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共産党第13回大会にも注目

高い経済成長率、経済正常化が目立つベトナム

提供元:アイザワ証券

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ベトナムでは2020年のGDP成長率が発表された。世界を見渡すと、現時点で直近のGDPを発表している国はまだ多くないが、ベトナムはそのうちのひとつだ。

四半期ベースでは10-12月GDP成長率は前年同期比+4.48%と前四半期よりも加速しており、2020年通年では前年比+2.91%となった。この水準は24年ぶりの低成長率であったとはいえ、世界的にはマイナス成長となっている国が多いことを考えれば、ベトナムは高成長であったといえよう。

ベトナムが高成長を達成できた要因は何か、また、ベトナム経済の現状と今後のポイントなどについても考えてみたい。

ベトナムが高成長を達成できた要因として最も大きいのが新型コロナウイルスへの対応だ。ベトナムの徹底した水際対策など厳しい封じ込めの政策が奏功して、1月25日のベトナムにおける新型コロナウイルスの新たな感染者は1人であった。この時点での市中感染者の数は55日間連続ゼロと、ベトナムはコロナ優等生と、内外から高く評価されていた。

と、ここまでは順調であったベトナムだが、1月27日にはベトナムから日本に渡った一人のベトナム人から新型コロナ変異種への感染が判明。28日には、ハノイ近郊のハイズオン市などで合計84名の新規感染者が確認された。

この事態を受けて、政府は、ハイズオン市の学校の休校や省をまたいだ移動の制限などの規制措置を実施している。このように、素早く強制力のある規制措置を実施できる、という点はベトナムの最大の強みだ。現時点において断定はできないものの、今の問題についても早期に収束できるのではないか。コロナ問題に対する政府の適切な対応は、ベトナムの好景気を支えているといえるだろう。

また、もうひとつの高成長要因が、好調な対外輸出だ。ベトナム税関総局が発表した貿易関連統計によると、2020年年間の貿易収支は約200億米ドルの黒字となった。米国向けの輸出増などが目立っており、直近は、米国がベトナムに対して対米貿易黒字への警戒を強め始めている。実際、米国財務省は2020年12月16日に公表した為替報告書において、スイスとベトナムを為替操作国と認定した。

過去には、日本や中国などの巨額の対米黒字が問題視されて、米国が為替や関税の規制が強化した、という歴史的な流れがある。このような危機的状況のなかで、名指しされた当該国は様々な手段を講じることによって克服し、結果的には規制のたびにさらに力をつけてきた。ベトナムにとって為替操作国認定はよいニュースではないものの、長期的には、産業構造の転換やコストの削減などを進展させるためのよいきっかけとして、前向きに受け止めたい。

1月25日には、ベトナム共産党の第13回党大会が首都ハノイ市で開幕した。2月2日までの日程で、向こう5年間の党や国家の運営方針、指導部の人事などが話し合われる。現時点で公表されているいくつかの決定事項をみると、新技術の導入、高付加価値産業の育成など、工業化、ハイテク化への意気込みが感じられる。

今後、2030年にはベトナム共産党設立100周年と、ベトナムにとって重要な節目の年を迎える。このたびの党大会でも、2030年までの長期目標として、8~10の高付加価値製品を製造できる産業を育成する、という目標が掲げられた。ハイテク産業育成という目標が定められたことで、今後、ベトナムから有力産業、個別企業が出てくることを期待したい。

(提供元:アイザワ証券)

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