会社員の家計はどうなった?
コロナウイルスによる「自粛」で意外な支出が増加?
コロナウイルス感染拡大防止のための外出自粛要請により、出社の必要がなくなって在宅勤務になったり、外食やイベントなどに出かけなくなったりといった影響を受けた人が多いであろう。2020年4〜6月のGDPは年率換算で27.8%もの減少となったが、会社員の家計への影響はどうだったのだろうか。全国の20〜40代の会社員552人を対象に調査した。
Q. 外出自粛の影響で、あなたの家計支出は増えましたか?減りましたか?
増えた 24.3%
減った 30.8%
変わらない 39.6%
わからない 5.3%
「変わらない」とした会社員がほぼ4割を占め最多となった一方で、過半数は増減いずれかの影響を受けたという結果となった。支出が減ったとした人が増えたとした人を6.5ポイント上回っており、全体としてはやはりやや減少傾向であるようだ。
家計支出の増減があった会社員たちに、その詳細を訊いた。
Q. 外出自粛期間中に最も大きく変化した支出を教えてください。
食費 42.0%
日用品 7.6%
水道・光熱費 7.6%
通信費 5.9%
被服・美容費 3.6%
交際費 14.5%
娯楽費 13.5%
医療費 1.0%
交通費 3.3%
その他 1.0%
全体では食費を挙げた会社員が42.0%と最も多く、交際費の14.5%、娯楽費の13.5%が続いた。支出が増えた人と減った人に分けてより詳しく見てみよう。
支出が増えた会社員では、食費が最も大きく変化したとした人が57.5%と目立って多かった。支出が減った会社員でも、やはり食費と回答した人が30.0%と最多であったが、支出が増えた人たちに比べると少なかった。
外出自粛で外食は減ったものと思われるが、学校が休校になったことで朝・昼・夕の3食を家族全員が家で食べることとなり、食費が増えた家庭が多いのかもしれない。また、外出機会を減らすために、長期保存できる食品をまとめ買いしたというケースも考えられる。
支出が増えた人の中で食費の次に多く挙げられたのは水道・光熱費の12.7%であった。自宅で過ごす時間が増えた結果、水道・光熱費が押し上げられたことがうかがえる。
交際費は、支出が減った会社員の24.1%が挙げたのに対し支出が増えた会社員ではわずかに2.2%にとどまった。同様に、娯楽費も、支出が減った会社員の20.6%に対し支出が増えた会社員では4.5%であった。やはり外出が制限されたことで交際や娯楽に費やすお金はかなり減少したようだ。
Q. 外出自粛期間中に月あたりの支出はいくら程度変動がありましたか?
1,000円以下 2.3%
1,000円超5,000円以下 14.8%
5,000円超10,000円以下 26.3%
10,000円超20,000円以下 25.7%
20,000円超30,000円以下 13.8%
30,000円超50,000円以下 7.9%
50,000円超 9.2%
こちらも支出が「増えた」「減った」と回答した人のみが対象。
支出の変動は、5,000円〜20,000円とした人が半数以上を占めた。「変わらない」とした人が39.6%いたことも含めて考えると、支出への影響は限定的だった会社員が多かったと言えそうだ。
ただし、20,000円を超える支出の変動があったとした人の割合は、支出が増えた人の中では28.3%であったのに対し、支出が減った人の中では32.9%とやや多くなった。
自宅で過ごす時間が増えた結果、全体として交際費や娯楽費が減少し、食費や水道・光熱費が増加する傾向にあったようだ。月2万円ほどまでの影響であった人が多いが、やはり支出が減った人の方が多数となった。コロナウイルスの家計への影響の鍵を握るのは外出であることを裏づける結果であった。
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(三田祐介)
「お金に関するアンケート」
調査方法:インターネットによる調査
調査時期:2020年6月
調査対象:全国20〜40代の会社員
有効回答数:552件