「投資INSIDE‐OUT」

リスク回避の円買い?リスク選好の米ドル売り?~語られざる投資の真実(34)~

提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント

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「投資INSIDE-OUT」~語られざる投資の真実~では、マーケットでは知られているものの ハッキリとは語られない、でも投資をする上で大切なことを考えていきます。

緩やかな水準切り下げが続く「米ドル/円」相場の行方は?

従来、円高の説明として「リスク回避傾向が強まり(リスク・オフ)、低リスク通貨とされる円が買われた」というフレーズがよく使われました。一方、昨今目立つのが「リスク選好の強まり(リスク・オン)から米ドル売りが加速、対円でも米ドル安となった」といった解説です。これでは株価が上昇(リスク・オン)しようが、下落(リスク・オフ)しようが、「延々、円高・米ドル安が進んでいく」という話となるため、首をかしげる方もいらっしゃるでしょう。

為替市場では、リスク選好が強まると高金利通貨や新興国通貨が買われ、円や米ドルなど相対的に信用力の高い通貨が売られる傾向にあります。リスク回避時は「逆方向」の動きとなり、これが「低リスク通貨の円買い」と説明されています。米ドルと円は高金利通貨などに対して同方向に動くことが多いものの、米ドルは円と比べて相対的に「高金利」通貨であったことから、従来はリスク選好が強まると円ほどは売られず(=円安・米ドル高)、リスク回避時には円ほどは買われない(=円高・米ドル安)傾向にあったと言えます。

しかしコロナ・ショックを受けて、米金利の水準、見通しが大きく変化しました。向こう3年は米国でゼロ金利政策が続くとの見方が大勢となり、日米の「金利差」への注目度が大きく低下しました。こうなると貿易や投資など通貨の「需給」の影響が強まってきます。経常収支・黒字国の日本と赤字国の米国との差は歴然とありますし、米金利低下やコロナ禍での世界景気の不透明感から、日本からの米国債券投資や直接投資は足元でやや鈍化しているようです。こうした状況の変化がリスク・オン/オフ時の米ドル/円の動きを複雑化させている模様です。

*直接投資:株式の取得や現地企業の買収、または現地での工場の建設など

米ドル/円はこの1年間、110円程度から103円程度へ緩やかに水準を切り下げてきました。チャートやトレンドを重視する短期筋を中心に円高観測が根強いようです。一方で、新型コロナ・ワクチンの普及による経済正常化への期待が高まる中、年後半には先行きの米国の金融政策の転換や米長期金利上昇を先取りして米ドルが底入れするとの見方も多そうです。

当面、米ドル/円は方向感の出づらい展開が見込まれます。為替動向の解説に「頭を悩ます日々」が続きそうです。

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