リタイア後のマネー事情

もしかして勘違いしていない?

30代・40代に多い、年金の4つの勘違い

提供元:Mocha(モカ)

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老後なんてまだまだ先のことと思っている若い年代の人は、年金に関して勘違いをしがちです。勘違いをしたまま、保険料を納めなかったり、よく確認しなかったりすると、損をしてしまうこともあります。そこで今回は、年金についてのよくある勘違いを4つ紹介します。老後になってから後悔しないよう、よく理解しておいてくださいね。

年金の勘違い(1):「そもそももらえない」と思っている

個別相談をしているとよく30代〜40代の方に「どうせ年金なんてもらえないですよね」と言われます。しかし、そんなことはありません。年金額に変動はありますが、国民年金保険料を10年以上支払っていれば年金は受け取ることができます。

国民年金保険料を20歳から60歳までの40年間納めていた場合、2021年度の年金(老齢基礎年金)の金額は78万900円です(1ヶ月あたり6万5075円)。2020年度より0.1%、1ヶ月あたり66円ダウンとなっています。この金額は、前年の物価と賃金により変動することになっています。

国民年金の金額は、40年のうち何ヶ月分の保険料を払ったかで決まります。たとえば、10年だけ納付していた場合は40年間の4分の1納付したことになるので、78万900円×1/4=19万5225円の年金額になります。ですので、老後にもらえる年金額を増やしたいならば、できるだけ納付することが大切です。

なお、仮に年金保険料を9年11ヶ月納付していたとしても給付条件の10年に満たないため年金はゼロになってしまいます。10年以上保険料を納めていれば、「年金がもらえない」ことはありません。

年金の勘違い(2)「元がとれない」と思っている

個別相談では、「どうせ年金払っても元がとれないんでしょ」とも言われます。しかし、これも誤りです。

年金の保険料は毎年変更されています。2021年度は毎月1万6610円でした。この10年前の2011年度は1万5020円でしたから、10年で1590円上がっています。とはいえ、将来元がとれないということはありません。

仮に今年度の給付額、年金保険料が続いたものとして試算すると、次のようになります。

・40年間の総払込年金保険料 1万6610円×40年間=797万2800円
・797万2800円÷年金額78万900円=10.2年

つまり、おおよそ10年3ヶ月以上年金を受け取れば、元がとれることになります。

現在の年金受給開始年齢が原則65歳ですから、損益分岐点は75歳3ヶ月です。平均寿命がおおよそ女性87歳、男性81歳であることを考えると多くの方が「元がとれない」ことはないのです。

もちろん、それぞれの寿命により本当に「元をとれる」かどうかはわかりませんが、今払っている年金保険料は将来への積立ではなく、現在の年金受給者への世代間扶助と考えるとわかりやすいと思います。大切な制度なので、しっかり払っていきましょう。

年金の勘違い(3):「学生納付特例」の未納分は払わなくていいと思っている

日本国内に住むすべての人は20歳になった時から国民年金の被保険者となり、保険料の納付が義務づけられています。しかし学生は、「学生納付特例制度」が設けられており、申請をすれば在学中の保険料の納付が猶予されます。この手続きをした人も多いと思います。その猶予してもらった未納分を「どうせ払っても年金は増えないし」と放置していませんか?

学生納付特例の猶予期間は、年金の受給資格期間としてはカウントされますが、年金額には反映されません。つまり、2年未納のままであれば、年金額が2年分減額されてしまうのです。2021年度の年金額で計算すると、78万900円×(1-2/40)=74万1855円となり、年金額が3万9045円減ってしまいます。

しかも、この減額された年金額は一生涯続きます。年金受取の65歳から女性の平均寿命87歳まで22年間続くとすると、3万9045円×22年=85万8990円も受け取れる金額が減ってしまうのです。

学生納付特例で猶予された期間の保険料は、10年以内であればさかのぼって納めることができます。2年間の保険料はおよそ38.6万円。これを払うと将来の年金額を22年間で85万円増やせる計算になるのです。将来、年金を少しでも増やしたいならば、納めておくべきでしょう。

年金の勘違い(4):「年金は老後のこと」で今は無関係と思っている

年金というと老後のことだけをイメージしがちですが、ケガや病気で大きな障害をもつことになった場合には、老後でなくとも「障害年金」が支払われます。障害等級2級なら老齢年金と同額、障害等級1級なら老齢年金の1.25倍(2021年度の場合約97万円)の年金が受け取れるのです。

老後の年金は10年が給付条件でしたが、この障害年金は初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間に保険料が納付または免除されていること、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないことが条件となっています。年金は老後だけでなく、現在の生活に万一のことがあった場合にも給付される「保険」の役割も兼ねているのです。

まとめ

年金の制度は複雑な上、知る機会が少ないのが現実。年金について、大切なことを勘違いしている人が多いのは当然のことです。若い人はもちろん、それ以外の方でも、自分の将来を考えるうえで、年金の知識はとても大切です。勘違いのままで損することのないよう、少しずつ知識を身につけていきましょう。

[執筆:ファイナンシャルプランナー 稲村優貴子]

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