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【お笑い芸人・パックンさん】子どものマネー教育に役立った『金持ち父さん 貧乏父さん』

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投資家としての一面も持つ各界のトップランナーに、投資への想いとオススメの本を訊くこちらの企画。今回は、お笑いから報道まで、多方面で活躍中のパックンさん。

25歳から投資をしているというパックンさんですが、ご紹介いただく書籍『金持ち父さん 貧乏父さん』(ロバート・キヨサキ:著)は、中学生のお子さん2人のマネー教育に役立てるために読んだ一冊だそう。世界的なベストセラー本から学んだこととは? また、パックンさんが実践しているマネー教育も教えてもらいました。

金持ち父さんから受け取れるのは「学べ」というメッセージ

――パックンさんが『金持ち父さん 貧乏父さん』を読もうと思われたきっかけを教えてください。

パックン:子どもの投資教育を考えはじめたときに、自分も父さんだし、何かいいメッセージが得られるかなと思って読みました。内容を簡単に説明すると、著者は自分のためにお金を働かせている金持ち父さんと、安定した職に就いて勤労することを良しとする貧乏父さん、2人の父親を手本にして、お金について学ぶべきことを記しています。

――特に学ぶべきだと感じるポイントはどこですか?

パックン:「貧乏になる人は怖くてリスクを負わないけれど、お金持ちになる人は前向きにリスクを負って儲けようとする」「貧乏な人は資産と負債の違いが分からないけど、お金持ちはその違いを知ったうえでキャッシュフローをしっかり把握をしている」などは、その通りだなと納得できるので、この本で学べる部分かなと思います。「お金はお金を生むことができるものだ」というメッセージは、投資教育にもすごく大切ですね。

――投資に挑戦する前に、最低限知っておくべきことが書かれている、ということですね。

パックン:そうですね。ただ、正直、金持ち父さんはちょっと鼻につくヤツなんですよね(笑)。お金持ちになる人は賢いんだよ、と言っているみたいで、真面目にコツコツ仕事をしている人はバカにされた気分になるかも。僕はそこにはちょっと納得できないかな。でも、自分のお金を働かせるという、重要な選択肢の存在に気づける本だと思いますよ。

――お金持ちの頭の中を知ることは、お金の不安を解消する第一歩になりそうですね。

パックン:その意味では、この本にはいいメッセージがいっぱい書かれています。そのひとつは、金持ち父さんの「学べ」というメッセージ。お金持ちは、お金のために仕事をするんじゃなくて、経験や知識を得るために仕事をする、とも書かれていて、この考え方はいいなと思ったんですよね。会計や税金の知識、お金に関する法律、つまりファイナンシャル・インテリジェンスを高めなさいと言っていて、確かにその通りだなと。

――お金持ちになるかならないかは、経験と知識が大きく左右するということですよね。

パックン:そうです。著者のロバート・キヨサキさんは本の中で、大学の学位をたくさん持っているのに、いつもお金に困っている貧乏父さんよりも、お金がどのように動いているかを理解している金持ち父さんの思考に従うことを決めた、と書いています。

――なるほど。

パックン:やはり言葉を知っているかどうかは大事で、実際、金持ち父さんが普段使っている言葉にはハッとさせられるものが多い。言葉は知識であり、経験でもありますよね。投資で成功するためには、言葉を理解し、それを使って思考することが大前提だということに、あらためて気づかされました。

――この本は、どのような人にオススメだと思われますか?

パックン:一番は、お金持ちになりたい人ですよね。ただ、正直、僕はお金持ちになりたい、という欲望はそんなに強くないんですよ。だから、どうやったらお金が儲かるのかを毎日考える生活は送りたくない。でも、お金持ちになりたい人は、この本を読むことで、やるべきことがはっきりするんじゃないかな。

子どもに投資先を選ばせる!パックン父さん流のマネー教育

――ちなみに、お子さんのマネー教育の参考にこの本を読もうと思われた、とのことですが、普段どのようなマネー教育をされているのでしょうか?

パックン:株や債券とはなんぞや、ってことを話しています。完璧に理解しているとは思わないけど、自分で考えさせるために投資を実践させています。

――投資を実践!?

パックン:正確には、自分たちで「ジュニアNISA」の投資先を決めさせているんです。まず、一緒に銀行へ行き80万円を下ろします。それを2人の目の前で担当者に渡し、NISAの資料をもらいます。そして、「ここに投資先の選択肢が載っているけど、どれがいいと思う?」と聞いて考えてもらいます。中学生にもなると1万円の価値は分かっていますから、目の前に1万円札が80枚あると、それはもう真剣に考えますよ。

――確かに、投資をリアルなものとして考えることができそうです。

パックン:そう。いろいろな国の指標を見ながら、どこの国が伸びるかな? とか、複数のファンドのポートフォリオを比較しながらどんな会社が成長しそうかな? とか、ワイワイ楽しみながら決めていますよ。

――投資についてだけじゃなくて、各国のお国柄や世界の経済状況が自然と学べそうですね。

パックン:子どもだから分からないだろう、っていうのは間違いだと思うんです。以前、僕はウォール街で働いていたバリバリのトレーダーを取材したことがあるんですが、彼は9.11のテロで衝撃を受けて仕事を辞めて、中学校の教師になったんです。それで、「投資部」を作り顧問として投資の基礎を教えていました。そして、彼から投資を学んだ子どもたちが、全米規模の投資シミュレーション大会に出場したところ、全国でトップ5にランクインしたそうです。

――それはすごい!きちんと学べば、年齢に関係なく投資の成果を出せるんですね。いま日本では、お金の不安を抱える人が少なくないと思いますが、お金や投資について学ぶことで、不安から解放される人も多そうです。

パックン: そうですね。あと、お金の不安をなくすには、自分が最低どれくらいの収入なら生きていけるのかを知ることも大事だと思います。僕は貧乏暮らしが長かったから、生活費をかなり低くして暮らせる自信がある。とりあえず、貯金や投資に回せるお金を作るためにも、若者なら自分の給料の範囲内で、最低限の暮らしを試してみるといいかも。

――なるほど。身の丈を知るということですね。他に、若いうちに経験しておいた方がいいと思われることはありますか?

パックン:コロナが終息したら、世界のどこかに出かけてみてほしいですよね。日本にいる自分しか知らないから、やみくもに不安になっているだけかもしれないし。だって日本人っていうだけで、重宝されることもあるはずだから。

――重宝ですか。

パックン:そう。僕がアメリカにいたら、「きみ日本人!? 珍しいからちょっと話を聞かせて」って思うもん。あと、世界の和食店でもきっと働けるはず。僕だって英語を話せるだけで英会話講師の仕事がもらえたんだから。世界を見渡せば、どこでだって稼げる。だから自信を持って!

取材・文:末吉陽子(やじろべえ)
撮影:菅井淳子

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