年金は老後の自分のためだけでなく、家族のためのものでもある!

現役世代こそ知っておきたい「遺族年金」のキホン

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“老後に受け取るもの”というイメージが強い年金。しかし、65歳以上に支給される「老齢年金」は、年金の種類の1つに過ぎない。

「年金には、病気やケガ、死亡時の保険という側面もあります」と教えてくれたのは、ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の川部紀子さん。年金にはどのような機能があるのか、教えてもらった。

「直近1年間の未納なし」で障害年金・遺族年金の対象に

「年金は、老後に受け取れる『老齢年金』だけでなく、病気やケガで障害を負った場合に給付される『障害年金』、被保険者が亡くなった場合に家族に給付される『遺族年金』という機能もあります」(川部さん・以下同)

老齢年金
被保険者が老後を迎えた際に、給付される年金。現在の制度では、原則の受給開始は65歳だが、60歳から70歳の間に請求したタイミングで支給が開始する。

障害年金
被保険者がケガや病気などが原因で障害認定を受けた際に、給付される年金。年齢制限はなく、20歳から受け取れる(ただし、所得制限あり)。

遺族年金
被保険者が亡くなった際に、遺族に対して給付される年金。

「年金保険料を納めていない場合、『老齢年金』だけでなく『障害年金』や『遺族年金』も受け取れなくなるおそれがあります。万が一働けなくなった時、生活の支えになるものなので、未納は避けたいところです」

「老齢年金」は「年金保険料を10年以上納める」という受給条件があるが、「障害年金」「遺族年金」は異なり、以下の条件のどちらかを満たすことで受け取れる。

・初診日または死亡日を含む月の前々月までの国民年金加入期間の3分の1以上、年金保険料が納付されていること
・初診日または死亡日を含む月の前々月までの1年間に年金保険料の未納がないこと

「直近1年間に未納がなければ、受給条件に当てはまります。もし未納を続けている人がいたら、今からでもきちんと納めるようにしましょう」

「遺族基礎年金」だけで支給額は年間100万円以上

自分自身だけでなく、家族の支えにもなる年金。ここからは、小さな子どもを抱えている現役世代こそ注目すべき「遺族年金」について、解説していこう。

「『遺族年金』は、国民年金から給付される『遺族基礎年金』、厚生年金から給付される『遺族厚生年金』があります。『遺族基礎年金』は、18歳到達年度の末日までの子ども(子どもに障害がある場合は満20歳)がいる場合のみ給付される年金です」

被保険者の家族が配偶者や19歳以上の子どもしかいない場合は、たとえ配偶者が無収入であったとしても、「遺族基礎年金」は給付されない。

「『遺族基礎年金』はあくまで養育費のイメージですが、補償は手厚いといえます。支給額は『老齢基礎年金』の満額に、子どもの人数に応じた加算額が上乗せされるのです。令和2年度の『老齢基礎年金』の満額が年額78万1700円、第1子の加算額が年額22万4900円なので、18歳の年度末までの子が1人いると、年間100万円以上の年金が受け取れます」

子のある配偶者に支給される「遺族基礎年金」の年額(令和2年度の場合)

第3子以降は、子ども1人につき年間7万5000円が加算されていく。それなりの額になるため、生活を支える手立てになるだろう。

「遺族厚生年金」は配偶者のみでも受給可能

「『遺族基礎年金』は、18歳の年度末までの子どもがいる場合にしか給付されませんが、『遺族厚生年金』は子どもがいなくても給付されます。また、企業に勤めた年数や給与額によって支給額が変わる、という特徴もあります」

18歳の年度末までの子どもがいる場合は、「遺族基礎年金」と合わせて「遺族厚生年金」を受け取ることができる。また、子どもがいなくても受け取れるため、定年退職後に亡くなった場合も、配偶者に「遺族厚生年金」が給付される。

夫が亡くなった場合の遺族年金等の月額換算

出典/『まだ間に合う 老後資金4000万円をつくる!お金の貯め方・増やし方』川部紀子

※18歳到達年度の末日までの子、または20歳未満で1・2級の障害状態の子
※遺族年金等は、遺族基礎年金、遺族厚生年金、中高齢寡婦加算の合計額(平成30年度)であり、経過的寡婦加算を含まない
※厚生年金への加入期間を25年(300月)として計算
※遺族の年収が850万円(または所得655.5万円)未満
※平成15年3月以前は賞与総額を全月給の30%とし除外して計算

「月10万円以上の年金が受け取れると、家計はかなり助かると思います。年金には保険としての役割もあることを覚えておくと、必要以上の生命保険への加入を抑えられるので、貯蓄などに回すお金が増えますよ」

自分だけでなく家族も守る役割を持っている年金。年金保険料はきっちり納め、不測の事態や老後にしっかり備えよう。
(有竹亮介/verb)

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