正しく節約して夏を乗り切ろう
その使い方は要注意!間違いだらけの「エアコン」節約術5選
提供元:Mocha(モカ)
日本各地で猛暑日が連続し、熱中症に倒れる人が増えています。特に今年はコロナウイルス感染症予防の対策を求められる中、マスクの着用による体調への影響も心配ですよね。熱のこもる室内での熱中症を防ぐには、エアコンを使って上手に室温をコントロールしていくことが大切です。
そんな夏場の必需品ともいえるエアコンですが、やはり気になるのは電気代。夏場はやはりエアコンにより電気代が高くなりやすいため、エアコンを中心とした節約・節電方法を実践している人も多いと思います。が、なかには「節電にならない」エアコンの間違った利用法をしてしまっているケースがあるのです。
そこで、今回はよくある間違ったエアコン節約術5選をご紹介します。今年の暑い夏を乗り切るより効果的なエアコン活用のヒントにしていただければと思います。
間違ったエアコン節約術1:エアコンフィルターはシーズン前のお手入れで十分
分かってはいるけれど、なかなかできないのがフィルター掃除ではないでしょうか?フィルターをはずしている間、エアコンが使えないとなると掃除のタイミングを失ってしまいますよね。高いところにあるフィルターの取り外しを面倒に思う気持ち、分かります。
しかし、フィルターが埃でつまってしまうと、冷暖房の効きが悪くなり無駄な電気を使うことになります。掃除の目安は、2週間に1度です。環境省「みんなで節電アクション」によると、フィルターを掃除しているだけで冷房時は約4%、暖房時は約6%の節電になります。
間違ったエアコン節約術2:除湿運転ならエコで冷房より確実にお得
梅雨や夏に良く使う除湿運転。除湿のタイプには、「弱冷房除湿」と「再熱除湿」という2つの方式があることをご存じでしょうか。どちらも水分を外に追い出すしくみは同じですが、部屋に戻す空気の温度が異なります。
弱冷房除湿は、水分をあつめるために温度を下げた空気を、そのまま部屋に戻す方式。これは、弱い冷房をかけているのとほぼ同じ状態です。消費電力は少ないですが、冷却効果も下がります。対する再熱除湿は、温度を下げた空気を、ちょうどいい温度にあたためなおしてから部屋にもどすという方式です。
では冷房と2つの除湿方式を比べた場合、電気代がもっとも安くなるのはどの機能なのでしょうか。3つの主な機能と効果、消費電力についてまとめたものが以下の表になります。
●3つの主な機能と冷却効果、消費電力の比較表
消費電力に着目してみると安いほうから、弱冷房除湿→冷房→再熱除湿という順番になります。弱冷房除湿は電気代が安いというメリットがある半面、除湿量が少ないというデメリットがあります。一方で再熱除湿は、電気代は高くなりますが、肌寒い梅雨の時期などの湿度を下げたいけれど室温を下げたくない場合などに重宝するでしょう。
逆に真夏の暑い日に再熱除湿を使用すると、室温が下がらないばかりか電気代も高くついてしまうことになるので注意が必要です。省エネだからという理由で、除湿(ドライ)モードを設定したつもりが再熱除湿だったために、かえって冷房よりも電気代が高くついてしまっているかもしれません。
現在使っているエアコンの除湿方式が知りたい場合は、取扱説明書に記載されている場合があるので確認してみましょう。わからない場合は、メーカーに問い合わせてみれば教えてくれます。
間違ったエアコン節約術3:自動モードは電気代が高くなるから使わない
エアコンとは「命令どおりに全力で運転する」機械です。一度設定温度に到達すれば消費電力は少なくなるため、なるべく短い時間で設定温度にした方が電気代を安くできることになります。
それなら強風運転モードで一気に冷やす方が節約になると思いがちですが、うっかり強風運転モードのまま忘れて放置してしまいがちなことや、モード設定切替時の電力消費などを加味すると、自動で風量を調節してくれる自動運転に軍配が上がります。
逆に弱風や微風といった運転モードでは、設定温度に到達するまでに時間を要するため、節約をするどころか、かえって電気代がかかってしまうケースも多いようです。
やはり、設定温度になるまでは強風で、それ以降は微風などに切り替え運転してくれる自動運転モードのほうが、結果的に節電・節約につながりやすいと言えます。
間違ったエアコン節約術4:こまめにスイッチを切る
節電を考えてエアコンをこまめに切る人もいるかもしれませんが、先ほども説明したように設定温度に到達するまでの消費電力が大きいことに加え、スイッチのオン・オフでも多くの電気を使うとされています。
エアコンをオフにして何度も室内の温度を変えてしまっては、それだけ電気代がかさむ可能性が出てきてしまいます。よほど冷暖房が効きすぎない限り、設定温度になっても自動運転でエアコンにお任せした方が節約につながるケースは多いようです。
また、冷房効率を高めるには、風向を水平にしておくのも効果的です。冷たい空気は下の方にたまりやすい性質を持っていますから、風調節することで効率を高められるはずです。こちらに関しても基本的には自動運転でまったく問題はありません。
間違ったエアコン節約術5:冷房中に換気扇を使うのは意味がない
「エアコンは換気をしている」このような誤解を信じている方は意外と多いようです。しかし、基本的にエアコンには換気機能がありません。エアコンと換気扇は全く別の機能を持っています。
簡単にいうと、エアコンは、室内機・室外機それぞれにある「熱交換器」を通じて、室内の空気を冷やしています。つまり室内の空気を内蔵したファンの力で、冷やしまた室内に戻しているだけなので、エアコンが空気自体を入れ替えているわけではないのです。ですので、空気を入れ替えたい時には、換気扇を回したり、窓を開けたりするなどの換気をする必要があるのです。
ただ、室内の冷めたい空気を外に逃がすことになるため、冷房効果のロスが生じますし、換気扇を回すのにも、わずかな消費量ではありますが電気を使います。つまり厳密に「電気消費量を抑えてコストを下げたい」と考えるなら、換気扇を同時に回さないほうがよいということになります。
しかし、筆者は冷房中の定期的な換気(1時間に1回程度)を強くおすすめします。それは、健康上の理由から空気の清浄化などコストを上回る大きなメリットがあるからです。
夏はエアコンのきいた部屋を閉め切ることが多く、その中で長時間過ごせば空気は汚れていきます。身体の健康のためにも、換気を心がけることが大切です。
エアコンと換気扇の併用はもったいないと思っている人もいるかもしれませんが、汚れた空気を吸い続けた結果、身体の健康を害すようなことがあっては元も子もありません。今年は感染症防止という健康面からも、換気扇を活用すべきでしょう。
まとめ
設定温度に関しては、1度下げると約10%の節電になると言われていますが、過ごしやすく快適な室温は人それぞれ。節電も大事ですが、くれぐれも体調に影響がないようにしましょう。
今年は特に新型コロナウイルス感染防止と熱中症対策の両方を気にしなければならないため、大変な環境ではありますが、どうか身体に無理のない範囲で、エアコンの電気代を上手に節約していただければと思います。
[執筆:ファイナンシャルプランナー KIWI]
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