売買した時点? それとも売買から数日後?

ETF&投資信託の売買価格が決まるタイミングっていつ?

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常に価格が変動する金融商品。できるだけ値下がりしたタイミングで買い、値上がりしたタイミングで売りたいものだが、売買の注文をした時点で価格が決まるとは限らないようだ。

今回は、証券取引所に上場している投資信託「ETF」と上場していない「投資信託(公募投資信託)」の価格が決まるタイミングについて、投資信託の運用会社勤務の経験を持つファイナンシャルプランナー・大地恒一郎さんに教えてもらった。

「ETF」は売買が成立した時点で価格が決まる

「『ETF』は、証券取引所が開いている時間帯(東証の場合は平日9:00~11:30、12:30~15:00)であれば、証券会社で売買できます。投資信託の一種なので毎日基準価額が出ますが、実際に売買する価格は取り引きしたい人同士が出し合った指値(希望価格)によって決まります」(大地さん・以下同)

ETFの売買の方法は、大きく2つに分けられる。

板寄せ方式
証券取引所が閉まっている間に出された注文に対して適用される、売買の方法。買う場合はより高い価格の注文が優先され、売る場合はより安い価格の注文が優先される。

ザラ場方式
証券取引所が開いている間に出された注文に対して適用される、売買の方法。買い手がつけた価格と売り手がつけた価格が合致した時に、売買成立となる。

「どちらの方法にしても、買い手と売り手が互いに指値または成行(なりゆき)で、希望の口数を出し合い、折り合いのついたところで成立となります。成行(なりゆき)で注文を出した場合は、希望していた額より高くなったり安くなったりすることもありますが、いずれにせよ売買が成立した時点で価格が決定します」

「投資信託」の売買価格が決まるのは注文当日または翌日

一般的な「投資信託(公募投資信託)」は、「ETF」とは異なる流れで価格が決定する。

「『投資信託』は、1日1回決まる基準価額で売買されます。ただし、売買の注文をした日の基準価額で必ず取り引きされるとは限りません。また、注文した時点では、売買の価格が確定しないという特徴もあります。『投資信託』を売買する場合は、これから紹介する3つの『○○日』を覚えておきましょう」

申込日
売買の注文を行った日。証券会社の窓口では、一般的に9時から15時まで受けつけている。ネット証券では24時間注文できるが、その日の注文として扱われるのは15時まで(※)。15時以降は、翌日の注文として扱われる。
※レバレッジ型・インバース型の投資信託の場合は、15時より早く締め切る場合が多い。

約定日
注文した売買が成立した日。国内の株式や債券に投資する投資信託であれば、申込日に成立することが多い。外国の株式や債券を組み込む投資信託は、申込日の翌営業日以降に成立する。18時頃に基準価額が決まってから売買が成立し、価格が確定する。

受渡日
投資信託を購入する場合は代金の決済、売却する場合は代金の振り込みが行われる日。受渡日は投資信託によって異なるが、一般的には約定日の2~5営業日後が多い。

投資信託注文スケジュールの一例

「買い手であれば『100万円分買う』と値段を指定することができますが、売り手の場合は売買が成立する約定日まで受け取り価格がわかりません。当日に売却価格がわかる国内株式などと違い、投資信託では、売却のタイミングを見極めることが難しい場合もあるでしょう」

iDeCoでの「投資信託」売買は2週間のタイムラグあり

iDeCo口座で「投資信託」を売買する場合は、大きなタイムラグが生じるという。

「iDeCoの掛け金の引落日は毎月26日ですが、引落日が『投資信託』の申込日になるわけではありません。iDeCoでは、引落日の13営業日後が申込日になるのです」

iDeCoでの投資信託注文スケジュールの一例

約半月後の注文となると、投資信託の価格が大きく変動している可能性もあるが、「iDeCoであれば問題視しなくてもいい」と大地さんは話す。

「iDeCoはそもそも“公的年金にプラスできるもう1つの年金”として、自分で決めた額を長期的に積立投資する仕組みの制度。たとえ投資している商品が一時的に暴騰・暴落したとしても、毎月の積立を継続することで長期的な運用成果を目指すものなので、タイムラグはあまり関係ありません。むしろ商品の価格を気にすると、長期的な投資は続けづらくなってしまいますし、iDeCoを始めるなら売買の価格やタイミングはあまり気にしなくていいでしょう」

証券取引所が開いている時間にタイムリーに売買することができる「ETF」と、売買成立まで価格が決まらない「投資信託」、それぞれの特徴を踏まえたうえで、自分に合った取引をしよう。
(有竹亮介/verb)

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