「株主優待」の裏側に迫る!

抽選で商品の試食や生産工程の見学などができる「工場見学」への招待も♪

ロック・フィールドの株主優待:デパ地下で人気のお惣菜が購入できる”おそうざい券”がもらえる!

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今や個人投資家から大人気の「株主優待」。株主優待を目的に株式投資をしている人も多いのではないでしょうか。各企業の優待内容は、企業のホームページで確認できると思いますが、優待誕生の背景や開発秘話はなかなか知ることができません。

そこで、人気企業の株主優待担当者にインタビューを敢行!株主優待導入の背景や現在の優待に決まった経緯、裏話までセキララに語っていただきました。

今回は、全国のデパ地下や駅ビルで大人気のお惣菜を販売している『ロック・フィールド』の株主優待です。

聞き手・執筆:優待好きFP 高山 一恵

――では、本日はよろしくお願いします。早速ですが、なぜ、株主優待を導入しようと思ったのですか?

当社は1991年に大阪証券取引所新二部に上場した後に株主優待を導入し始め、当初はチルドの自社商品をお送りしていました。というのも、当社の商品をギフトとしてご利用いただく機会も多かったので、株主様にも当社の商品を楽しんでいただきたいという気持ちが強かったからです。

その後、東京証券取引所に上場することになったのですが、東証に上場する前年の1999年に、商品から現在の「おそうざい券」という形に変更しました。

――なぜ、おそうざい券に変えたのでしょうか?

この時期は百貨店の中の店舗や路面店も増やしている時期でした。ですから、株主の方にお客様として、実際の店舗を知っていただきたいということと、様々な商品に触れていただきたいという思いがありました。おそうざい券という形にすれば、実際に店舗に足を運んでいただく機会も増える上に、多くの種類から選んでいろんな商品を試していただけるのではないかと考え、変更しました。

確かに、おそうざい券をもらうことで、気になる商品や興味を持った商品など、気軽に試してみようと思いますよね。ところで、御社の株主優待は年2回ですよね?

はい。当社の優待は、毎年4月末と10月末時点での株主の方を対象に実施しておりますが、4月と10月では内容が異なります。

4月は、200株以上保有の株主の方が対象となり、保有株数に応じておそうざい券の金額が異なります。加えて、2017年からは、5年以上保有してくださっている株主の方に、1,000円分上乗せすることにしました。長期優遇制度は、2017年が起点となっておりますので実際に優遇を受けられるのは、2022年4月末以降になります。

10月は、100株以上保有の株主の方に一律1,000円分のおそうざい券をお送りしています。

おそうざい券の券面は500円なので、少量ずついろいろな商品を試していただきやすいと思います。

――御社は、「RF1」、「神戸コロッケ」、「日本のさらだ いとはん」、「アジアン・サラダ融合」、「ベジテリア」、「グリーン・グルメ」と、デパ地下や駅ビルでは定番のお惣菜をいろいろ展開していますよね。どれを試してみようか、迷ってしまいそうです!おそうざい券の他にも工場見学もできるんですよね?

工場見学は、4月末と10月末時点で100株以上保有の株主の方が対象となっており、抽選でご招待しています。

少しでも多くの方にご参加いただきたいという思いから、年に2回、静岡、神戸、東京の拠点のいずれかで、「ファクトリー見学会」や「サラダパーティー」といった形で開催しています。ただ、どの回も非常に人気が高く、倍率が20倍以上になることもあります。ですから、株主の方からなかなか当選しないというお声もいただいて申し訳なく思っています。

――当選倍率が20倍とは!!なかなか当選するのが難しいですね。ファクトリー見学はどんな内容なのですか?

拠点によっては内容が少し違うのですが、基本的には、当社の説明やファクトリーの取り組みをご紹介していますが、静岡は見学通路が整備されていますので、実際に生産工程を見ていただくこともできます。他の会場では、その工程をライブ配信や動画でご覧いただいています。

また、役員やスタッフとも気軽にお話していただいたり、当社の商品の試食もしていただいたりできます。

当社では、RF1のサラダをお家で作れるキットを販売しているのですが、過去の試食会で、トルティーヤのキットサラダをご自身で巻いて食べていただく機会を設けたところ、株主の方に大変好評でした。普段お家でお料理をしないとおっしゃっていた株主の方も、楽しそうに順番待ちをされていたのが印象的でした。

食事をしながら話をすると、株主の方も当社に対して様々な意見を言ってくださるので、ファクトリー見学会は、大変貴重な機会となっています。ですから、コロナ禍であっても直接、株主の方とお会いしてお話したいという気持ちがとても強く、今後も感染症対策をしっかりした上で開催したいと考えております。通常は、1回の工場見学につき、50~60名で実施しているのですが、まもなくご案内する4月の工場見学については、30名ほどに人数を絞る予定です。

――工場見学を楽しみにされている株主の方も多いでしょうから、中止せずに、人数を絞った形でも開催されると嬉しいですよね。私も工場見学に行ってみたくなりました。さて、お話を伺うほど、魅力的な株主優待ですが、優待を実施するにあたり、ご苦労されている点などはありますか?

