似ているようでちょっと違う

利子・利息・金利・利回りの違いを説明できる?資産運用でよく出てくる言葉

提供元:Mocha(モカ)

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資産運用していたり、住宅ローンを利用していたりすると、「利子・利息・金利・利回り」という言葉によく遭遇します。しかし「では、それらについて違いが分かりますか?」と聞かれると、戸惑ってしまう方もいるのではないでしょうか。

知っているつもりで知らない、あるいは今さら人に聞くのはちょっと恥ずかしいかも。そんな「利子・利息・金利・利回り」について紹介します。

「金額」と「割合」で分けて考えよう

「利子・利息・金利・利回り」を、以下のように言葉の意味でグループ分けしてみると、イメージが掴みやすくなります。

・「金額」そのものを表す言葉:利子・利息
・「割合」(%)を表す言葉:金利・利回り

利子と利息は「金額」そのものを表しています。金融機関の普通預金通帳を見てみると、預金残高がある場合、毎年2月と8月には利息が振り込まれています。(ゆうちょ銀行の場合は「利子」と印字されています。)

金利と利回りは一般的に割合を表し、%で表示されます。

利子・利息の意味はほぼ同じ

利子・利息は、お金の貸し借りに対して払う、あるいは払われる対価のことを指します。

利子・利息の意味はほぼ同じです。お金の借り手と貸し手で利子・利息の言葉を使い分けているという説もありますが、それらの使い方は使い手や状況によることが多いようです。

銀行の普通預金あるいは定期預金などにお金を預けると、利息が付きます。(ゆうちょ銀行の場合は「利子」と呼ばれています。)銀行は私たちから預かったお金を運用したり、企業などに貸し出したりして利益を得ます。その利益の一部が私たちに利息(利子)として還元されるのです。利子や利息は、計算の元となる金額に決められた金利をかけて計算されます。

他に私たちの生活で身近な利息といえば、住宅ローンがあげられます。住宅ローンを借入した際にもらう返済予定表を見てみると、「利息」と書いてあります。これは毎月、借りた金額に加算して支払うお金で、借りた金額に決められた金利をかけ、ローンの支払い回数で割ったものです。

住宅を買うためにまとまったお金を借りるので、その代わりに利息を付けて返していきますよ、という契約が住宅ローンなのです。お金を貸してくれる金融機関は、貸したお金が返ってこないかもしれないというリスクを取る代わりに、毎月利息を受け取るのです。

金利は利息を計算するための割合

金利とは、金融機関などからお金を借りる時に支払う利息を計算するための割合(%)です。一般的には1年間の利率を表しています。

例)
・定期預金金利 0.01%
・住宅ローン変動金利 0.56%
・マイカーローン金利 1.7%

などという金利の数字は、読者の皆さんにもお馴染みかもしれません。

金利は、世の中の需要と供給によって上がったり下がったりします。例えば、景気が良くなってくると設備投資を増やしたり、従業員を多く雇ったりしようとする企業が増えてきます。そのための資金が必要になるので、企業は金融機関から借入を行います。借入をしたい企業が増えるとお金の需要が高まり、世の中のお金の量が減るので金利が上がります。これは、多少金利が高くてもお金を借りたいと考える企業が増えるからです。

これとは反対に、景気が悪くなると企業は新規事業や雇用を見合わせるようになるので、お金の需要は減ります。こうなると世の中にお金が余りだし、金利が下がるのです。

このように、金利は世の中の需給バランスで決まります。

需給バランスでイメージしやすいのが、スーパーや八百屋に並ぶ野菜や果物の値段です。天候不順で青果物が不作になると出荷数が限られ、店頭での価格が高騰します。値段が高くても欲しい、と思う消費者が増えるためです。これとは逆に豊作で出荷量が増えると、店頭での価格は下がります。

利回りは投資額に対して増えた年間収益の割合

利回りとは、投資額に対して増えた年間収益の割合の事です。投資の実績を評価する時などに使われます。

例えば、100万円の株を購入して1年後に売却したとしましょう。

【条件】
・購入金額 100万円
・配当金 2,000円
・売却金額 102万3,000円

売却益 102万3,000円-100万円=23,000円……(1)
配当金 2,000円……(2)
全体の利益 (1)+(2)=25,000円
利回り 25,000円÷100万円×100=2.5%

よって、この場合の利回りは2.5%となります。

まとめ

一見しただけでは分かりにくい「利子・利息・金利・利回り」という言葉も、このように身近な例に関連付けてみると理解しやすくなります。私たちの生活に密着したものばかりですので、頭の片隅に入れておくと良いでしょう。

[執筆:ファイナンシャルプランナー 小河由紀子]

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