「投資INSIDE‐OUT」
米個人投資家の反乱は、日本でも起こるのか?~語られざる投資の真実(36)~
提供元:三井住友トラスト・アセットマネジメント
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「投資INSIDE-OUT」~語られざる投資の真実~では、マーケットでは知られているもののハッキリとは語られない、でも投資をする上で大切なことを考えていきます。
国内の株式市場では、米国のような急騰劇は起こりづらい?
1月末にかけて米国市場では、「SNSを通じ、個人投資家が集団で一部の銘柄を買い上げ、空売りをしていたヘッジファンドが大損をする」というハリウッド映画のネタになるような事態が発生しました。対象となった米ゲームストップ社の株価は、昨年末は18ドル台でしたが、1月27日には347ドル台まで急騰、年初来で一時18倍以上となり、ヘッジファンドの時価損失は1兆円を超えたという報道もありました。こうした急騰が起こる一因として、米国市場には「値幅制限」がないことが挙げられます。
値幅制限とは、「1日当たりの株価の上下変動幅の制限」です。日本市場では前日株価が「500円以上、700円未満」であれば「±100円」、「700円以上、1,000円未満」であれば「±150円」というように水準に応じ変動幅が制限されており、この幅になると取引が停止(=ストップ高、ストップ安)されます。
値幅制限の有無は、日米の考え方の違いにあるのかもしれません。日本では、「過度な株価変動の抑制」が投資家の保護に資するとする一方、米国では「売りたいときに売れる(買いたいときに買える)」といった「流動性の担保」がより重視されていると言えそうです。値幅制限がないため、個別株の急激な変動が起こるのは、当たり前であるとも考えられます。なお、米国では「サーキット・ブレーカー制度*」があり、「売りが売りを呼ぶ」といったパニック的な急落を回避するため、取引所が一時的に取引を中断させることがあります。
*相場の過熱時に取引を一時中断し、投資家に冷静な判断を促すための措置。
*日本のサーキット・ブレーカー制度は、先物取引やオプション取引を対象としています。
ゲームストップ株については、年初には一時浮動株※の1.4倍近くの空売りが積み上がっていたとも報じられており、「過度なリスクをとった」ヘッジファンド(=プロ)への同情の余地は小さそうです。
※浮動株:安定した株主に保有されておらず、市場に流通する可能性の高い株式
今回の騒動で米当局の「規制」の矛先が、ヘッジファンド・個人投資家・証券会社・SNSなど、何れに向かうのか気になるところです。
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