宝くじが当たったら…
正直、何歳まで働きたい? 会社員の考える引退のタイミング
高齢者雇用安定法が改正され、希望する会社員は65歳まで働けるようになった。さらには70歳にまで定年が延長されることも見込まれている。他方で公的年金の支給開始年齢も引き上げが続き、社会人の引退の時期は確実に引き延ばされていく方向だが、現在働いている会社員の本音としては、何歳ぐらいまで働きたいものなのだろうか?全国の20〜40代の会社員552人に聞いてみた。
Q. 何歳くらいまで働きたいですか?
いますぐ退職したい 8.3%
30歳 2.9%
40歳 5.1%
50歳 8.5%
60歳 18.1%
65歳 23.7%
70歳 7.8%
75歳 2.7%
生涯現役 7.1%
考えていない/わからない 15.8%
65歳が23.7%で最多となり、60歳と合わせると41.8%を占めた。現在の定年程度の年齢までは働きたいという会社員が多いようだ。
50歳までに退職したいとした人は24.8%、70歳までもしくはそれ以降も働きたいとした人は17.6%であった。長く働き続けたい人よりはアーリーリタイアを希望する人の方がやや多い。
70歳以上と回答した人の割合は、20代では12.6%、30代では15.1%、40代では25.7%であった。年齢が上がるにつれて仕事が軌道に乗ってくるともっと働き続けたいと思うようになるのかもしれない。
Q. お答えの年齢まで働きたい理由を具体的に教えてください。
「いますぐ退職したい」会社員の理由から見てみよう。
「すぐにでも辞めて自分の時間に使いたいから」(女性、30代)
「もう十分働いた」(男性、40代)
「もう疲れた、家でのんびり過ごしたい」(女性、30代)
「安い給与でこき使われてるから」(男性、40代)
「仕事をする環境が悪い。人生を無駄にしている感がある」(男性、40代)
「働きたくない」(女性、20代)
「自由にやってみたい」(男性、40代)
何か具体的な目的などがあって仕事を辞めたいという回答は少数にとどまり、疲れなどからの解放を願う声が多かった。
「生涯現役」の方はどうだろうか。
「これから貯蓄を出来ないと思う」(女性、40代)
「とにかく仕事が大好きなため」(女性、40代)
「ずっとできる事をしているから」(女性、40代)
「暇がきらいだから。社会とかかわっていたいから」(女性、40代)
「外とのつながりは必須」(女性、40代)
「社会に貢献したい」(男性、40代)
「働かざる者食うべからず」(男性、40代)
「仕事をしないと衰えそうだから、元気があれば働いていたい」(女性、30代)
「(歳をとった頃には)年金はもらえなくなっていると思うから」(男性、20代)
こちらは大半が40代であった。金銭的な理由を挙げた人もいるが、全体としては仕事にお金だけではない意義を感じている会社員が多かった。社会とのつながりや、何かやることがあること自体に価値を見出しているようだ。
Q.仕事を辞める検討をする具体的なタイミングはいつだと考えていますか?
「身体を壊したら」(辞めたい年齢「いますぐ」、女性、40代)
「人間関係が嫌になった時」(「いますぐ」、男性、20代)
「子どもが自立したら」(「いますぐ」、男性、40代)
「宝くじが当たった時」(「いますぐ」、男性、40代)
「妊娠した時」(「30歳」、女性、20代)
「総資産2億円(になったら)」(「40歳」、男性、20代)
「不労所得がある程度、手に入るようになったら」(「50歳」、女性、30代)
「いくら蓄えれば一生安泰かを知って、その金額が貯まったとき」(「50歳」、男性、40代)
「子どもが大学を卒業する頃だと思います」(「50歳」、女性、20代)
「社会に必要とされなくなったら」(「50歳」、女性、30代)
「やりたい仕事ができなくなったとき」(「60歳」、女性、30代)
「生活拠点を変えざるを得なくなったとき。例えば両親の介護等で地元に戻らなければならない、など」(「60歳」、女性、40代)
「孫が産まれたら」(「60歳」、女性、20代)
「ローンや子供の養育がなくなったら」(「60歳」、男性、30代)
「大きなプロジェクトが終わったら」(「60歳」、男性、40代)
「新しい人に世代交代することが必要であると感じたとき」(「65歳」、男性、30代)
「通えなくなったとき」(「65歳」、女性、40代)
「仕事で思うように体や頭が動かなくなったとき」(「70歳」、男性、30代)
「物忘れがひどくなったら」(「生涯現役」、男性、30代)
「必要とされなくなったとき」(「生涯現役」、男性、40代)
「体調、体力で、仕事に影響が出てどうしようもなくなったとき」(「わからない」、男性、40代)
「不労所得で食べていけたら」(「わからない」、女性、40代)
体を壊した時、心身が追いつかなくなった時、人間関係が行き詰まった時など、働くこと自体が難しくなる状況の到来をタイミングとして挙げる人が多い。次いで、十分な蓄えができたら辞めたいといった金銭的な条件を挙げる人が目立った。女性では妊娠・出産や子どもの成長などを節目として挙げる人も少なくない。
宝くじが当たったら辞めたいという回答も複数あったが、いつか辞めたい・辞めざるを得ないとなった時に備えて、今のうちから資産運用でお金にも働いてもらい、堅実に資産を増やしておけば選択肢が広がるのではないだろうか。
〈あわせて読みたい!〉
定年前に引退する「早期退職」って得なの?
(三田祐介)
「お金に関するアンケート」
調査方法:インターネットによる調査(リクルートライフスタイル)
調査時期:2020年6月
調査対象:全国20〜40代の会社員
有効回答数:552件