プロが語る!資産形成のすゝめ

ポートフォリオの一員に加えよう!

資産運用の保険として“金”を考える

提供元:三菱UFJ信託銀行

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資産運用の基本は株式・債券

「資産運用」というと皆さんは何による運用をまず最初に思い浮かべますか?一番多そうな答えは「株式」ですか?!ただし株式一本で行う運用は、株式の動きに100%依存する形となり一般的にはリスクが高いと言われています。ここでいう「リスク」とは「危険」という意味ではなく、その資産の価格変動幅と考えてください。もちろん運用資産の中に株式を組み入れるのは大正解です!ただし株式一本で運用するのは「巧くいけば大きいですが…」、「当たらないことも多々あり…」というように気が気でない運用になってしまうことが多いようです。ある会社の株式を買うということは、その会社が有する将来の成長性を資産運用に取り込むことに他なりません。

そこで運用資産全体のリスクを和らげるためには、他の資産を組み入れるのが一般的な手法です。そうです!「分散投資」と呼ばれる手法です。他に組み入れる資産で代表的なものが債券です。国が発行するものを国債(国が発行する借金証書)、事業会社が発行するものを事業債と言います。一般的に債券は株式よりもリスクが低く逆に動く(逆相関)ことが多く、債券を運用資産に組み入れると運用資産全体のリスクが低減すると言われています。運用資産に債券を組み入れ運用資産全体のリスクを抑えつつ、可能な限り会社の成長性を取り込んで高い運用成果を期待したいものです。

株式・債券マーケットに大きな変化

近年、この2つのマーケットに以下のような大きな変化が生じています。

■株式マーケット:マーケットのリスク(価格変動幅)が大きくなっていると考えられます。不確実性の高いことがあるとマーケット変動幅が大きくなることが多々あります。ここ1年では新型コロナウイルスの感染拡大、米中貿易摩擦における終わりのない両国の応酬合戦などを受けて、最近のマーケットは上下に大きく動いています(リスクが高くなっています)。

■債券マーケット:「超」が付く低金利になっています。債券は一定期間保有すると金利(クーポン)に応じて利息(クーポン収入)をもらえます。先進国の金利は以前からそもそもそれほど高くありませんでしたが、新型コロナウイルス禍により各国中央銀行が金融緩和を進めたため急速に金利が低下しました。そして、しばらくは金利は上昇しないであろうというのが一般的な見方です。つまり、しばらくは債券の利息収入にそれほど期待できない状況が続くということに他なりません。

このような状況下では株式・債券だけでなく、株式・債券とは違った動きをすると考えられる金などのコモディティー(商品)関連、比較的高利回りが期待できると考えられる不動産関連・新興国関連なども運用ポートフォリオにほどよく組み入れていくことが肝要と考えられます。

資産運用にも使える“金”の特徴・性格!

さてここからは、運用資産全体のリスクを低減すると期待される金に対する考え方・接し方について少し詳しく観て参りたいと思います。特に投資資産としての金を保有することによって想定される効果を考えてみましょう。

①株式との相関(同じように動く)が元来は低いというのが一般的です。つまり「金は株価が下落する時に買われ、株価が上昇する時に売られる」。ただし、最近は「株価も上昇、金価格も上昇」する局面も時折あります。世界的な金融緩和による異常な資金供給(マネーの金余り現象?)が影響していると考えられます。

②テールリスク=滅多に起こらないと考えられていますが、「起きたら…もう大変!」という事象で、近年では2008年リーマンショックが相当すると考えられます。今回の新型コロナウイルス禍はどうでしょうか…?リーマンショック時は、運用資産として何を持っていてもダメ(あらゆる資産価格が下落)でした。ただし、当時、金も最初は売り込まれましたが、最終的に価格が反転上昇するのが一番早かったのは金です。しかも価格が大幅に上昇し、リーマンショックでやられた幾ばくかの損失を金が補完したのは記憶に新しいところです…金を持っていた人にとっては。

③金=実物資産。世の中の物価上昇時には、実物資産価格は一般的には上昇します。金価格も上昇が見込まれます。お金があるから少し高くても買ってしまうという行動に出やすくなり、物価が上昇するという仕組みです。現在の世界的なマネーの金余り現象から、将来のインフレ(物価上昇)リスクが懸念されています。

④金は国際基軸通貨であるドル(米ドル)の対極にある資産と考えられています。ドルが不調な時は金が補完する。4年ほど前からドルに対する信認が低下傾向にあると思いませんか?そう!あの人が登場してから・・・です。この期間、金価格は上昇傾向にあり、現在も高値圏に位置しています。「あの国の次期大統領がどうなるか?」も、金市場を考えるうえでポイントになるかもしれません。

