判断基準は「商品ラインアップの充実度」「相談相手の知識量」

「NISA」口座開設時のポイントは“金融機関”選び

TAGS.


「よし、『NISA』始めよう!」と思い立って、まず訪れる壁が、金融機関選び。ひと口に「NISA」といっても、対象金融機関は証券会社に銀行、郵便局、信用金庫など、多く存在する。

「普段使ってる銀行でいっか」と思ってしまうかもしれないが、金融機関によって扱う商品がまったく違うため、事前のリサーチは必須といえそうだ。ファイナンシャルプランナーの山中伸枝さんに、「NISA」口座を開設する金融機関選びのポイントを教えてもらった。

商品ラインアップが圧倒的な「ネット証券」

「『NISA』『つみたてNISA』は、途中で金融機関を変更して継続することができません(※)。特に『NISA』で非課税期間5年が経った後、ロールオーバーをする想定でいる方は、慎重に選ぶことをおすすめします」(山中さん・以下同)
※金融機関の変更は年に一度可能だが、商品を引き継いで運用し続けることはできない。

ロールオーバーとは、「NISA」で一度だけ利用できる制度で、5年間保有してきた金融商品を同じ金融機関内の新たな「NISA」口座に移行し、さらに5年間運用できるというもの。この時、含み益が出て年間120万円の枠を超えていても、その全額を次の口座に移して運用を継続できる。しかし、変更前の口座で保有していた商品を5年後ロールオーバーしたいと思っても、金融機関を変更していた場合はできない。長期保有を前提にしている場合は、やはり最初の金融機関選びが重要になるのだ。

「『NISA』や『つみたてNISA』の口座を開設する金融機関として、一般的には証券会社、銀行が挙げられます。このなかでは、取り扱っている商品数が多い証券会社が無難だといえるでしょう」

●金融機関ごとの「つみたてNISA」対象商品数の一例(出典:モーニングスター「つみたてNISA総合ガイド」/2021年1月12日時点)
松井証券 160本
SBI証券 159本
楽天証券 156本
auカブコム証券 150本
マネックス証券 149本
SMBC日興証券 147本
大和証券 20本
三菱UFJ銀行 12本
ゆうちょ銀行 12本
野村證券 7本
みずほ銀行 5本
三井住友銀行 3本

「NISA」と「つみたてNISA」、どちらで運用を開始するにせよ、多くの選択肢のなかから希望に合ったものを選べる方が、安心感があるといえるだろう。

「『つみたてNISA』であれば、選んだ金融機関と最長20年間おつき合いすることになります。その間に特定口座を開設したりiDeCoを始めたりする可能性を考えると、自分にとってスムーズに手続きしやすい金融機関を選ぶことで、窓口を1つに絞ることができて、管理がラクになるでしょう。仕事や子育てで忙しい人には、手続きがオンラインで完結する金融機関もあるので、調べてみるといいでしょう。ネット上なら24時間365日いつでも手続きできますよ」

窓口スタッフを頼るなら「対面型証券会社」がベター

「オンライン完結」の魅力は大きいが、操作方法などでハードルを感じる人であれば、窓口を有する対面型証券会社も選択肢の1つだという。

「オンラインでの手続きなどに不安を感じる方、専門家に相談しながら進めたい方は、対面型証券会社の窓口に行ってみるといいでしょう。会社によって扱う商品が異なり、『NISA』に強いところ、『つみたてNISA』に強いところがあったりするので、2~3社訪ねてから決めましょう。話を聞いたからといって、そこで必ず口座を作らなければいけないわけではないので、『つみたてNISAって何ですか?』というような質問をしてみて、対応のいいところで検討してもいいと思います」

証券会社と同様に窓口で相談できる銀行に行く場合は、注意が必要とのこと。

「銀行の方が気軽さはありますが、『NISA』でも株式投資ができないというデメリットがあります。絶対に馴染みの銀行がいいということでなければ、証券会社の方が資産形成の選択肢は多いといえるでしょう」

時間に余裕があり、じっくり選びたいのであれば、独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)や特定の金融機関に属していないファイナンシャルプランナー(FP)に相談するのも1つの方法。

「インターネットで探せば専門家が発信している動画やコラムが出てきます。焦って金融機関を選ばず、ある程度『NISA』に関する知識を蓄えてからの方がいいと思いますよ」

「投資商品」を軸に金融機関を選ぶのもあり

金融機関選びと同様に大切なものが投資商品選び。投資対象を何にするかということはもちろん、投資信託であれば運用手数料である信託報酬が安いものか、利回りがいいものか。人によって判断基準はさまざまなため、しっかりと軸を持って選ぶことが重要だ。

「金融機関によって取扱商品数が異なることからもわかる通り、すべての商品がどこでも買えるわけではありません。気になる商品を先に見つけて、その商品を扱っている金融機関で口座を開設するという進め方もいいでしょう」

自分の資産の預け先となる金融機関選びは、慎重に行いたいもの。1社だけを見て決めずに、複数の会社を比較するところから始めてみよう。
(有竹亮介/verb)

設問1※必須
現在、株式等(投信、ETF、REIT等も含む)に投資経験はありますか?
設問2※必須
この記事は参考になりましたか?
記事のご感想などをお寄せください。
(200文字以内)

注目キーワード