積立の見直しに優先順位をつけよう

コロナ禍で手取り減!定期預金、iDeCo、つみたてNISA…減額やストップはどの順番でするべき?

提供元:Mocha(モカ)

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2020年は新型コロナウイルスの影響で手取りが減少し、家計が厳しくなってご相談にいらした方が少なくありませんでした。支出を見直してもなお、家計が厳しいという場合には、毎月積立をしている預金や投資の金額を見直したり、一時的にストップしたりすることは必要でしょう。

そこで、今回は、毎月積立の減額やストップなど見直しの順番についてお話します。

家計への影響と手間を考えて優先順位をつける

将来に向けて着実に貯蓄をするためには、毎月の手取り収入から一定の金額を積立形式で先取り貯蓄をすることですが、収入減少などで家計が厳しくなった場合には、無理をせず、見直しをすることが大切です。

積立形式で購入できる金融商品は、定期預金、iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)、つみたてNISA(積立NISA)などいろいろありますが、見直すことによりどれくらいの影響がでるのか、また、見直しの際の手続きの面倒さなどを考慮して見直しの優先順位を考えると良いでしょう。

最初に見直したいのが、銀行の積立定期預金です。というのも、家計がピンチになった時には、できるだけ手元に現金を準備したいからです。銀行の窓口やインターネットバンキングなどで金額変更の手続きをすることができます。

同じ貯蓄でも勤務先に財形制度がある場合には、財形貯蓄をしている人も少なくないことでしょう。財形貯蓄は勤務先で手続きをする必要があります。

ただし、住宅購入などを目的にした「財形住宅貯蓄」や老後資金作りを目的とした「財形年金貯蓄」は残高が合計550万円まで利子などが非課税になりますが、2年以上中断すると利子に課税されてしまうので、中断する場合には、先の見通しを立てた上で行いましょう。

積立型の投資の見直しはつみたてNISA優先で!

非課税で積立型の投資ができる代表格といえば、「つみたてNISA」と「iDeCo」です。最近は、つみたてNISA とiDeCoを併用して利用しているという人も増えてきています。

併用している場合、つみたてNISAの毎月の積立金額を少なくしたり、一時的に中断したりするのを優先したいもの。まずは、積立金額を減らして、それでも大変なら一時的に中断し、いずれ状況が好転したら積立を復活させることを考えましょう。

ネット証券などでつみたてNISAを利用している場合は、ネット上で簡単に積立金額の変更や中断をすることができます。

つみたてNISAの非課税期間は20年ですが、必ず20年間続けなければいけないというものではありません。いつでも買付・売却が可能なつみたてNISAは、家計の状況に応じて柔軟に利用できるところが大きなメリットといえますね。

iDeCoの見直しは慎重に!

一方、iDeCoも減額はできますが、iDeCoの掛け金の最低金額である5,000円より少なくすることはできません。また、積立金額の変更は1年に1回までしかできません。

掛け金の停止をしたい場合は、運用指図者になる必要があります。運用指図者とは、iDeCoで新たに掛け金を支払わずに運用の指示だけを行う人のこと。つまり、運用指図者になると掛け金の払込なしで運用だけできるというわけです。

ただし、掛け金を減額、停止している間も毎月の手数料はかかり続けます。最低でも口座管理手数料の年2,052円は、どの金融機関でもかかるほか、投資信託の信託報酬(投資信託を保有し続けている間継続的にかかる手数料)も必要です。これらのコストを考えると、せっかく貯めた資産が目減りしてしまう可能性が高いでしょう。

また、iDeCoを停止してしまうと、所得控除を受けることができず、所得税、住民税を安くする恩恵を受けることができません。

ですから、iDeCoの場合は、できれば停止は検討せず、掛け金を最低掛金の5,000円にして続ける方が得策です。

家計がピンチになり、将来の貯蓄や資産形成にもメスを入れなくてはいけなくなった場合、メスを入れる順番を間違えないようにしたいもの。

今回ご紹介したポイントをぜひ参考にしてみてくださいね。

まとめ

収入減少などで家計が苦しくなった場合、毎月の積立貯蓄や積立投資の減額や一時的な停止を検討することも必要でしょう。その際、家計への影響や手続きの手間などを考えて優先順位をつけて取り組むようにしましょう。状況が好転したら積立は復活させるのがベストです。

[執筆:ファイナンシャルプランナー 高山一恵]

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