⑤株式・債券は無一文になることもあり得ます(企業で言うと倒産)。金はどこの国の顔もたない無国籍、いわゆる無所属です。そして…、ツタンカーメンのマスクにみられますように「存在そのものに価値がある!」。時空を超えて輝き、永遠に残り決して紙くずにはなりません。

以上から金というのはいろいろな局面において、基本的に他の資産とは「逆の立ち位置」にある性質があるのだ!と気付きます。言い換えますと、投資の世界の中における「保険」の役割があると考えることができるのではないでしょうか。
ただし金について投資をするとなると、十分に気を付けないといけないことがあります。これは金の大きなデメリットです。金は持っているだけで何の配当も利息も生まないということです。

ポートフォリオの一員として“金”を考える…『保険機能』

では直近十数年間の投資資産の動きを観ていただきたいと思います。

2006年秋を起点とし、リーマンショック以前からのグラフとなります。グラフ左端2008年9月あたりのところは、リーマンショックにより全ての線が下がっており、資産価格が大きく下落しています。しかしいち早く大きく切り返したのは、赤色の線だけ。つまり金だけです。殆どの線はなかなか水面上に浮上するのが難しかった大変厳しい時間帯でありました。ところが・・・、価格が上昇した赤い線である金を運用資産の中に一部加えていれば?結果はどうなっていたでしょう?運用資産の損失をいくらかは赤い線=「金価格の上昇」でカバーできたのではないか?と思います。

これにより、何もこのグラフで赤い線が上がっているから金を買ってくださいと言っているのでは決してありません。筆者も金だけがスゴく高くなる世界は来てほしくはありません。恐らくその時は・・・株価は大暴落。世の中、暗いです。

お伝えしたいのは、運用資産全体に対する保険の意味合いで金を保有すればどうでしょうか?ということです。運用の中心的な存在は、あくまでも株式・債券である!と筆者も考えます。国内外の伝統4資産です。「金」は保険・・・あくまでも脇役です。ところが…真価を発揮する時は輝きを増す!こういう性格を持っているのが金という資産と考えています。

では金を「いつ?」買うか?よく「有事の金」と言う言葉を聞きます。何か大変なことが起きた時は「金に限る!」という意味合いなのでしょうが、有事の時は恐らく金価格は上昇すると考えられます。しかし有事の時に金を買ってはなりません!価格が上昇していますから・・・。有事の時は、むしろ金は「売り」ではないでしょうか?

では「いつ?」買うか?何事もない時、ある意味「平穏な時」に買っておくことだと考えます。しかも何回かに分けてご自身の運用資産の・・・そうですねぇ、個人的には全体の10%位ですか?そのくらいの割合まで何回かに分けて買っておく。そして有事に備えるということではないでしょうか?

現在は株価が結構乱高下していますが、筆者は「決して有事ではない」と考えております。新型コロナウイルス禍ではありますが、世界株式が連日高値を更新するなど、ある意味“平穏”だと考えられます。米国大統領選にみられましたように、この先まだまだ不確実な・不透明な時代になるのではないでしょうか?結果的にご自身の運用資産に「保険」をかけておくということは、ある意味では賢明なことと考えられます。

最後に金を保有するのに一番身近なポピュラーなスタイルは、現物投資いわゆる「金の延べ棒(延べ板)」を保有することでしょうが、保管場所や保管手数料が気になります。もっと手軽に“金”を保有する方法として、私ども三菱UFJ信託銀行が2010年にプロデュースしました金ETF『金の果実(証券コード:1540)』を保有いただくのも一つの方法です。

【貴金属ETF『金の果実』の特徴】

①現物の裏付けがある…現物を信託財産として国内で保管しています。一定条件の下、ETFから現物に交換することが可能です。国内に現物が存在することで安心感があります

②株式と同様にリアルタイムの価格を見ながら取引できます(取引は証券会社となります。信託銀行では取引できません)

③少額から始められる…1口からとなっており比較的少額(6,030円(2020年11月18日東証終値))から投資が可能です

④低コストである…保有コスト(信託報酬。保管料や保険料を含みます)は年間0.440%(消費税込) です

ぜひこの機会に運用ポートフォリオの一部に金も加えてみてはいかがでしょうか。個人的には最初は全体の5%程度が適度な割合だと考えますが、状況に応じて臨機応変に割合を高めていくことなども有効と考えられます。
(2020年11月18日 記)

(提供元:三菱UFJ信託銀行)

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