東証ETFのキーパーソンに聞く

チャレンジ精神にあふれた投信会社、三菱UFJ国際投信・代田氏が語る“ETF” ・後編

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2008年9月、「MAXISトピックス・コア30上場投信(1344)」を皮切りに、ETFブランド「MAXIS」を立ち上げた三菱UFJ国際投信。それ以来、個性豊かな銘柄を世に送り出している。

前編では、三菱UFJ国際投信 常務取締役兼商品マーケティング部門長の代田秀雄さんに、「MAXIS」シリーズの変遷について聞いた。後編は、ETFを含むインデックス投資を取り巻く環境について、伺っていこう。

ETFの特徴を知ると“使い時”が見えてくる


――近年、ETFを活用する個人投資家が増えている印象がありますが、代田さんは個人投資家の流れをどう捉えていますか?

「現状では、ETFだけを切り出すよりも、インデックス投資という目線で語った方がいいかなと思っています。というのも、直近5年間の国内公募投資信託の純資産残高はほぼ変わっていないのですが、そのうちのインデックス投資の構成比率は倍になっているからです。つまり、個人投資家の間で、インデックス投資を行う人が爆発的に増えているということ。要因としては、iDeCoやつみたてNISAでの後押しがあると考えられます。

一方、ETFは上場しているなどの特徴があるためか、iDeCoやつみたてNISAに組み込みにくい状況にあります。そこを改善していけば、より利用が拡大する可能性はあると思います」

――ETFは、現状は一般の個人投資家にとっては利用しづらいものということでしょうか?

「そういうわけではありません。ETFとそれ以外の投資信託では特徴が異なるので、投資家のニーズに合わせて使い分けていくといいと思います。

例えばETFでは、取引時間中にリアルタイムで変動する価格を確認して成行注文を出したり、売り買いを希望する価格で指値注文をすることで、価格を確認して取引できます。一方で投資信託は一日一回しか値段がつかないことでわかりやすいものの、購入・換金を申込む時点では約定価格がわかりません。この点はETFと投資信託の大きな違いです。

また、ETFには『分配金が出る』銘柄が多いことも特徴かと思います。もちろん、投資信託にも分配金が出る銘柄もありますが、日経225やTOPIXを追うETFであれば、現状の分配金利回りは1.5%前後なので、預貯金として持っているよりずっといい、という考え方もできるかもしれません」

――その時々の生活に即して考えることが大事ですね。

「そうですね。あと、個別株式との比較で言うと、指数を追ってくれる点は、ETFの大きな魅力だと思います。個別銘柄の株価を取引時間中ずっと追い続けることは、ほとんどの人にはできませんよね。その点、ETFに投資すれば、自動的に、株式投資をしている人たちの平均値を追ってくれるので、とにかくラク。

株価が上がらない銘柄を買ってしまって後悔したり、ストレスを溜めたりする精神的な負担も下げられるので、ETFは投資経験の少ない人でも始めやすいのではないでしょうか」

「工夫を重ねることで、ETFは更なる発展が見込める」


――ETFの魅力は確かに大きいのですが、投資初心者は非上場の投資信託を使う傾向もあるように思いますよね。

「いくつか要因はあるかと思います。あくまで個人的な考えですが、一例を挙げると、オンライン上でETFを買おうとした場合、証券会社さんのウェブサイトでは、ETFは一般的に、『株式』のページに置かれていることが多いように思います。でも、ユーザー目線では『投資信託』のページにあるほうが分かりやすいという考え方もあるかと思います。

なぜなら、ETFを買う人は、投資信託のように運用をお任せできる商品を選びたいと思っているはずだから。

『株式』のページを見る人は、勢いのある個別銘柄を発掘したい人。そうした人に向けて、指数を追うETFを発信しても、必ずしもニーズにマッチしませんよね。非上場の投資信託に流れてしまう要因の一つは、こうしたウェブサイト上の構造にもあるかもしれないとみています」

――なるほど、そうしたサイト上の配置の変更により、ETFを知り、選ぶ人は増えていく可能性がありますね。

「時間がなくて運用はお任せしたいから、インデックス投資をしよう、と考えている人が『投資信託』のページに行き、そのなかに“分配金が受け取れる”“売買時に値決めができる”と説明書きしてあるETFがあれば、選択肢が増えますよね。今申し上げたのはあくまで一つの例ですが、ETFは利便性の高い商品であり、今後、そうした工夫を重ねることで、更なる発展が見込めるかと思います。」

これからは「顧客に直接働きかける機会の創出」も重要


――ありがとうございました。最後になりますが、2020年は新型コロナウイルスの影響で、社会が大きく変化した1年でしたが、三菱UFJ国際投信でも取り組みの変化はありましたか?

「社として、DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めました。これにより、運用会社でありながらお客様に直接働きかける戦略も強化しています。具体的には、自社のホームページ、オウンドメディア、SNS、YouTubeでの動画配信、オンライン広告という5つのタッチポイントを設けて、積極的に情報を発信しており、実際に効果も出てきていると思います」

――世の中的にも、デジタル対応しているかどうかで、差が出ましたよね。

「そうですね。オンラインプロモーションに関しても、『工夫すること』を常に意識しています。例えば、ETFのオンライン広告を打つ際、投資信託を買おうか検討している人に向けて発信すれば、ETFに関心を持ってもらえるかもしれない。広告を打つタイミングや場所をしっかりマーケティング分析したうえで、効果的にプロモーションを実践することで、ETFの魅力・認知が広がっていくのだと思います」

商品組成から情報発信の手法まで、常に工夫し、チャレンジすることを意識している三菱UFJ国際投信。今後のETF戦略に注目していきたい。

(有竹亮介/verb)

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