フィンテックの最前線を追う!

「海外送金」「外貨両替」「デビカ発行」がスマホで完了!?

次世代の金融サービス「Revolut」の魅力を探る

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フィンテック業界が盛り上がりを見せ、金融サービス仲介業に関する法改正も進み、より便利な金融サービスがさらに登場しそうな雰囲気を見せ始めている日本。

このタイミングで、イギリス発の金融アプリ「Revolut(レボリュート)」がサービスを開始した。全世界で既に1300万人超が利用しているアプリで、海外への送金や外貨への両替、デビットカードの発行などが、スマートフォン1台で可能になるという。

これからの社会に役立つであろう最先端の金融アプリをより深く知るべく、Revolutグループ日本法人のレボリュート・ジャパン代表取締役の巻口 蓉子さん、REVOLUT TECHNOLOGIES JAPAN日本事業統括の金 海寛さんに、「Revolut」でできることとその魅力について、聞いた。

「高額な手数料の解消」を目指したサービス

Revolutの金さん(左)と巻口さん(右)

「Revolut」は2015年7月、投資銀行出身のニコライ・ストロンスキー氏とヴラッド・ヤッツェンコ氏によってイギリスで創業し、アプリはヨーロッパのミレニアル世代を中心に急速に支持を拡大。現在はアメリカ、オーストラリア、シンガポールでも展開している。

「開発のきっかけは、創設者のニコライが海外出張に赴いた際の気づきでした。外国でクレジットカードを使うと2~3%の手数料がかかるため、海外出張の多いニコライは、1年で数万~数十万円もの手数料を支払っていたそうです。手数料という無駄で不公平な支出を省くための代替案を作るところから、『Revolut』はスタートしました」(金さん)

ニコライ氏の「高額で不透明な手数料を解消したい」という思いから始まっているため、「Revolut」では海外送金や外貨両替の際に、上乗せ手数料が発生しない仕様になっている。レボリュート・ジャパン代表取締役の巻口さんも、外貨両替の手数料に疑問を感じたとのこと。

「以前、羽田空港で円からポンドに両替えしようとしていた時、その時点の為替は1ポンド=132円だったのですが、両替のレートは1ポンド=160円もしたのです。1ポンドにつき30円も余分に取られることに気づいたので、両替所には行かずに『Revolut』で両替しました」(巻口さん)

送金や両替、海外でのクレジットカード払いにどの程度の手数料がかかっているのか、意識していない人は多いだろう。無意識のうちに、多くの手数料を取られているケースもある。不透明な手数料の問題を、「Revolut」は解消してくれるのだ。

「例えば、日本の銀行から海外に送金すると、1回に7000円程度の手数料が発生し、完了までに1週間ほどかかります。しかし、『Revolut』であれば、手数料も時間もかけずに送金できるのです。その状況から需要があるのではないかと考え、日本での展開を決めました。最新のテクノロジーを用いてお金を管理したい人に向けて、国際標準のサービスを提供し、今後さらに機能を拡充していければと考えています」(金さん)

「貯金」「支出管理」もスマホ1台で実践できる


REVOLUT TECHNOLOGIES JAPANが提供する現在の日本版「Revolut」の機能は、以下のものが挙げられる。

・海外送金
・外貨両替
・Visaデビットカードの発行、リアルタイムの支払い通知
・支出の追跡、予算管理
・友人や家族との割り勘機能

「Revolut」ユーザー同士であれば、国内海外問わず個人間送金ができる。また、外貨両替は、米ドルやポンド、ユーロ、シンガポールドルなど、主要通貨に対応。両替のページでは、リアルタイムで為替レートが反映され、逐一金額が動く。実際に両替しないとしても、レートの変動を体感的に知ることができそうだ。

「Revolut」の外貨両替の画面とRevolutカード。外貨はレートに即して、画面上で常に変動する

専用のデビットカードも発行可能で、「Revolut」のアカウントに入れている資金と連動して利用できる。手続きはアプリ内で完結し、書類の記入やハンコの用意は必要なく、カードは通常原則4日程度で自宅に届く(配送事情の影響を受ける場合がある)。
「『Revolut』の設計においては、常にお客様の要望を第一にすることを念頭に置いているので、2~3カ月スパンでの改善を重ねています。実際にユーザーの方から意見をいただいて、開発した機能もあります。その1つが、残額が表示されるメインアカウントとは別にお金を保管できる貯金箱』機能です」(金さん)

