用先は自分で選んで決められます。金融機関によって運用先の商品ラインナップは異なりますが、国内外の株式や債券を組み合わせた投資信託が主なものになっています。
株式や債券は、市場の影響を受けることでも値動きをします。過去にはリーマンショックのような金融危機でも大きく値下がりしました。今回のコロナ禍でも大きく値下がりを見せました。
値下がりをすると、「これ以上値下がりしては大変!」と慌ててしまい、お急ぎで売却して別の投資先に買換えたくなってしまうかもしれません。しかし、それではほとんどの場合、大きく損をしてしまいます。
なぜなら、値動きをするということは、下がることもあれば上がることもある、ということだからです。下がっている時に売却して損失を確定するよりも、上がるのを待つほうがトクなのです。
70歳までは運用しながら加入できる
実は、iDeCoも企業型確定拠出年金も受け取り開始を最大70歳までずらすことができます。60歳で急いで受け取らなくても、元気なら仕事をして収入を得て生活し、相場が回復してから受け取ってもいいと考えられます。
過去のデータを見ても、リーマンショックの時に大幅に値下がりした株価も、5~10年といった長期的な期間で見ると下落前の水準まで戻ってきています。70歳まで運用を続けるなかで、タイミングをみて受け取るようにするといいでしょう。
年金で少しずつ受け取る方法もある
しかし、60歳以降の収入が安定せず、すぐにお金が必要な状況だったらどうしたらいいでしょう。
その時は、年金形式で少しずつ受け取ればいいでしょう。一時金で受け取ると、その時の相場で資産価値が決まりますが、年金であれば毎年定期的に受け取るので、相場の影響を受けにくくすることができます。
ただ、60歳の時の選択肢は、できるだけ多く準備しておきたいものです。預貯金があれば取り崩してしのぐこともできますし、不動産を持っていれば賃貸に出したり、売却して資金を作ったりすることもできるでしょう。
iDeCoや企業型確定拠出年金しかない、というのではなく、預貯金や不動産など組み合わせて資産づくりをしておくと、いろいろな状況に対応できます。
受け取り時期が近付いたら、リスクを小さくしておく
値動きのある商品での運用をしている場合、受け取り時期までの期間が長ければ、ある程度のリスクを取りながら積極的に運用していくのもいい方法です。大きなリターンを期待できるものは損失も大きくなりがちですが、長期の運用であれば、いったん値下がりしても、値上がりするまで待てるからです。
しかし、受け取り時期が近づいていたら、運用先を値動きの小さなものに変えていくようにしましょう。資金をいざ使う時になって大きく値下がりするのは、やはり避けたいものです。元本確保型の定期預金や生命保険にする方法もありますし、ローリスクローリターンの投資信託にしておくこともいいでしょう。
まとめ
60歳時点で暴落があっても、損失を回避する方法はあります。
どんな時でも慌てずに冷静な判断ができるよう、常に新しい情報を得るようにしておきたいですね。
[執筆:ファイナンシャルプランナー タケイ啓子]
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