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日経平均株価が29年ぶりの高値を更新 ~世界的な金融緩和を背景に株式市場は堅調に推移~

提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント

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今年最大のイベント通過でリスク選好へ

今年8月以降、概ね23,000円~23,500円台を中心に推移していた日経平均株価は、2020年最大のイベントである米大統領選挙後の11月4日以降続伸しており、17日には1991年以来、29年ぶりに26,000円を上回りました。

11月3日に投開票が実施された米大統領選挙では、民主党のバイデン氏が当選確実とされています。同日の議会選挙では、下院は民主党、上院は共和党が有利と見られており、「ねじれ議会」が継続すると考えられます。

選挙前は、法人税増税やGAFA(グーグル(アルファベット)、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)規制などを掲げるバイデン氏が大統領になった場合、株式市場にはマイナス要因であるとの見方もありました。また、「ねじれ議会」となれば、追加経済対策などが進みにくくなるといったことも懸念されていました。しかし実際には、株式市場は上昇しました。さらに9日には、米製薬大手ファイザー社がコロナワクチンの治験で、90%以上の被験者に感染予防効果が認められたとのデータを公表し、11月中にも米当局にワクチンの緊急使用許可を申請する見通しを示しました。

この結果を受けて、内外株式市場は経済活動の再開が加速するとの期待から全面高となりました。この他、欧米長期金利が上昇、原油先物が急騰、金は急落するなど、リスク・オン一色の展開となりました。

物色動向に変化も

株式市場では、ワクチン普及期待を背景に景気敏感株や業績悪化が顕著だったセクターへの買いが加速した一方、成長期待が高かったハイテク株が下落しました。

米国市場でも、NYダウが16日に29,950ドルとなるなど史上最高値を更新しました。資本財、金融、エネルギーなど景気敏感株が上昇となった一方、在宅勤務や巣ごもり消費関連の銘柄は下落、GAFAや半導体関連は利益確定売りが重石となり、ハイテク銘柄の多いナスダック総合株価指数は軟調な展開となりました。

4年前の大統領選挙後も株式市場はリスク選好

2020年2月以降の株式市場は、新型コロナウイルスが世界的に拡大する中で大幅に下落しました。日経平均株価は3月には16,552円の安値を付けました。その後、戻り基調となったものの、6月には、欧米を中心としたコロナ第二波を嫌気され軟調な展開となりました。その後も、米大統領選挙を巡る不透明感から下値警戒が続きました。しかし、11月初めに米大統領選挙という重要イベントを通過したことからリスク選好ムードが高まり、株式市場に資金が流入しました。

このような現象は、4年前にも見られました。当時は2015年から続く中国株式の暴落、いわゆるチャイナショックに見舞われ、2016年初からリスク回避の売りが先行しました。その後、一旦持ち直すものの、6月に英国で行われた国民投票でEU離脱が決定、ブレグジットが現実のものとなり、株式市場も再び下落しました。

この年の米大統領選挙は、共和党のドナルド・トランプ氏と民主党のヒラリー・クリントン氏の争いでしたが、トランプ氏が当選した場合、政策に対する不透明感が高まるとして警戒されていました。結果は事前の予想に反し、トランプ氏が勝利、大統領に選任されましたが、その後の株式市場は大幅に上昇しました。当時も、最大のイベントである米大統領選挙が終了したことで、リスク回避からリスク選好になったと考えられます。

今後の見通し

16日に発表された日本の2020年7-9月期の実質GDP(国内総生産)成長率(速報値)は前期比年率+21.4%(4-6月期▲28.8%)と事前の市場予想(+18.9%)を上回るなど、堅調な経済指標の発表が続いています。一方足元では、欧米で新型コロナウイルスの新規感染者が大きく増加、国内でもやや増加傾向にあるなど、コロナ感染の再拡大による経済活動への影響が懸念されます。

このような中、短期的には国内外株式が急騰したことで利益確定の売り戻しなど値動きの大きい展開が想定されるものの、世界的な金融緩和政策の長期化観測に加えて、新型コロナワクチン実用化への期待も高まっており、中長期的には底堅い展開が見込まれます。

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(提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント)

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