カードの支払い分の100円未満の端数を切り上げ、その端数の分を自動的に「貯金箱」に入れることもできる。例えば、カードで560円支払った場合、600円を引き出し、おつりとなる40円を「貯金箱」に回せるのだ。「グループ貯金箱」という機能は、友人や家族との共有の貯金箱で、旅行など、共通の目的のための貯金を協力して進めることができる。

家計簿のように、アプリ内で支出の管理もできる。ひと月に使える額を5万円と設定すると、5万円を超えた時にアラートで知らせてくれるのだ。日々の生活に即したアプリといえるだろう。

「今後は、アプリ内で『金』を買える機能が、新たに実装される予定です。『金』というと、1本数十万円の延べ棒を買うイメージがあると思いますが、『Revolut』では10円分から購入可能です。まとまった資金がなくても始められるので、20~30代の若手ビジネスマンの方にも、ぜひ触れてみてほしいと考えています」(金さん)

ちなみに、「Revolut」では、無料のスタンダード会員と月額980円のプレミアム会員を用意している。

「スタンダード会員は、手数料無料での海外送金が月75万円までといった制限があります。一方、プレミアム会員は、手数料無料での海外送金や外貨両替に制限がありません。ほかにも、飛行機搭乗時に預ける荷物の保障、海外のATMで月5万円まで引き出し無料などの特典があります。海外出張や送金する機会が多い方には、プレミアム会員をおすすめします」(巻口さん)

欧州では、新規に銀行免許を取得し、支店を持たず、デジタルに特化した金融サービスの担い手は、「チャレンジャーバンク」と呼ばれている。支店を持たないことで、手数料の安さや小回りの利く顧客視点に立ったサービスを実現できるため、伝統的なビジネスモデルが基本となる従来の“銀行”と比較されているのだ。

「私たちも『チャレンジャーバンク』と評されることがありますが、銀行ではありませんし、銀行と競争するつもりもありません。むしろ、銀行を含む従来の金融機関と協力して、お客様が求めるより良い金融サービスを提供できないかと考えています」(巻口さん)

セキュリティの要は「本人確認」「バーチャルカード」


リアルタイムに行える個人間送金やデビットカードでの支払いなど、便利な機能が豊富な「Revolut」だが、セキュリティ面は保証されているのだろうか。

「『Revolut』は利用登録をしていただく際に、顔認証などを用いて、二重三重で本人確認を行います。その確認がとれてからアカウント開設を行うのですが、このステップは国際的なスタンダード。連携するほかの銀行などの金融機関に丸投げせず、サービスそのものがお客様を守ることを考えなければいけない、という意識を持って取り組んでいます」(巻口さん)

登録の際の本人確認だけでなく、デビットカードの発行や利用に関しても、安全性を高める仕組みを施しているそう。

「デビットカードの発行がアプリ上でできると同時に、利用停止もアプリ上で、ユーザー本人が行うことができます。再発行の手続きもアプリ内ですぐにできますし、24時間対応しています。そして、『Revolut』の特徴的なところは、バーチャルカードを瞬時に発行できることです」(金さん)

バーチャルカードとは、アプリ内にのみ存在するデビットカードのこと。手元に届くカードとは別の16桁の番号が付与されており、ネット決済などで利用できる。このバーチャルカードは、複数枚発行することも可能なのだとか。

「バーチャルカードを複数持って、ECサイトとケータイ料金と光熱費など、それぞれの支払いごとに割り当てて管理することが可能です。万が一、ECサイトで不具合があれば、そこに充てているカードだけ利用停止にすれば、被害を食い止められます。バーチャルカードの発行や停止、解除は瞬時に行えるので、実物のカードが届くまでのつなぎとして使うのもいいでしょう」(金さん)

プレミアム会員であれば、利用するたびに番号が変わる「ワンタイムバーチャルカード」も利用できる。毎回番号が変わるということは、それだけ安全性の向上にもつながる。

「私たちは、家族や友人に使ってもらうならどんなサービスがいいか、という発想のもとで、サービスを構築しています。そこで行きつくものは、安全かつ簡単に使えるもの。お金を扱う上で、セキュリティは絶対です。ほかの金融機関と協力しながら、お客様を守り、お客様に便利だと思っていただけるサービスを提供していきたいと考えています」(巻口さん)

スマホ1台で海外送金や外貨両替、支出管理ができる「Revolut」は、今の時代に即した資産管理方法といえるだろう。無料で使い始められるため、まずはアプリをダウンロードしてみてはいかがだろうか。
(有竹亮介/verb)

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