おそうざい券の優待を導入した当初は大変だったと聞いています。当社は完全に直営で店舗を運営しているわけではなく、百貨店や駅ビルに店舗を出させていただいています。ですから、当社独自の商品引換券を扱っていただくにあたって、百貨店などの取引先1社1社に出向いて、どのような趣旨で制度を導入し、どのような扱いをするのかということを説明した上で、取引先にご了解いただく必要があったのです。ですので、一度に全店舗でおそうざい券を使えるようになったわけではありませんでした。

――なるほど。かなりの店舗数がありますから、1社1社説明して了解を得るとなると大変な労力だったと思います。他には何かありますか?

当社の株主の方は、日本全国にいらっしゃいますので、近くに店舗がないという方もいらっしゃいます。そういった株主の方のために、おそうざい券と引き換えにスープやハンバーグ、シャルキュトリーというハム、ソーセージなどの冷蔵・冷凍食品をお送りするというサービスも行っています。お送りする商品の内容は、おそうざい券を送らせていただくタイミングでご案内を同封しています。

たくさんの商品から株主の方に選んでいただくシステムには実務的にできないので、限られた商品の中でいかに飽きずに、喜んでいただける商品を選ぶかというところは気を配っていますね。

――近くに店舗がなくて優待でもらった金券が使えないという話は聞きますが、そういった株主の方のためにきちんと配慮されているんですね。素晴らしいです。ご苦労もある中でご担当者様の優待に対する想いもひとしおかと思います。ご担当者様一押しの優待活用術を教えてください。

当社の4月の優待は、保有株数が多いとおそうざい券の金額が上がっていくのですが、全部ご自身で使うのではなく、プレゼントにしたり、遠く離れたご家族に送ってあげたりという使い方をされている方もいらっしゃると聞きます。券面が500円ですのでプチギフトとして贈るのも良いと思います。

――確かに、プレゼントにするのもいいですね!もし、ご担当者様がおそうざい券を使うとしたらどの商品を購入しますか?ぜひオススメの商品を教えてください。

個人的にオススメなのは、RF1の「京都の湯葉とちりめん山椒のサラダ」です。手前味噌で大変恐縮ですが、こちらのサラダについてくる「七味家本舗の山椒を使ったドレッシング」は、上品な山椒の香りが湯葉の大豆の甘みとよく合っていて、すごく美味しいんです。

実は、お惣菜のドレッシングは、サラダに合わせて個々に開発していますので、他のドレッシングとの組み合わせではあの味は出ません。実際、他のドレッシングをかけてしまうと全然違ったサラダになってしまいますし、このドレッシングを別のサラダにかけても全然違うものになるんです。ドレッシング込みで商品としてのサラダが完成するよう作られているので、よくドレッシングだけ別売りしてほしいというご要望をいただくのですが、別売りは行っていません。

――ドレッシングのこだわりもすごいんですね。私もRF1のお惣菜は大ファンでよく購入していますが、単体でドレッシングが販売されていなくて残念に思うことはよくあります。商品に対する熱い思いもしっかり伝わってきました。では、最後に株主の皆様にメッセージをお願いします。

現在、コロナで大変な状況になっている中、海外旅行にも行けない、外食にも行けないと、ご自宅でお食事される機会がすごく増えていると思います。そんな中で、毎日食事のメニューを考えるのが大変、日常よりもちょっと贅沢な食事をしたいなどのご要望が増していると思います。このような中、期待されているのが、当社が展開している「中食」だと思います。

今後も当社の理念である「豊かなライフスタイルの創造に貢献」することを目指し、笑顔で食卓を囲めるようなお惣菜やサービスを開発していきたいと思います。

また、この記事を読んでいただき、当社の理念に共感していただける方、食を大事にしたいと思っている方、食べることが大好きな方、ぜひ、当社の株主になっていただき応援していただけると嬉しいです。引き続きどうぞよろしくお願いします。

――本日は貴重なお話しをいただきましてありがとうございました。


【株主優待のプロフィール(データは2021年2月12日時点)】
●優待商品名:4月末と10月末の株主様を対象に、おそうざい券を贈呈しています。また、抽選で「ファクトリー・オフィス見学会」へのご招待も行っています。

おそうざい券贈呈額一覧表(2019年6月改定)

基準日 所有株式数 継続保有期間(※1)
5年未満 5年以上(※2)
4月末 200株以上 500株未満 1,000円分 2,000円分
500株以上 1,000株未満 3,000円分 4,000円分
1,000株以上 3,000株未満 10,000円分 11,000円分
3,000株以上 5,000株未満 15,000円分 16,000円分
5,000株以上 30,000円分 31,000円分
10月末 100株以上 1,000円分

※1「継続保有期間」とは、2017年以降の基準日(毎年4月30日)を保有年数の始期とします。
※2「継続保有期間5年以上」とは、最短で2022年4月30日時点から対象者が発生し、基準日(毎年4月30日)の当社株主名簿に同一株主番号で連続して5年以上記載又は記録されることとします。

優待内容は、 2020年度。

●商品例

●年間予想配当金:20円/株(予定)
●最低投資金額:16.2万円(100株単位)
●優待に必要な投資金額:16.2万円(100株より)
※データは2021年2月10日時点

<合わせて読みたい!>
【絵でわかる】株主優待のもらい方

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